2018.08.17 |暮らし    1

波瀾万丈を生きる先輩から~50代のあなたへ~【池坊保子さんインタビュー】

 仕事や家事に追われて、自分のことは後回し。気がついたら、人生の折り返し地点に立っていた。ふと、これからどう生きればいいのだろうかと、考えることはありませんか? 

 新たに世界を広げるべきか、はたまた活動を縮小して人生の断捨離をするべきなのか…。力強く生きてきた60才以上の先輩に聞いた、迷える50代を過ごす上で知っておきたいこと──

50代とは「与えられた機会をやり抜く年代」である

 名家出身で裕福な家庭だったが、終戦後、華族制度の廃止により自給自足を強いられる生活に。大学を中退して、21才で550年以上続く日本最古の生け花の家元と結婚。衆議院議員を5期務め、71才で女性初の日本相撲協会の評議員会議長に就任──さまざまな決断を迫られたであろう人生だが、池坊さんは意外にも思い悩んだことはないという。

「私は自然体で生きてきました。外から見たら、すごい決断だろうと思うことも、私自身にとっては当たり前のこと。それは結婚も、国会議員になった時も同じです。

 私は小さい頃から、政治家か弁護士か小説家になりたいと思っていたの。だから子育ても落ち着いた54才で政治家になる機会をいただいたから、迷いはありませんでした。

 ずっと仕事はしていたけれど、50代は孫に夢中だった時期かも(笑い)。わが宝は、2人の娘と2人の孫だと思っています。子供が小さい頃、娘と交換ノートを作って交流したり、携帯電話がない時代だから、いつも10円玉をハンドバッグにたくさん入れて、公衆電話があると「どうしてる?」と家に電話をしていました。

 今思うと、もっと子供と一緒にいてあげたらよかったな、という反省はあります。長い人生の中でも、子育てができる時間は限られていますからね」

 近年、角界で不祥事が多発。昨年、日本相撲協会の評議員会議長として、池坊さんが貴乃花親方の姿勢を糺す記者会見を開くと、「処分が不可解」「パワハラだ」と非難の矛先となってしまった。

「あら、私、バッシングされていたんですか? 言うべきことを言っただけですから、そんなこと気にしませんけどね。そもそも、ワイドショーや週刊誌、ネットの噂は見聞きしません」

 著名人に限らず、エゴサーチをし、一喜一憂する人は少なくない。そう伝えると、池坊さんは目を丸くした。

「なぜ、人の評価なんて気にするのかしら? だって、関係ないじゃないですか。人から褒められようが貶(けな)されようが、自分は自分、それ以上でも以下でもないんだから」

笑って最期を迎えられたら最高の人生

「人はいろんなことで判断するんです。それは身勝手で頼りないものですし、立場や時代によって、価値も基準も変わってしまうもの。運動ひとつとっても、練習中はお水を飲んではいけないと言っていたし、うさぎ飛びもさせていました。今はどちらも誤りですよね。だから私は、その時の風潮に左右されることはないんです。

 誰かと比べて、自分は劣っているとか、不幸だと落ち込んでも意味のないこと。だって、わからないじゃないですか。外から恵まれているように見える人だって、その人は不幸のどん底にいると思っているかもしれませんよ。内面まで見えないのだから。人生なんてトータルです。自分が笑って最期を迎えられたら、最高の人生ですよね。

 私は毎日、眠る前に数分、父と母に感謝の言葉をかけます。今という時を大切にして、不平不満は言わない。それは華族制度が廃止されて生活が一変しても、泣き言ひとつ言わなかった母の背中から学んだのかもしれません。

 思い起こせば、あの時は大変だった、絶望したということは、枚挙にいとまがないほどあったと思う。今だって喜びばかりの日々じゃなくて、つまらないことで落ち込むことはあります。だけど、一日を終える時は、無事に過ごせたことに感謝したいと思います」

【池坊さんからのメッセージ】
から褒められようが貶されようが、関係ない。 自分は自分、それ以上でも以下でもないんです。

池坊保子さん

■池坊保子さん(76才)
華族の出身で、天皇陛下のはとこ。学習院大学文学部在学中に華道界最古の家元と結婚。池坊学園理事長・学園長を経て、1996年に衆議院議員となり文科副大臣を務める。2014年、日本相撲協会の評議員会議長に就任。

※女性セブン2018年8月23・30日号

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  1. kenichi より:

    池坊さん、好きじゃなかったけど…やっぱり好きじゃないや(-_-メ)

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