2018.09.05 |ヘルス    1

脂肪肝|女性も要注意!ダイエットも一因|なりやすい生活習慣と改善方法

 肝臓に脂肪がたまり、フォアグラ状態になる脂肪肝。従来はお酒をたらふく飲む男性がかかる病気だと思われていたが、最近はお酒をまったく飲まない女性にも増えている。日本人の3人に1人が脂肪肝にかかるといわれる現代。その理由はどうやら生活習慣にあるようで…。

お腹に脂肪が載った女性

脂肪肝になりにくい生活習慣とは?

 まず、質問。

【脂肪肝になりやすいのはどっち?】

1:お酒を…飲むor飲まない
2:先に食べるのは…野菜or肉
3:性別は…女性or男性
4:ラーメンを選ぶなら…とんこつorしょうゆ
5:朝食なら…バナナorオムレツ
6:アイスなら…シャーベットorバニラアイス
7:カロリーは…気にするor気にしない
8:体形は…やせ型or肥満

(答えは後ほど)

 脂肪肝とは、中性脂肪が肝臓に蓄積する病気。『栗原クリニック東京・日本橋』院長の栗原毅さんは次のように説明する。

「人間ドックなどの検診で見つかる肝臓病の中で、圧倒的に多いのが脂肪肝です。肝臓に、通常では3%程度しかついていない中性脂肪が30%以上もついてしまった状態です。

 脂肪=油の摂りすぎと思いがちですが、主な原因は糖質。

 食事で摂った糖質はブドウ糖に分解され、小腸から吸収された後、肝臓で中性脂肪に変化します。糖質の摂りすぎに運動不足が重なると、使い切れないブドウ糖が中性脂肪として肝臓に蓄えられます」

 糖質を減らそうと、やみくもに食事制限に走るのも危険。

「無理な食事制限をすると、肝臓は生命維持のために体中の脂肪を集めて蓄えようとします。すると手足は細いのにお腹だけぽっこり出ている“低栄養性脂肪肝”つまり、ダイエット脂肪肝になってしまうのです」(栗原さん)

 脂肪肝は放置しておくと、糖尿病や脂質異常症、心筋梗塞、脳梗塞など生活習慣病のリスクも高めるほか、肝硬変や肝臓がんへと進行する可能性も大。

 痛みなどの自覚症状がないだけに、いつの間にか進行している恐ろしい病気。早めに予防&改善に取り組もう。

 それでは、先の1~8までの答えを解説しよう。

1 お酒を飲まない方がなりやすい

 脂肪肝には飲酒が関係する“アルコール性”と、お酒とのかかわりが薄い“非アルコール性”がある。「お酒もビール中瓶1本かワイン2杯程度なら、血行もよくなるので、脂肪肝にはなりにくいのです。むしろ、食べすぎによって起こる非アルコール性の方が日本人には多いのです」(栗原さん・以下同)。

2 お肉を先に食べるのがベスト

 野菜を先に食べると血糖値がゆるやかに上がって、太りにくいのは確か。「しかし、野菜を食べすぎると肝心のたんぱく質が摂れず、筋肉が衰えて代謝の悪い体になりやすい。まずは、お肉から食べるようにしましょう」。

3 女性、特に50才以上は危険

 女性の脂肪肝は45才頃から増加し、60代でピークを迎える。「特に非アルコール性の罹患率はグンと上がります。女性は閉経を迎える頃から、エストロゲンが減少し、それに伴い肝臓にも脂肪が蓄積しやすくなるからです」。

4 しょうゆラーメンの方がリスクが高い

 意外にも、油は糖の吸収を抑えてくれる働きがある。「ラーメンの麺は糖質が高めですが、油と一緒に摂れば吸収が抑えられるため、とんこつの方が肝臓に脂肪がたまりにくい。しょうゆは油分が少ない分、ダイレクトに糖質が吸収され、脂肪になりやすいのです」。

5 果物が大きな原因に

バナナとキウイ

 脂肪肝の原因となる糖質は単糖類。これは果物に含まれる果糖やブドウ糖のこと。「単糖類はあっという間に吸収され、肝臓に直行し、中性脂肪に変わります。バナナやキウイフルーツなどの果物に含まれる糖質が脂肪肝の最大の原因なのです」。

6 シャーベットは脂肪肝になりやすい

「果物と同様にシャーベットには果糖やブドウ糖が含まれているため、脂肪肝になりやすい。一方、バニラアイスは乳製品や卵などたんぱく源が使われており、糖の吸収も比較的ゆるやかです」

7 カロリーよりも糖質に注意を

 カロリーが気になるからと、おにぎりだけ、サンドイッチだけで済ませる人は特に注意。「肉や魚を摂らず、糖質に偏った食事は、脂肪肝を招いてしまいます。制限すべきはカロリーよりも糖質であることを心得ましょう」。

8 やせ型・肥満どちらもリスクあり

 脂肪肝は太った人がかかる病気というのは間違い。「確かに肥満体質の人の方がリスクは高いのですが、やせ型にも多くいます。肝臓にたまる脂肪は、外見からだけでは判断できません。特に手足は細くてもお腹だけ出ている人は、脂肪肝にかかっている可能性大です」。

脂肪肝になりにくい生活習慣12

 脂肪肝は食生活と運動習慣で改善される。なってしまったとしても、以下のような習慣をコツコツ続ければ2~3か月後には結果が表れる。諦めないで頑張りましょう!

●フルーツは食後にほんの少しだけ

 果物が大好きで、どうしても食べたい場合は食後に。「たんぱく質や脂質と一緒に摂ると、糖質の吸収が遅くなります。ただし、食べすぎに注意。りんごなら2切れ、ももなら4分の1個など、少量に抑えておきましょう」(栗原さん・以下同)。

●和菓子より洋菓子を選ぼう

ショートケーキ

「ショートケーキは生クリームやバターが使われているが、脂質とたんぱく質が含まれているので、一緒に食べた糖質の吸収を遅らせる作用があります」。和菓子は体内に入るとブドウ糖となってすぐに吸収され、脂肪になる。

●最低でも20回噛む

 早食いは短時間に胃の中に食べ物が入ってしまうため、糖質の吸収を早め、脂肪がつきやすくなる。最低でも20回は噛んでから飲み込むようにしよう。

●1日の食事量は3:4:3

 朝食抜きは昼食の血糖値の上昇を招き、脂肪になりやすい。3食必ず食べること。「ほぼ決まった時間にバランスよく食べましょう。食事量も朝3、昼4、夜3がベスト。朝と夜は少なめで、昼は多いというのもNG。夜は遅く食べると、たんぱく質を摂っても脂肪の蓄積につながりやすいので、19時には済ませましょう」

●糖質は少しずつ減らす

ごはんイラスト

 糖質の摂りすぎは脂肪肝の原因になるが、まったく摂らないと力が出なくなるなど健康にも弊害が。「健康な人が1日に摂っていい糖質の目安は200~250g。脂肪肝が疑われる人は、ここから1日25~35gずつ減らせばいいのです。つまり、ご飯なら、茶碗2分の1杯、食パンなら6枚切り1枚程度。1食で一気に減らすのではなく、ご飯を一口ずつ残すなど、3食の間で調整を」。

・コーラ500ml/含まれる糖質57.0g
・ゆでそば1玉/含まれる糖質48.0g
・ごはん茶わん1杯(150g)/含まれる糖質55.2g
・ケチャップ大さじ2/含まれる糖質7.7g
・ゆでうどん1玉/含まれる糖質41.6g
・かぼちゃ1食分(100g)/含まれる糖質17.2g

●ダイエットは1か月500g減を目標に

 急激なダイエットは肝臓にダメージを与え、正常に働かなくなって、脂肪肝のリスクが高まる。「健康を維持しながら行うダイエットの目安は1か月500g~1kg減と覚えておきましょう」。

肝脂肪かどうかは血液検査でチェックを GPT、GOT16/L以上は要注意

 脂肪肝は自覚症状がないため、かかっていても気づくことは難しい。自己診断せずに、まずは血液検査をしよう。

「健康診断の血液検査には、肝機能の状態を表す項目が3つあります。これらの数値が1つの指標になります」(栗原さん・以下同)

 項目は、【1】アルコール摂取量を反映するy-GTP、【2】肝細胞に多く含まれる酵素の数を表すALT(GPT)、【3】肝臓を含む他の臓器にも含まれる酵素の数を表すAST(GOT)の3つに分かれている。脂肪肝は、【2】と【3】の値で判断できる。

「この2つの基準値は10~30 IU/L。ですが、臓器の細胞に異常が出て死滅すると、これらの数値が高くなります。脂肪肝は、これより低くてもなる場合があり、どちらかが16 IU/L以上であれば脂肪肝の可能性があるとみなし、生活習慣の改善が必要です」

 また、【1】が100 IU/L以上の場合は、アルコール性脂肪肝の可能性があり、禁酒が必須となる。

「非アルコール性の場合は生活習慣病なので、治療薬があるわけではなく、糖質を控えて食事を改善し、運動を習慣化して筋力をつけ、代謝を上げていけば、改善できます」

 上記の栗原さんがすすめる、以下の脂肪肝改善&予防できる生活習慣を早速、取り入れてみよう!

運動で改善!筋肉を鍛える、ドローインも効果的

ドローインのイラスト

 筋肉に負荷をかけるスクワットをすることで、太ももにある、体の中で最も大きい筋肉・大腿四頭筋が鍛えられる。

「筋肉を鍛えることで、脂肪燃焼しやすい体になり、脂肪肝以外に皮下脂肪も減少します。足を肩幅より少し広めに開き、息を吐きながら5秒かけてしゃがみ込み、次に、息を吸いながら5秒かけてゆっくりひざを伸ばす。この動きを朝と夜、各5回ずつ行いましょう」。また、息を大きく吸い込みながらお腹を最大限に凹ませ、15秒キープ。その後、息を吐きながらゆっくりと元に戻す、ドローインも効果があるので行って。

チョコファースト、1日5杯の緑茶が効果的

●チョコファーストで肝機能改善

 チョコレートを食べると肝機能が改善する。

「チョコレートには、大量のポリフェノールが含まれ、活性酸素を除去する抗酸化作用があります。また、食物繊維も豊富で血糖値上昇を抑えられるというメリットも。ただし、砂糖がたくさん入ったものではなく、カカオ70%以上のものを。目安は、1日25gを5回に分けて食べて」。

 1回5gの目安は、親指程度の長さだ。

●1日5杯以上の緑茶で肝臓を守る

 緑茶に含まれるカテキンにも抗酸化作用があり、活性酸素によるストレスから肝臓を守る働きがある。「緑茶を1日5杯以上飲む人は、肝臓がんの罹患リスクが低いこともわかっています。お茶を入れる時間がない人は、ペットボトル入りのものでも構いません」。

イラスト/伊藤さちこ 写真/Getty Images

※女性セブン2018年9月13日号

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  1. Honda より:

    朝ごはん、いつも時間がないのでバナナだけにしてまいした!
    すぐに吸収され、脂肪になるなんて…

    1+