2018.09.17 |ヘルス    1

何才からでも筋肉は鍛えられる!膝を痛めない【ボートこぎエクササイズ】

 更年期を過ぎたあたりから“中年太り”になってしまい、ダイエットをして体を軽くしなければ、と思う人も多いが、早稲田大学スポーツ科学学術院教授の樋口満さんはこう解説する。

「女性は食事制限によってやせようとしますが、女性は男性と比べて、内臓脂肪より皮下脂肪がつきやすいので、多少の脂肪はあってもいいんです。それよりも、“自立寿命”を延ばす、つまり、いつまでも自分で動ける体を作るために、体力の衰えを食い止めることが大切です」

 その鍵となるのが“筋肉”だという。

「筋肉は、体の約40%を占めており、衰えやすい性質があるため、何もしないと1年で1%ずつ減少してしまいます」(樋口さん・以下同)

 筋肉のピークは20代。それ以降はどんどん衰えていくため、年齢を重ねたら、自分で維持する必要があるのだ。

ローイングをする女性

いつまでも自分で動ける体を作るためにできることとは(写真/アフロ)

「特に女性は、閉経を迎えるとホルモンのバランスが変わり、筋肉が急激に減少して、太りやすくなる傾向にあります。筋肉が減少すると足腰が弱り、転倒して骨折するリスクが高まります」

 さらに、寝たきりの状態から認知症につながる可能性も高くなる。

「筋肉がつけば骨も丈夫になり、骨粗鬆症などによる骨密度の低下も抑えられます。また最近では、筋肉はがんや糖尿病、認知機能を改善する物質も分泌していることが解明されています」

 これから迎える超高齢化社会は、1人でも多くの人が“アクティヴ・シニア(元気な高齢者)”を目指さなければ、破綻するのは目に見えている。いつまでも健康でいるために、筋肉を維持することから始めよう。

膝を痛めない「ローイング」トレーニング

 最近、高齢者に多いのは、張り切ってランニングなどをいきなり始め、ひざを壊してしまうケース。そこで、樋口さんがおすすめするのが “ローイング”と呼ばれる運動だ。

「“ローイング”とはボートこぎ運動のこと。持久力を高める有酸素運動と、筋力を高めるレジスタンス運動を同時に強化できる最強のトレーニングです。日本ではあまり知られていませんが、欧米では人気のエクササイズで、多くのジムで行われています。実際に3か月トレーニングを行った70才のかたがたは、骨密度の低下も抑えられました」(樋口さん・以下同)

 やり方は舌で紹介するが、腕と脚を動かし、ボートをこぐ要領で行う全身運動で、床に座って行うため、ひざを痛める心配がない。体幹と下半身の筋肉を効率よく鍛えることができ、腕を回して肩まわりを動かすため、肩こりの改善効果もあるのだ。いいこと尽くめなので早速始めよう!

 体を動かすことを楽しいと感じる、まさに“動楽”でないとトレーニングは続かない。そこで、樋口さんがすすめるのが“座ってできるエクササイズ”。自宅で、テレビでも見ながら始めてみよう!

【効果抜群!ボートこぎエクササイズ】

 用意するのは100円ショップやスポーツ用品店で販売しているエクササイズ用のチューブと座布団だけ。チューブは硬さによって強度が変わるので、最初は柔らかめのもので始めてもOK。腕と脚を同時に動かすのが難しい場合は、腕だけ動かす、脚だけ動かす、と別々にやってみよう。

【1】体育座りをしてチューブを持つ


 床に座布団を敷き、体育座りをする。両脚をそろえて足の裏にチューブをかける。チューブを手に持ってしっかり握り、ひじを伸ばす。

【2】両足を前に蹴り出し、両ひじを後ろに引く


「いち」と掛け声をかけて、両足を前に蹴り出し、ひざを伸ばす。同時に胸を張って、両ひじを後ろに引く。

【3】両肩を回して前に伸ばす


「に」の掛け声で、上半身の力を抜き、両肩を後ろに回しながら両ひじをしっかり前に伸ばす。

【4】両ひざをお腹に引き寄せ両脚を曲げる


「さん」の掛け声で、両ひざをお腹に引き寄せ、両脚を曲げる。この時、お尻が浮かないように注意。ボートをこぐイメージで、1~4をリズムよく繰り返す。(3~5分×1日3回) 【椅子に座ってエクササイズ】 余裕があれば、椅子に座って簡単に行える筋トレにも挑戦を。衰えやすい下半身の筋肉を強化できるので、デスクワークの合間などに行ってみよう。1日2~3セットを目安に。

【椅子に座ってエクササイズ】

 余裕があれば、椅子に座って簡単に行える筋トレにも挑戦を。衰えやすい下半身の筋肉を強化できるので、デスクワークの合間などに行ってみよう。1日2~3セットを目安に!

●太ももアップ

太ももをゆっくり持ち上げるのがポイント

 鍛えるのは、腹部・体幹の筋肉。椅子に深く座り、両手で椅子の座面を持ち固定する。お腹と太もも前部の筋肉を意識し、大きく息を吐きながら片方の太ももをゆっくり持ち上げ、ひざを胸に近づける。これを交互に行う。左右各10~20回。

●ひざプッシュ

ひざを持ち上げて押さえつける

 鍛えるのは、体幹の筋肉。椅子に深く座って背筋を伸ばし、足裏は床につける。片方のひざに両手を重ねて置き、つま先を床につけたままゆっくり上げる。同時に両手で下に押し5~10秒キープする。片脚10回。

●ひざ関節伸ばし

ひざの関節を伸ばしてキープ

 鍛えるのは、太もも前部の筋肉。椅子に深く座って背筋を伸ばし、両手で座面を持つ。片脚のひざの関節をゆっくり伸ばし、つま先が天井に向く状態で5秒キープ。ゆっくり下ろし、交互に行う。片脚10回。

●つま先アップ

電車に乗っている時も◎つま先を上げるだけ

 鍛えるのは、ふくらはぎ・すねの筋肉。椅子に座って背筋を伸ばし、両足の裏全体を床につける。両足のかかとを床につけたまま、両足のつま先だけを同時に上げる。10~30回。

●かかとアップ

ふくらはぎの筋肉を意識して行って

 鍛えるのは、ふくらはぎ・すねの筋肉。椅子に座って背筋を伸ばし、両足の裏全体を床につける。両足のつま先は床をつかむようにしてつけたまま、両足のかかとだけ同時に上げる。10~30回。

筋肉を作る食事メソッド

 筋肉を作るのに欠かせないたんぱく質。だが、それだけを摂ればいいわけではない。

「たんぱく質をたくさん摂ったからといって、筋肉がムキムキになるのではありません。むしろ、摂りすぎは体脂肪の増加や腎臓や肝臓の負担になることもあります。最近は糖質制限が流行っていますが、筋肉のエネルギー源である糖質や脂質が不足すると、それを補うためにたんぱく質が使われてしまい、筋肉の合成にうまく使われないこともあります」(樋口さん)

 たんぱく質の摂取量は18才以上の女性は1日50gが目安。左の食材を中心に、糖質や脂質、ビタミンなどもバランスよく摂ることが大切だ。

イラスト/小山ゆうこ

※女性セブン2018年9月20日号

●【筋肉】の正体 がんや糖尿病など病気を予防する役割も

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  1. サニー より:

    気持ちはいつまでも若いつもりでいるけど、身体はちゃんと歳をとっていますね…最近は足は細いのに、お腹ぽっこりが悩みです。

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