2018.10.20 |暮らし    1

高齢者の自転車 選び方のポイントからオススメ電動アシストまで徹底紹介

 生活の足として再び自転車に乗ろうとしている高齢者に、オススメの自転車を紹介する。最近の自転車は、さまざまな工夫がこらせれ進化中。安心できる自転車選びの参考にして欲しい。

転倒を誘発しにくい自転車選びを!

 骨密度も落ちている高齢者は骨折しやすく、しかも治りが遅い。場合によっては骨折をきっかけに寝たきりや要介護になることもある。いずれにせよ、高齢者にとって、転倒は非常にダメージが大きいため、転倒を誘発しにくい自転車選びこそが、鍵になってくる。

 新たに購入する場合、必ず心掛けてほしいのは、見た目で判断せず、実際に自転車に乗ってみること。そうすると、フレームが高くて乗り降りしづらい、タイヤが大きすぎてバランスが取りにくいなどが体感できるはずだ。

 なお、愛知県に本社があり、機能訓練型デイサービスの事業所も運営するサギサカは、介護予防の観点から、“電動アシストなし”の自転車に特化した開発を続けている。

「当社のデイサービス事業所で行っている足のつま先とかかとを上げ下げする転倒予防のリハビリ体操が、自転車のペダルを踏む動きに似ているのではないかという発想から、シニア向け自転車を開発しました。今年からアルミフレームを採用し、自転車本体を3.5㎏軽量化させることに成功しています」(サギサカ代表・匂坂慎祐さん)

 どちらもフレームが低くてまたぎやすく、アルミ製車体は軽くて扱いやすい。また、足が上がりにくい人や、スカートでも乗り降りしやすいという共通点もある。

形の違いで乗り降りのしやすさがこんなに違う!

形によって高さの違う自転車2台を並べて比較

 自転車を選ぶ時に、まずチェックしたいのが、前輪と後輪をつなぐフレームの形状だ。乗り降りのしやすさを重視し、できるだけ低床設計のタイプを選びたい。というのも、またいで乗ろうとした際に、フレームに足を引っ掛けて転倒する人がとても多いからだ。最近は足が引っかかりにくいV字型やU字型のほか、ステップ付きフレームも登場。買う前に試乗し、またぎやすさや安定感を必ずチェックしてほしい。

シニア向け自転車のおもな特徴

 足が地面にきちんと着くよう、タイヤは大きすぎないものを。フレームは低い方が、足を高く上げなくてもまたいで乗りやすい。駐輪等を考慮し、軽い車体が扱いやすい。買い物などで利用するため、前かごや荷台部分に大きめのかごがあるとよい。BAAマーク付きだと、より安心。

 軽量性とまたぎやすさを重視。重量15.2~16.2kgまで5タイプあり、20インチと22インチのタイヤを用意。フレームは高さ約26~27cmと低く、小柄な人でも扱いやすい。「アルミーユミニ」4万4064円~/ブリヂストンサイクル

介護の現場で生まれた低重心設計

介護予防の観点から開発されたシニア向け自転車

 介護予防の観点から開発されたシニア向け自転車。ペダルの重さを44%軽減、軽い力でこげて疲れにくさも実現。低床フレームと低重心設計で、走りに安定感が。タイヤサイズは20インチ。「cogelu(こげーる)neo」8万6184円/サギサカ

・低床ステップ
 限界まで下げたフレームはステップ付き。ここに足を着いてまたぐことができるので、筋力が低下している人でもまたぎやすい。

・腰当て付きサドル
 腰に支えがあることで安定感が増し、足の力を効率よくペダルに伝えられる。

・短いペダルクランク
 ペダルの回転する半径が短く、こぎやすい。

シニアの電動アシスト自転車デビューのレッスン

 日々進化を遂げる電動アシスト自転車は、以前に比べてこぎやすく、高齢者に多いふらつきや転倒を防ぐのにも有効とも。ただし、乗り始めは扱いにくく感じることも。ならではの特性や乗り方を知るほか、購入時に押さえておきたいポイントを、電動アシスト自転車専門店「モトベロ」管理本部スーパーバイザーの太田涼さんが指南!

 以前は、一般的な自転車より重量があることから、停車時や駐輪時にバランスを崩したり、小回りがきかず転倒する事故も多かった電動アシスト自転車。利用者数が大きく伸びていることもあり、急速に改良が重ねられ、新モデルが続々と登場している。さらに最近では細分化も進み、シニア用に特化したモデルも登場。

 では、シニア世代が電動アシスト自転車にチャレンジする時、どんな点に注意するとよいのだろうか。

「電動アシスト自転車に初めて乗る高齢者は、ケンケン乗りをやりがち。昔とは違う乗り方があるのをまず心得ておきましょう」(モトベロ・太田涼さん)

 日本では、自転車が歩道も車道も通ることができるため、安全の観点から、電動アシスト自転車の補助力や速度の基準が世界的に見て厳しく、スピードが出すぎない構造になっている。さらには、高齢者の自転車事故で多い、ふらつきも起こりにくい。

「こぐ力が弱い高齢者も、電動アシスト自転車なら発進がスムーズになり、ふらついたり転倒しにくくなります。信号でも一時停止しやすくなるため、交通ルールを遵守しやすくなるといったメリットもあります」(前出・小林さん)

 だが、電動アシスト自転車は体への負荷が減る分、運動効果もやはり減少してしまう。

「それでも意識的にアシストモードを変えながら、脚力、筋力、踏み換えスピードを落とさないよう、あえて時々は坂道を選んで走る方が体にはいいでしょう」(高石さん)

【1】またぐ


 できるだけ平地で足場のよい場所を選び、自転車にまたがる。この時両足は必ず地面に着けておくこと。ペダルに足を乗せない。

【2】電源をオン

電動アシスト自転車の電源をオン
電源を入れる。この時も両足は地面に着けたままで。ペダルに足を乗せると自転車が思いがけず前進してしまう可能性があるので注意。 まだペダルを乗せないで。

【3】ギアを選ぶ

電動アシスト自転車のギアを選ぶ
 走り出す前にギアを選ぶ。内装3段ギアのタイプが多いが、常に重めのトップギア(3速)で走ると各部品に負担がかかってしまうので、発進時や坂道は1か2の軽いギアに切り替えを。

【4】ペダルをこぐ


 ペダルをこいで発進。電動アシスト自転車はペダルにかかる足の強さに応じてアシスト力が変わる。上り坂などで重く感じたら、ペダルを止めて軽いギアに切り替えて。

【5】ブレーキをかける

左のブレーキをかける
 ブレーキをかける時は後輪の左ブレーキから。特にスピードを出している時に前輪の右ブレーキをかけてしまうとタイヤがロックされ、前方にひっくり返る可能性がある。

電動アシスト自転車で、これやっちゃダメ

●立ちこぎ
●ケンケン乗り

 前述のように、電動アシスト自転車はペダルにかかる足の強さでアシスト力を判断するため、いきなり強くこぐのはNG。普通の自転車と同じような感覚でケンケン乗りや立ちこぎをしてしまうと、急発進して振り落とされる危険性が。

●充電は回数を減らして

 電動アシスト自転車のバッテリーの寿命は充電回数でカウントされる。乗り方や商品によって違いはあるが、700~900回の充電を目安に買い替えが必要になる。バッテリーを長持ちさせるためには、充電の回数を減らすことがポイント。できるだけ使い切ってから充電をするよう心がけを。

高齢者に優しい電動アシスト自転車

 大手自転車メーカー3社のシニア向けモデルから、2輪と3輪を紹介します。

「ビビ・LS」11万3400円/パナソニック サイクルテック

●軽さを追求し、シンプルで使いやすい
 重量21.6kgと運転時・押し歩き時も快適な軽量モデル。大きな文字とシンプルなデザインでスイッチ操作も簡単。20インチ。24、26インチの「ビビ・LU」も。「ビビ・LS」11万3400円/パナソニック サイクルテック

「PAS SION-U(20型)」12万960円/ヤマハ発動機

●かんたん・やさしいがコンセプト
 またぎやすい低床フレームや、大きな文字で見やすい液晶ディスプレーを採用。足着き性がよく、初めて乗る人でも安心。24、26インチもあり。「PAS SION-U(20型)」12万960円/ヤマハ発動機

「フロンティアラクット 20インチ」12万7224円/ブリヂストンサイクル

●乗りやすさをとことん追求
 またぎやすさ、乗り降りしやすさ、こぎやすさという3つのラクを実現した2輪モデル。24インチもある。「フロンティアラクット 20インチ」12万7224円/ブリヂストンサイクル

3輪タイプにも注目!

「フロンティアラクット ワゴン」21万1464円/ブリヂストンサイクル

●こぎやすくスムーズな走り
 安定感のある太めのタイヤと、ラクにこげる優しい踏み心地がポイントの3輪タイプ。前輪20インチ、後輪16インチ。「フロンティアラクット ワゴン」21万1464円/ブリヂストンサイクル

「PAS ワゴン」21万600円/ヤマハ発動機

●たっぷりの荷物でもラクラクこげる
 長時間走っても快適なふかふかサドルと大容量のリヤバスケットを装備した3輪車。前輪18インチ、後輪16インチ。「PAS ワゴン」21万600円/ヤマハ発動機

「ビビライフ」21万600円/パナソニック サイクルテック

●カーブもラクに曲がれる
 乗る人に合わせて角度(10度・25度)調節ができる可変式スイング機構を採用。また、こぎ出し時は穏やかにアシストする「ふんわりスタート」を採用。前輪18インチ、後輪16インチ。「ビビライフ」21万600円/パナソニック サイクルテック

3輪モデルならではのスイング機構って?

スイング機能の説明イラスト

 3輪タイプの特徴であるスイング機構とは、車輪をねじることで、車体の水平を保ったり、運転者の体の軸をまっすぐにしたりする機能のこと。カーブや斜面では便利だが、乗り慣れないとふらついてしまうことも。全てに搭載されているわけではなく、このスイング機構のあるものとないもの、または切り替えできる可変式がある。購入前の試乗で必ず確認をしてほしい。

教えてくれたのは…太田涼さん

電動アシスト自転車専門店「モトベロ」管理本部スーパーバイザー。同社は東京・代官山のほか、全国に計6店舗を展開。豊富な知識に基づく説明を受けながら、試乗もできる。

撮影/浅野剛、イラスト/高橋カオリ

※女性セブン2018年10月25日号

●高齢者の自転車運転 ロコモ予防効果は期待できるが事故に要注意

●電動アシスト自転車「軽い、乗りやすい、パワーある」が新潮流

●安藤和津、大竹しのぶ…親を介護し看取った芸能人が語る思い【まとめ】

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  1. sigeo より:

    これ、印刷して早速両親に見せよう!そしたら電動自転車買うことになりそうだけど、安全第一!

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