2019.01.04 |ヘルス   

早期発見できれば、糖尿病は卒業できる!最新治療事情

 糖尿病は、10年前とは大きく治療法が変わっている。早めに対処すれば食事制限やインスリン治療をしなくても、健康な人と同じ生活ができるというのだ。

  週1度の投与で血糖値のコントロールができる薬が増え、患者の精神的負担は減っている。

糖尿病治療薬「ヒューマログ」

糖尿病の初期の段階でインスリンを打てば、半年程度で血糖値などの数値が安定するケースも

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インスリンは、一生 続けなくてもいい!?

 糖尿病の代表的な治療として昔から知られているのがインスリン治療。

「インスリン治療は、すい臓の機能が低下し、インスリンの分泌量が減少したため、体外から注射により補う治療法です。のみ薬や吸入薬はまだなく、今でも注射しか方法がありません」と語るのは銀座泰江内科クリニック理事長・院長で糖尿病専門医の泰江慎太郎さんだ。

 インスリン治療は一生ものというイメージだが、今は変わってきているという。

「昔は糖尿病が悪化したときにこの注射を打つことが多かったのですが、今は糖尿病発症から5年以内の初期段階で強力なインスリンを打ちます。 これで体内に充分なインスリンを入れられるため、すい臓の働きが軽減されるのです」(泰江さん、以下「」同)

 従来は1日3~4回は注射をしなければならず、器具も持ち歩かなければならなかった。場合によっては集中的に治療するため、1週間程度の入院も必要となり、患者の精神的負担が大きかった。だが、最近ではこれらの負担も軽減されている。

「初期段階で治療を始めた場合は、注射は1日1回、いつでも打てばよく、注射器を持ち歩くこともありません。また、針も注射針の20分の1くらいの細さなので痛みもほとんどないなど、患者さんの負担も軽減されています。

 ある患者さんは、ヘモグロビA1c数値が18%、血糖値200~300㎎/dLを超えていたのが、約半年で、すい臓の機能が復活。正常値に下がりました。正常値になれば、インスリン注射も、厳しい食事制限をする必要もありません」

 この治療は、保険適用で受診可能。患者負担も少なくて済む。

週に1度服用する治療薬も登場

  現在は糖尿病の新薬ブームといわれている。

「今は糖尿病の新薬が10種類程度あり、発症から5年以内の初期段階であれば、『ザファテック』や『マリゼブ』など、週1回の服用で1週間効果が持続する薬もあります。これは、血糖値が高いときだけに服用して血糖値を下げるものなので、低血糖を起こしにくいのです」

糖尿病治療薬を持つ患者

週1度の投与で血糖値のコントロールができる薬が増え、患者の精神的負担は減っている

 2型糖尿病患者用には、血糖値を下げる『トルリシティ』などの薬があり、これも週1回の投与で効果が1週間持続する。

「トルリシティは、血糖値の高いときだけ作用します。この薬にはGLP-1というホルモンと同じ作用があり、これがすい臓に働きかけてインスリンの分泌を促します。

 これはのみ薬ではなく、ペン型の専用の注射器で、腹部から投与するのですが、針は注射器内部に装着されているため、安心して使えます。もちろん痛みもありません」とは、AGA牧田クリニック院長で糖尿病専門医の牧田善二さん。

糖を尿で排出する薬も

  ’14年4月以降に日本で使われ始めた『SGLT2阻害薬』という新薬もある。SGLT2はたんぱく質の一種で、腎臓から尿として排出された糖分を、体内へ再吸収する働きを抑える。

「これを服用すると、糖質を約70g尿として排出するので、体重が減少し、血圧も安定します。1日1回の服用でよいのも特徴です」(泰江さん・以下同)

 糖尿病も改善できて、おまけに体重が減るとは夢のような薬だが、副作用はある。

「糖質の多い尿には菌が集まりやすいため、膀胱炎や尿路感染症を引き起こしやすい。また、尿量も増えるのでトイレの回数が増えると共に、脱水症状を起こさないよう、排尿したらすぐに水分を補給する必要もあります」

 糖尿病治療では複数の薬をのみ合わせて使用することもあり、個人によって効き目や副作用も異なる。自分にどれが合うのか、必ず医師に相談を。

教えてくれた人

牧田善二さん/『AGE牧田クリニック』 院長。 糖尿病専門医。これまでに診た患者は20万人以上。

泰江慎太郎さん/『銀座泰江内科クリニック』 理事長・院長。 糖尿病専門医、循環器専門医。最先端の糖尿病治療を行っている。 

※女性セブン2019年1月1日号

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