2019.03.10 |   

口の中が痛い時の調理のコツ|がん、口内炎など口腔内トラブル時の食事

 堀ちえみさん(52才)がステージ4の舌がんを公表し、大きく報じられたばかりだが、口腔がんや舌がんは若年化が進んでいるともいわれており、身近に起きうる病気となった。もっと身近に起きやすいものとして、口内炎や口の中を切るなどのけがなどがある。病気やけがによる痛みで食事が難しくなった時、どんな調理法で食事を作ったらよいだろうか。『噛む力が弱った人のおいしい長生きごはん』(講談社)の著者で介護食アドバイザーのクリコさんにそのコツと、唐揚げのレシピを教えてもらった。

 自身も硬いポテトチップスで口の中をけがして、痛みで一週間普通の食事ができなかったというクリコさん。その際に実践していた食事を教えてくれた。

口の中を刺激しない調理のコツ

にんじん、かぼちゃ、ほうれん草など、色とりどりの野菜をゆでてすりつぶした野菜のピュレパレット

にんじん、かぼちゃ、ほうれん草など、色とりどりの野菜をゆでてすりつぶした野菜のピュレ

「私が常日頃ご提案している野菜のピュレ(*)を冷凍庫に常備しているので、ピュレを使ってリゾットやポタージュ、ムースといったものを作って食べていましたが、いかに口の中を刺激しないかが大事。傷を刺激しないようにするには、柔らかいものであることと、噛む回数が多いと食材が粘膜を刺激するので、いかに噛む回数を減らすか、ということを実感しました」(クリコさん、以下同)

(*)野菜を柔らかくゆでてプロセッサーにかけたもの。

 しょっぱいものや酸っぱいものは傷にしみるため、だしを多く使って塩分を控え、酸味の多い柑橘類も控え目に。あんやソース、マヨネーズ、練りゴマといったあんや油脂をまとわせて傷に直接触れにくくするなど、とろみを活用するのもいいという。

★ポイント★

・食材は煮るなどで柔らかい状態にする
・粘膜を刺激しないよう、噛む回数を減らす
・噛まずに食べられるピュレを活用する
・塩気や酸味の強い味つけを避ける
・とろみを活用

肉を食べたい時の食事、調理のコツ

「お肉を食べたい時に、ひき肉は食べやすそうですが、実は口の中でバラけて傷口に触れることになるので、肉団子の方が柔らかくて、バラけにくく食べやすいです。あんが絡んでいると尚いいですね。金沢料理の治部煮のささみ肉バージョンを好きでよく作るんですけど、鶏のもも肉はささみに替えて、さらに飾り包丁を入れると噛む回数が減りますし、片栗粉をまぶしてサッと加熱すると表面にとろみがついて、すごくしっとりとなめらかな食感になるので食べやすいと思います。

 作る時間がとれない時は、食感が柔らかい豆腐ハンバーグを買ってもいいですね。はんぺんをソテーしたり、中にチーズをしのばせてフライにするとボリューム感も出て、柔らかいし栄養もとれますね。お口の中が痛い時、揚げ物は普通のパン粉より細かいパン粉にすると、刺激は断然少なくなります」

★ポイント★

・ひき肉は肉団子に
・肉に隠し包丁や飾り包丁を入れる
・とろみをつける

魚を食べたい時の食事、調理のコツ

 魚は、刺身は柔らかい赤身のまぐろやサーモンを細かく叩く。パサパサする焼き魚よりは煮魚がおすすめで、あまり強火で煮ず、中火でふっくら柔らかく煮た魚だと食べやすいという。種類もタラやサバ、ブリを選べばパサつかない。

「今、脂ののったサケがスーパーで安く売られているので、たとえばさけのハラスにお粉をまぶしてサッとソテーして、照り焼きのたれを絡めて、最後にちょっとバターを落とすとすごく美味しいです。しっとりとしていて食べやすいと思います。

 粕汁もおすすめです。お大根やにんじんなど野菜を柔らかくなるまでおだしで煮て、酒粕を入れてお味噌で仕上げ、最後にサケを入れるんですけど、体があったまりますし、お野菜を小さく切れば、すごく食べやすいと思います。お野菜とお魚が入っているので、忙しい時は、これが一品あると安心なんです」

★ポイント★

・お刺身は細かく叩く
・焼き魚より煮魚で
・種類はタラ、サバ、ブリが◎

皮が食べにくい野菜の調理のコツ

 野菜も、噛む力のない人が食べにくい茄子やトマトは、調理法によって食べやすくなる。

「たとえばお茄子の皮ってキュッキュしていてすごく食べにくいので、お茄子の煮物なら、表面に細かく格子目を入れるだけで断然美味しくなりますし、皮を剥いて蒸し茄子にしたり、焼き茄子にして楽しむとか、すり流しにするなどの工夫もできると思います。トマトも湯剥きすると食べやすくなります。スーパーのサラダチキンはすごく柔らかいですよね。そういったものも取り入れて、サラダにしてお好みのドレッシングで食べるといいと思います」

★ポイント★

・茄子の皮は格子目を入れるか剥いて調理
・トマトの皮は湯剥きをすると食べやすい

幅広く料理に活用できる「野菜ピュレ」

冷凍庫に常備している色とりどりの野菜ピュレCube

冷凍庫に常備している野菜ピュレCube

 クリコさんが提案している野菜ピュレは、主食からデザートまで幅広く活用できる。

「たとえばかぼちゃのピュレがあれば、市販のお粥にピュレを入れて、そこにバターとチーズを入れると簡単にリゾットができます。お年寄りで低栄養になっている方はすごく多いので、チーズやバターの油脂を積極的にとっていただくと、カルシウムも豊富ですし簡単にカロリーアップもできます」

 野菜ピュレを作るのがおっくうな人には、クリームシチューやカレーのルーの活用を勧める。細かく切った野菜、肉団子や魚のすり身などを買ってきて加えれば、簡単に栄養をとれるシチューが作れる。

「今は美味しいものがいっぱい市販で売っているので、介護食は時間をかけてムリに自分で一から作るのではなくて、市販のものをアレンジして作る方が、負担がかからなくていいと思います」

最後に、クリコさんのオリジナル、シート肉を使って噛む力を失った人でも美味しく食べられる唐揚げのレシピをご紹介します!

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