2019.05.02 |サービス   

「要介護認定」のコツ|ケアマネは絶対教えてくれない【裏ワザ】

 介護は、ある日突然始まる。千差万別な事情によって、受けられるサービスは大きく変わり、下手をすると必要以上の自己負担を支払う可能性もある。賢く楽するための、誰も教えてくれないすり抜け術を紹介したい。

車いすの高齢女性と笑顔で笑いかける女性

「介護認定」を受けるときにポイント知っておくと得することもある(写真/ピクスタ)

 2020年に東京五輪の華々しい熱気が過ぎ去った約5年後、団塊の世代が75才以上を迎える日本は、高齢者の約5人に1人、700万人以上が認知症になると推計されている。

 親や夫の介護がひとたび始まると、生活は一変する。何よりまず不安になるのは金銭的な問題だろう。そんな時、頼みの綱となるのが、「介護保険制度」の存在だ。

 要介護認定を受けると、年金収入などが年280万円未満の人の場合、原則1割の自己負担であらゆる介護サービスを受けることができる。

 しかし、支給される金額には限度が設けられており、その額は介護の重症度を示す「要支援・要介護度」によって大きく変わってくる。

要介護認定を受けるときは必ず家族が立ち会う

 家族に介護が必要になり、市区町村の介護保険担当窓口や地域包括支援センターで要介護認定の申請をすると、介護認定調査員が自宅や病院を訪れ、介護を受ける本人の調査を行う。

 介護アドバイザーの横井孝治さんが話す。

「原則1回、90分ほどかけて、心身の状態を判断するための聞き取り調査が行われます。その調査結果は、後々の要介護度の決定に多大な影響を与えます。

 しかし、この調査を本人任せにしてしまうと、『介護なんてまだ必要ないのに、子供に勝手に手続きされた』などと本人が強がりを主張して、台無しになってしまうケースも珍しくありません。今後の介護生活を左右する非常に大事な場面ですので、必ず他の家族が立ち会うようにしましょう」

 要介護認定の区分は、介護の必要がない「非該当(自立)」から「要支援1~2」「要介護1~5」までの8段階に分かれている。きちんと調査員に状況を理解してもらい、しっかりと介護サービスを受けるため、“要介護度を上げる”次のポイントを知っておきたい。

ポイント1:訪問時間は夕方以降を希望する

 まずは、訪問調査員が訪ねてくる時間帯が重要だ。高齢者は早起きする人が多く、体力に余裕のある午前中は元気に振る舞ってしまうことが多い。なので、疲労がたまってきた午後以降、できれば夕方に調査を依頼した方が大変さをより伝えられる。

ポイント2:主治医の意見書の内容を充実させる

 要介護認定を下すのは、二次判定を行う「介護認定審査会」だが、一次判定でのコンピューターによる暫定の判定通りに決定するケースが多い。

 しかし、主治医による意見書がしっかり書かれていれば、実態に配慮してランクが上がりやすくなる。認定調査時に特に気づかれにくい認知症は、「主治医意見書」で少しでも触れていると、配慮されやすくなる。大学病院などで認知症の専門医から診断書を受け取り、主治医に渡した上で意見書を作成してもらう方法も有効だ。

ポイント3:“できなさ”のポイントを掴んで効率よくアピールすべし

 調査員のチェックでは、重点的に見るポイントがあるという。

「問題行動の程度や食事、排せつの状況、身体的な能力などを重点的に見られます。その部分の“できなさ”をアピールすると、要介護度を上げることが可能です。しかし、あまりにオーバーなことをやると、『主治医の意見書と合わない』と判断されて再調査を受けることになりかねません。よくあるトラブルなので、気をつけましょう」(横井さん)

 訪問調査の限られた時間を無駄にしないよう、必要な情報を効率よく伝えたい。

要介護認定のときにチェックしているポイントをリスト化したもの

調査員の訪問前に、もう一度確認しておきたい

ポイント4:普段のありのままを「スマホ動画」に残しておく

 病気やけがなどの既往歴、日ごろの問題行動はしっかり記録を残し、調査員にメモを渡すのがスムーズに調査を進めるコツだ。

「要介護者の中にはプライドが高く、他人に弱い部分を知られることを恥だと考える人が実に多い。訪問調査では、本人の前で現在の状態を赤裸々に伝えることになりますが、それを嫌がって、本人が嘘を話すこともよくあります。もちろん、調査員もプロなので、嘘には気づきますが、最近は『要介護度を下げろ』という圧力が高く、“元気に見える嘘”は、そのまま捉えられる可能性も高いんです。

 事前にメモを作っておいて調査員に渡すことで、そういった混乱を回避することにつながります」(横井さん)

 メモの内容は具体的であればあるほど理想的だ。

 単に「足腰が弱ってきた」というのではなく、「洋式トイレでも手すりがないと立ち上がれなくなった」、「大腿骨を骨折して人工骨を入れる手術を受けたため、股関節が開きにくい」など、「本当に困っている」と伝わる内容が望ましい。

 さらに横井さんは続ける。
「認知症患者には、昼間は穏やかでも、夜になると暴れたり大声を出すという人も多い。訪問調査は夜間は行われませんから、問題行動の様子をスマホで撮影しておくといいでしょう。

 そういったデータは特記事項として審査会に持ち込まれ、要介護認定の結果に大きく影響してきます」

 隠しても介護は楽にならない。メモや動画を活用して、いつもの姿をはっきり伝えよう。

ポイント5:「区分変更申請」は意義申し立てのチャンス

 要介護認定には定期的な更新が必要で、初回は6か月~1年後、それ以降は概ね1~3年後に再審査を受ける。

 しかし、容体が急変した場合などには、更新時期を待たずに「区分変更申請」を行うことも可能だ。

「もしも認定の結果に納得がいかない場合は、『区分変更申請』をうまく利用するといいでしょう。しかし、『うちの親は2ではなく3だと思う』といったストレートな主張は弾かれる確率が高い。申し立てする際は、『先日、風邪をひいて体力が落ちた。風邪は治ったが、体力がそのまま戻らないから見直してほしい』というような言い方が受け入れられやすいです」(横井さん)

ポイント6:「暫定ケアプラン」でサービス受給を前倒しできる

 調査員の訪問から要介護認定が決まるまでは1か月ほどかかる。しかし、緊急時には、認定結果が出る前にサービスを受けられる。

「半年ぶりに実家へ帰ったら、親が完全な認知症になっていて、そのままひとりで残すわけにはいかないという場合もあります。そういった時は、市区町村の窓口で地域包括支援センターを紹介してもらいましょう。ケアマネジャーが、『要介護3くらいだと思う』といった判断をして、暫定のケアプランを出せば、サービスを受けることが可能になります」(横井さん)

 ただし、後に認定された正式な要介護度が、暫定で出されたものよりも低いと、自己負担の費用が発生する恐れがあるので注意が必要だ。

※女性セブン2019年4月11日号

●介護認定の受け方 要介護認定調査は「同伴」「夕方」が鉄則

●進化形介護サービス6選|要介護認定を受けていないくても利用できる、ラクできる

●申請すれば戻ってくるお金「健康保険」「介護保険」「夫の年金」

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