2019.07.12   

白内障とは?|美智子さまも受けられた|症状・治療・手術のタイミングなど名医が解説

【1】眼がかすむ、霞やもやがかかったように白っぽく見える (霧視)
【2】まぶしさを感じやすくなった (羞明)
【3】二重三重にダブって見える、ものの輪郭がぼやけて見える (複視)
【4】急に視力が低下した
【5】なぜか近くのものが見えやすくなった

「【1】~【3】はとくに現れやすい自覚症状です。【4】は水晶体の核に生じた濁りが光の透過を妨げ、老眼または遠視・近視・乱視などの屈折異常よりも著しく視力を低下させています。『運転免許の更新に行ったら視力検査に引っかかってしまった』と来院する患者さんはこのケースが多いですね。【5】は核の部分から濁り始めた場合に起きやすい一時的な症状です」

白内障根治は手術一択!

 では白内障になっていたとして、その治療はどのような方法が考えられるのだろうか。

「白内障を治せるのは今のところ手術だけです。白内障用の点眼薬や内服薬もありますが、それらは白内障の進行を遅らせたいときに用いるもので、発症した白内障を根治することは残念ながらできません」

 手術の方法をごく簡単に説明してもらった。

 まず角膜を切開し、超音波チップ(先端から超音波を発振する金属製チップ)で水晶体の核を砕く。砕いた核をきれいにとり除いたあと、人工の眼内レンズを入れる。このレンズが水晶体の代わりとなる。切開部は2~3mmのため、縫合しなくても自然に閉じる。

 局所麻酔で行われ、とくに難しい症例でなければ手術時間は10~15分程度。そのため日帰り手術を中心に行っている病院やクリニックも多いそうだ。

白内障手術装置と手術用顕微鏡

手術は白内障手術装置(左)と手術用顕微鏡(右)を使って行われる(写真提供/フジモト眼科)

顕微鏡越しに見ながら手術

患者がリクライニングの手術イスで仰向けになり、その眼を手術用の顕微鏡越しに見ながら手術する(写真提供/フジモト眼科)

平成時代に普及した白内障手術の驚異的進化

「この手術は『超音波乳化吸引術+眼内レンズ挿入術』といって、現在、最も一般的に行われている手術方法です。白内障手術は、ここ30年ほどで飛躍的に進歩しました。昭和のころまで、手術を受けるのは深刻な症状を抱える人に限られていて、術後は絶対安静、日常に戻ってからは牛乳瓶の底のような分厚い凸レンズのメガネをかけなければなりませんでした」

 確かに記憶をさかのぼると昔は、今ほど白内障手術を受ける人が多くなかった。眼がかすんだり視界がぼやけたりしてものが見えにくくなるのは高齢になれば仕方のないことで、家族がそれを補って助ける生活が当たり前だった。

「白内障手術が変わり始めたのは、ちょうど昭和から平成へと移ったころです。新しい手術方法の精度をより高めるような手術装置や手術用顕微鏡などが次々に開発され、眼内レンズも折りたたんで挿入できるタイプのものが登場して手術時間の大幅な短縮と切開部の最小化を実現しました。眼内レンズは今も日進月歩のような速度で多種多様化し、あらゆるニーズに応えるべく進化を続けています。日本眼科学会発表の資料によれば、日本で行われた白内障手術の件数は1992年が約30万件、現在は140万件にものぼります」

後悔しない白内障手術<1>いつ手術する?

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