2016.09.24 |サービス   

介護保険で利用できるサービスの種類、施設は?|【介護の基礎知識】公的制度<2>

 介護サービスとは、介護保険に加入している人に介護が必要になったとき、受けられる公的サービスのこと。介護が必要かどうかは、要介護認定を申請し、その判定により決まる。

 介護サービスには、要支援1~2と認定された人が受けられる「予防給付」と要介護1~5と認定された人が受けられる「介護給付」の2種類がある。

介護保険で利用できるサービス

 介護保険制度で利用できるサービスは

・介護の相談→居宅介護支援
L地域包括支援センターや各自治体の介護相談窓口

・ケアプラン作成
Lケアマネジャーが行う

・家事援助などの訪問サービス
L居宅介護サービス→訪問サービス

・通所でのデイサービス
L居宅介護サービス→通所サービス

・宿泊・生活する施設サービス
L居宅介護サービス→短期入所サービス

・通所・宿泊などを組み合わせたサービス
L居宅介護サービス

・福祉用具のレンタル・販売

 などがあり、介護の状態に応じて選ぶことができる。

 ただし、利用できるサービスや支給額の上限(支給限度基準額)は要介護度(要支援度)によって異なるため、利用サービスを決める前に要介護度の認定を受け、ケアプラン(サービス計画書)を作成する必要がある。

 利用サービスの中には、要支援の人を対象とした「介護予防サービス」や住んでいる地域の事業所や施設を利用する「地域密着型サービス」が含まれる。

→介護保険制度について詳しく見る

居宅介護支援

 居宅介護支援とは、介護を必要とする人が、自宅で適切にサービスを利用できるように、ケアマネジャー(介護支援専門員)が心身の状況や生活環境、本人・家族の希望等に沿って、ケアプラン(居宅サービス計画)を作成したり、ケアプランに位置づけた沿ったサービスを提供する事業所等との連絡・調整などを行うこと。要支援の人のケアプランは、地域包括支援センターが作成する。

 「自宅(居宅)」とされる住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の入居者も利用できる。

 ケアプラン作成にあたっては、利用者の負担はない。

→介護サービスを利用するための申請方法

自宅に訪問して行われる介護サービスの種類

 自宅に訪問して行われる介護サービスは以下の種類がある。

●訪問介護(ホームヘルプ)

 居宅介護支援とは、訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の自宅を訪問し、食事・排せつ・入浴などの介護(身体介護)や、掃除・選択・買い物・調理などの生活の支援(生活援助)をする。通院などを目的とした乗車・移送・降車の介助サービスを提供する事業社もある。

●訪問入浴介護

 訪問入浴介護とは、利用者の身体の清潔の保持、心身機能の維持回復を図り、利用者の生活機能の維持又は向上を目指して実施される。看護職員と介護職員が利用者の自宅を訪問し、持参した浴槽によって入浴の介護を行う。

●訪問看護

 訪問看護は、利用者の心身機能の維持回復などを目的として、看護師などが疾患のある利用者の自宅を訪問し、主治医の指示に基づいて療養上の世話や診療の補助を行う。

 訪問看護では、病状に応じて、次のようなサービスを受けることができる。

・血圧、脈拍、体温などの測定、病状のチェックなど
・排泄、入浴の介助、清拭、洗髪など
・在宅酸素、カテーテルやドレーンチューブの管理、褥瘡の処理、リハビリテーションなど
・在宅での看取り

●訪問リハビリ

 訪問リハビリテーションは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが利用者の自宅を訪問し、心身機能の維持回復や日常生活の自立に向けたリハビリテーションを行う。

●夜間対応型訪問介護

 夜間対応型訪問介護は、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を、24時間安心して送ることができるよう、夜間帯に訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の自宅を訪問する。「定期巡回」と「随時対応」の2種類のサービスがある。

<定期巡回>
 夜間帯(18~8時)に定期的な訪問を受け、排泄の介助や安否確認などのサービスを受けることができる。

<随時対応>
 
ベッドから転落して自力で起き上がれない時や夜間に急に体調が悪くなった時などに、訪問介護員(ホームヘルパー)を呼んで介助を受けたり、救急車の手配などのサービスを受けることができる。

※要支援1・2の人は利用できない。

●定期巡回・時事対応型訪問介護看護

 定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、定期的な巡回や随時通報への対応など、利用者の心身の状況に応じて、24時間365日必要なサービスを必要なタイミングで柔軟に提供する。また、サービスの提供にあたっては、訪問介護員だけでなく看護師なども連携しているため、介護と看護の一体的なサービス提供を受けることもできる。

※要支援1・2の人は利用できない。

施設に通って受ける介護サービスの種類

 施設に通って受ける介護サービスは以下の種類がある。

●通所介護(デイサービス)

 通所介護は、利用者が自宅にこもりっきりならぬよう、孤立感や心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的として実施されている。利用者は通所介護の施設(利用定員19人以上のデイサービスセンターなど)に通い、施設では、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで受けることができる。施設へは、利用者の自宅からの送迎も行われる。

※要支援1・2の人は利用できない。

●通所リハビリテーション(デイケア)

 通所リハビリテーションは、利用者が通所リハビリテーションの施設(老人保健施設、病院、診療所など)に通い、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで受けることができる。

●地域密着型通所介護

 利用者が、定員19人未満のデイサービスセンターに通い、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで受けることができる。施設へは、利用者の自宅からの送迎も行われる。

※要支援1・2の人は利用できない。

●療養通所介護

 療養通所介護は常に看護師による観察を必要とする難病、認知症、脳血管疾患後遺症等の重度要介護者又はがん末期患者を対象にしたサービスで、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持回復だけでなく、家族の介護の負担軽減などを目的として実施されている。利用者が療養通所介護の施設に通い、施設では、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで受けられる。施設へは利用者の自宅からの送迎も行われる。

●認知症対応型通所介護

 認知症対応型通所介護は認知症の利用者を対象にした専門的なケアを提供するサービスで、認知症の利用者が通所介護の施設(デイサービスセンターやグループホームなど)に通い、施設では、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供されることにより、自宅にこもりきりの利用者の社会的孤立感の解消や心身機能の維持回復だけでなく、家族の介護の負担軽減などを目的として実施されている。施設へは利用者の自宅から送迎も行われる。

訪問・通い・宿泊を組み合わせる介護サービスの種類

 訪問・通い・宿泊を組み合わせる介護サービスには以下の種類がある。

●小規模多機能型居宅介護

 小規模多機能型居宅介護は、利用者の選択に応じて、施設への「通い」を中心として、短期間の「宿泊」や利用者の自宅への「訪問」を組合せ、家庭的な環境と地域住民との交流の下で日常生活上の支援や機能訓練を行われる。

●看護小規模多機能居宅介護(複合サービス)

 看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)は、利用者の選択に応じて、施設への「通い」を中心として、短期間の「宿泊」や利用者の自宅への「訪問(介護)」に加えて、看護師などによる「訪問(看護)」も組み合わせることで、家庭的な環境と地域住民との交流の下で、介護と看護の一体的なサービスの提供を受けることができる。

短期間の宿泊介護サービスの種類

 短期間の宿泊サービスには以下の種類がある。

●短期入所生活介護(ショートステイ)

 短期入所生活介護は、自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持回復だけでなく、家族の介護の負担軽減などを目的として実施されている。介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)などが、常に介護が必要な人の短期間の入所を受け入れ、入浴や食事などの日常生活上の支援や、機能訓練などを提供する。

※短期入所生活介護(ショートステイ)の連続利用日数は30日まで。
対象者の条件は
・利用者の心身の状況や病状が悪い場合
・家族(介護者)の疾病、冠婚葬祭、出張
・家族(介護者)の身体的・精神的負担の軽減
など

●短期入所療養介護

 短期入所療養介護は、療養生活の質の向上及び家族の介護の負担軽減などを目的として実施。医療機関や介護老人保健施設、介護医療院が、日常生活上の世話や、医療、看護、機能訓練などを提供する。

※短期入所療養介護(ショートステイ)の連続利用日数は30日まで。

介護保険制度で利用できる施設サービスの種類

 介護保険制度で利用できる施設サービスは以下の種類がある。

●介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)では、入所者が可能な限り在宅復帰できることを念頭に、常に介護が必要な方の入所を受け入れ、入浴や食事などの日常生活上の支援や、機能訓練、療養上の世話などが提供される。入所者の意思や人格を尊重し、常に入所者の立場に立ってサービスを提供することとされている。

※要支援1・2の人は利用できない。また、新たに入所する要介護1・2の人もやむを得ない理由がある場合以外は利用できない。

●介護老人保健施設(老健)

 介護老人保健施設は、在宅復帰を目指している方の入所を受け入れ、入所者が可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、リハビリテーションや必要な医療、介護などを提供する。

●介護療養型医療施設

 介護療養型医療施設が、長期にわたって療養が必要な方の入所を受け入れ、入所者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、機能訓練や必要な医療、介護などを提供する。介護療養型医療施設は、入所者の意思や人格を尊重し、常に入所者の立場に立ってサービスを提供することとされている。

※要支援1・2の人は利用できない。

●特定施設入居者生活介護

 特定施設入居者生活介護は、利用者が可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、指定を受けた有料老人ホームや軽費老人ホームなどが、食事や入浴などの日常生活上の支援や、機能訓練などを提供する。

●介護医療院

 介護医療院は、長期にわたって療養が必要である人の入所を受け入れ、利用者が可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、療養上の管理、看護、介護、機能訓練、その他必要な医療と日常生活に必要なサービスなどを提供する。介護医療院は、入所者の意思や人格を尊重し、常に入所者の立場に立ってサービスを提供することとされている。

※要支援1・2の人は利用できない。

地域密着型サービスの種類

「地域密着型サービス」では、要介護状態になってもできるだけ住み慣れた地域で生活できるよう、市区町村指定の事業所や施設がサービスを提供する。それ以外のサービスは他の市区町村の事業所や施設でも利用できるが、地域密着型サービスについては、その市区町村に住んでいる人が対象となる。

 地域ごとに指定基準や介護報酬を設定することができるため、地域のニーズに合わせたサービスを提供することが可能になる。

●認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

 認知症対応型共同生活介護は、認知症の利用者を対象にした専門的なケアを提供するサービス。認知症の利用者が、グループホームに入所し、家庭的な環境と地域住民との交流のもとで、食事や入浴などの日常生活上の支援や、機能訓練などのサービスを受ける。グループホームでは、1つの共同生活住居に5~9人の少人数の利用者が、介護スタッフとともに共同生活を送る。

●地域密着型特定施設入居者生活介護

 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、入所定員が29名以下の小規模な介護老人福祉施設で、入所している人に対して、食事や入浴、排泄などの生活援助や機能訓練を行うサービス。少人数でアットホームな雰囲気があり、地域との結びつきを重視。

※要支援1・2の人は利用できない。また、新たに入所する要介護1・2の人もやむを得ない理由がある場合以外は利用できない。

●地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護

 地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護は、指定を受けた入居定員が29名以下の小規模な有料老人ホームや軽費老人ホームなどで、入居している人に対して、生活介助や機能訓練を行うサービス。少人数制のため、人と接することが苦手な人でも打ち解けやすいというメリットがある。

※要支援1・2の人は利用できない。

介護予防サービスとは?

「介護予防サービス(予防給付)」とは、生活機能を維持・向上させて要支援の人が要介護にならずに済むことを目的としたもので、要支援1~2の人が対象。

 要支援の人は、それ以上、身体機能が低下して要介護状態にならないようにするためにサービスが用意されている。

 自己負担額は、要介護の場合と同じ1割~3割だが、支給限度額は、要介護より低くなっている。

●介護予防サービスの内容は?

・介護予防訪問入浴介護

 自宅に浴室を持ち込んでもらい、入浴の介助を受けられる。

・介護予防訪問看護

 看護師などに訪問してもらい、褥瘡の手当てや点滴の管理を受けることができる。

・介護予防訪問リハビリテーション

 リハビリの専門家である理学療法士、作業療法士などに訪問してもらい、自宅でリハビリを受けることができる。

・介護予防通所リハビリテーション(デイケア)

 介護老人保健施設や病院・診療所などの施設で、介護予防を目的とした生活機能の維持向上のための機能訓練などを、日帰りで受けることができる。

・介護予防福祉用具貸与

 介護予防のために必要な福祉用具がレンタルができる。

・介護予防短期入所生活介護

 介護老人福祉施設などに短期間入所し、食事や入浴などの生活援助や、機能訓練を受けることができる。

・介護予防短期入所療養介護

 介護老人保健施設などに短期間入所し、医療によるケアや介護に加え機能訓練などが受けることができる。

・介護予防居宅療養管理指導

 医師や歯科医師・薬剤師・歯科衛生士などに訪問してもらい、薬の内服方法や、食事の方法などの療養上の管理・指導を受けることができる。

【参考資料】

■介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」

https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/

【介護の基礎知識】データベースを見る

構成/介護ポストセブン編集部

#介護始まるときに知っておきたいこと

#介護保険制度の基礎知識

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