2016.10.21   

信頼できる医療、介護従事者と出会うための3つのステップ

 介護生活には、医療、介護従事者の存在はかかせない。東京ー盛岡の遠距離で認知症の母の介護を続けている、人気ブロガーの工藤広伸さんが、息子の視点で”気づいた”“学んだ”数々の「介護心得」を紹介するシリーズ、今回は、信頼できる医療、介護従事者に出会うために何をしたらいいのかを伝授してもらう。介護を始めたばかりの人や、今、介護で悩んでいる人も、全ての介護者必見!

写真/アフロ

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 認知症という病気は、風邪や骨折と違って、基本的には根治するものではありません。医師や看護師、ヘルパーなどの医療・介護職の方々にお世話になる期間も、自然と長期になります。それゆえ、認知症介護とうまく向き合っている人は、信頼できる、ファンと言える医師・介護職を見つけているケースが多いように感じます。

 今日は、介護者として、納得のいく、ファンと言える医師や介護職を見つけるための3つのステップをご紹介します。

スタート:最初は受け身でしかない介護者

 突然、スタートする認知症介護。一般社団法人・介護離職防止対策促進機構の代表理事である和氣美枝さんは、介護者の最初の状態を「わからないことが、わからない」と表現しています。

 なんとなく市区町村の窓口や、地域包括支援センターへ行き、要介護認定を受け、ケアマネージャーの言うとおりケアプランを組む方は、相当いらっしゃると思います。その際、「わからないから、すべてお任せします」、こう言ってしまうのです。

 最初はやむを得ないのですが、時間が経つにつれ、他の介護者と交流し、自分自身が知識を身につけるようになると、「他との比較」が始まります。もっといい医師がいるのでは? もっといいケアマネがいるのでは? そう思うようになります。

 受け身のまま、医療・介護職の方のお世話になるのが、スタート段階です。

ステップ1:自分に合った本、ブログを見つけ、マネをしよう

 わたしは、40歳のとき、認知症介護が始まりました。周りで介護している人はいなかったため、「認知症」の書籍をたくさん読みました。

 近所のかかりつけ医に行ったあと、地域の大病院に行くという、病院探しの定番も経験しましたが、家族として納得のいくものではありませんでした。対応が迅速でなく、お薬を出すだけだと言われたこともありました。これではダメだと思い、本で見つけた医師に連絡し、受診したところ、認知症の母との相性もバッチリでした。

「わからないことが、わからない」でも、情報は探せばたくさんあります。わたしのように本がきっかけになることもあれば、認知症ブログが役に立つこともあります。

 まずは、拠り所となる本やブログを見つけて、マネしてみるところから始めましょう。受け身ではなく、自ら動くことを始めるステップです。

ステップ2:地元の介護者のつどいや認知症カフェに参加しよう

 医師や介護施設の評判をネットで調べることは、以前と比べると簡単になりました。しかし、地域差があって、口コミ数に大きなバラつきがあるのが現状です。ネットに全く掲載されていない地域も多くあり、ネットだけでは完結しません。

 市区町村の広報、町内の回覧板の情報から、地域の介護者のつどいに参加してみましょう。介護者同士の集まりに、介護職の方が参加されていることがあります。また、元介護職の方が、つどいや認知症カフェを運営されているケースもあり、情報をお持ちです。そういった方に、医師や他の介護職について相談してみるといいです。

 きっかけとして、本やブログで情報を集めることは大切なのですが、地元のことまで反映されていません。ファンと言える医師や介護職を見つけるには、地元のネットワークを利用しないと、出会えません。

ステップ3:今、お世話になっている介護職に、直接聞いてみよう

 わたしの場合、自宅にいらっしゃるヘルパーさん、理学療法士さん、訪問看護師さんなど、あらゆる医療・介護職の方に、「誰かいい人、知りませんか?」と直接聞くことがあります。  

 皆さん地元の情報をお持ちなので、いい医師や介護職の情報を教えてくれます。本当はケアマネがすべて知っていれば理想なのですが、意外と知らないことも多いです。

「情がわく」と医師や介護職を変えられない

 長くお世話になっている医師や介護職の方には、どうしても情がわいてきます。よくしてもらったことへの恩があるため、いざ病院や介護サービスを変えようにも変えられないのです。なんとなくおつきあいが始まったことが、いつの間にか習慣になり、変えるのが面倒になります。そんなときは、認知症ご本人のためになっているのか?という視点を、忘れてはいけません。

 オススメは、これら3ステップを早い段階で実現することです。時間が経てば経つほど、ファンと言える医師・介護職を見つけるのは難しくなります。

 介護職員による虐待のニュースが報道されていますが、熱心な介護職の方も多くいらっしゃいます。そういった方を見つけることも、介護者として大事な務めではないでしょうか? 自分で介護ができないのであれば、ベストな医師・介護職を探し続けることも介護のひとつです。

 ファンと言えるレベルの医師や介護職にたどりつくのは、時間が必要です。しかし、ベストな布陣が組めたとき、介護者のストレスは大きく減ります。長い認知症介護と付き合うための、最強のストレス解消法と言えます。

 今日もしれっと、しれっと。

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工藤広伸 (くどうひろのぶ)

祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護1)のW遠距離介護。2013年3月に介護退職。同年11月、祖母死去。現在も東京と岩手を年間20往復、ブログを生業に介護を続ける息子介護作家・ブロガー。認知症サポーターで、成年後見人経験者、認知症介助士。 ブログ「40歳からの遠距離介護」運営(http://40kaigo.net/)

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