2016.11.04   

身内のタイプを知って態勢を整える! 介護者あるある8つのパターン

 祖母と認知症の母のW介護を皮切りに、現在も遠距離で母の介護を続け、その記録を介護ブログで公開している工藤広伸さんが、実際に”体験し”、”気づき”、“学んだ”数々の「介護心得」を紹介するシリーズ、今回は、介護を支える態勢づくりのためのアドバス。

 8つに分けたタイプで家族、親戚を見極めることが大切だという、人気ブロガーとして、活躍する工藤氏ならではの、介護サバイバル術を伝授してもらう。

家族シルエット

写真/アフロ

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 介護が突然スタートしたときに、まず考えることは「介護はだれがやる?」ということです。長男・長女が家を継ぐという時代があったため、その影響が介護にも及ぶことが未だにあります。 

 また、嫁が介護を担う時代もありましたが、内閣府発表の2016年高齢社会白書によると、男性が介護する割合が31.3%まで上昇しています。もはや、性別や生まれた順序で考えるのではなく、ある3つの要素を当てはめたほうが、現実的と言えます。

介護に大切な3要素とは

 介護を考えるうえで大切な要素とは、「お金」、「口」、「時間」です。

「お金」は介護にかかる費用のこと、「口」は介護サービスや介護方針に口を出すこと、「時間」は介護そのものに、どれだけの時間を割けるかです。

 この3要素を考慮して、介護者を8つのタイプに分類したものが、次の表です。

介護に関わる大切な3要素/表組

 それぞれのタイプについて、解説していきます。

(1)無関心型
 介護費用を出さず、介護に関して口も出さない、介護を一切しないタイプです

 介護放棄とも言えるこのタイプ、うちの父が該当します。わたしが18歳のときに家出をしたため、全く何もしません。母が認知症であることを伝えましたが、特に変化はありませんでした。 

 無関心型は一見ダメなようにも思えますが、かき回されないというメリットもあります。

(2)お金解決型
 
一言でいうと、スポンサーのことです。介護に口を出さないし、介護自体もしない、でもお金だけは出すというタイプです。物理的に距離が離れた親族などが、このタイプに該当することが多いです。

「金だけ出して、何もしない」と批判される方もいらっしゃいますが、お金がないと介護は成り立たないので、大変ありがたい存在です。

(3)口だけ型
 介護に対して口をはさむものの、お金も出さない、介護自体を何もしないタイプです。

「病院へ連れて行かなくていいの?」
「施設にそんなにお金は払えないぞ!」

 そんなに口出すなら、自分でやれば?と言いたくなるタイプです。できるだけ、介護に関わってもらわないようにする方が、主介護者もラクです。金銭面で主導権を握ることができれば、口だけ型の人は放置しておけば問題ありません。

(4)同居型
 時間だけ割けるタイプのことです。経済的に苦しいのでお金を出せませんし、体力的にも厳しいので何かケアができるわけでもありません。老老介護をしているご家庭で多いタイプですが、「ただそこにいる」ということも立派な介護です。

 独居という不安を、一緒にいるだけで解消してくれるため、大きな役割を果たしていると言えます。

(5)お札振りかざし型
 口だけ型の人が、お金にも関与するという最悪のタイプです。

「その施設の料金、高すぎじゃないのか?」
「お金出してやっているのに、もっといい介護サービス受けさせろよ」

 お金返すから、黙っていてくれ!と言いたくなります。金にモノを言わせて、口うるさいのに、自分は何もしない…介護者として、最もふさわしくないタイプです。無関心型がありがたいと思うのは、こういう人もいるからです。

(6)ボランティア型
 介護費用は捻出できないけど、移動や食事の介助など、介護をしてくれるタイプの人です。体力もあるし、日頃の介護の問題点を主介護者に伝えてくれる人です。

(7)サポーター型
 お金も出す、介護もしてくれる、しかし介護の方針に関しては口を出さずに、主介護者の決めた方針に従ってくれるタイプです。

 うちの妹がこのタイプです。祖母が子宮頸がんで倒れた時の費用を立て替えてくれましたし、なにより主介護者であるわたしの介護方針に従って、対応してくれます。

(8)主介護者型
 介護する上でのリーダーで、お金も口も時間も割きます。ケアマネージャーとの窓口、病院や施設との契約、金銭管理などすべてに対応します。わたしはこのタイプに属していて、病院やデイサービス、リハビリなど、すべての窓口になっています。

まずは「身内でどういう介護態勢を整えるか」を考える

 いかがでしたか? 自分の兄弟や配偶者、親戚は、どのタイプに当てはまりましたか?

 介護が始まったら、地域包括支援センターに行き、施設を探すことを第一に考えがちですが、それよりも「身内でどのような介護態勢を整えるか」のほうが大切です。介護職の方も、家の事情までは考えてくれません。

 身内がどのようなタイプで、介護に対してどういうスタンスなのかを把握しましょう。

 前もって介護態勢を決めておくと、スムーズに介護が始まるのですが、実際は兄弟間で揉めることも多いです。介護自体よりも、兄弟ケンカによるストレスのほうが大きいこともあります。

 また、あらかじめ「誰に介護して欲しいか」だけでも、介護される人に聞いておくことが大切です。第三者が集まって決めるよりも、その人の意志を尊重するほうが、意外とラクです。 

今日もしれっと、しれっと。

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工藤広伸 (くどうひろのぶ)

祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護1)のW遠距離介護。2013年3月に介護退職。同年11月、祖母死去。現在も東京と岩手を年間20往復、ブログを生業に介護を続ける息子介護作家・ブロガー。認知症サポーターで、成年後見人経験者、認知症介助士。 ブログ「40歳からの遠距離介護」運営(http://40kaigo.net/)

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