2016.12.31 |暮らし   

リハビリに力を入れる小規模介護付有料老人ホーム<後編>

せらび有栖川

 今回は前編に続き、広尾にある「せらび有栖川」のホーム長である小川健さんにお話を聞き、施設内を紹介していきたい。有栖川宮記念公園に面しており、贅沢な立地を実現している。

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入居希望の見学時にも対応してくれるホーム長の小川さん

 せらび有栖川は、元々マンションだった建物を改修して介護付有料老人ホームにしている。19室と小規模なため豪華な共用施設が多数あるわけではないが、その分コンパクトにできているのでお風呂や食事への移動はしやすくなっている。

 居室にはナースコールボタンが全室に完備され、床材には滑りにくい素材を厳選して使用している。室内の照明にもこだわり、目にやさしいやわらかい光を使っているという。

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窓が広くとってあり心地良い光が入る居室

 家族や来客と会う際のスペースはきちんと確保されているので安心だ。5階にはそのために2部屋用意されていて、いずれも落ち着いて話すことのできる空間になっている。

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家族や来客と会う際の部屋は快適な空間だ

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家族が宿泊するために利用することもある

様々なプログラムを揃えた音楽療法

 前編でも紹介した通り、「せらび」全体でリハビリに力を入れており、その一環として、音楽療法にも力を入れている。音楽療法には、心身機能や認知機能、社会性の維持・向上に効果があると言われている。

 携わるスタッフは全員が専門の学校で学び、「音楽療法士」の資格を取得している。さらに介護士の資格も持っており、まさに音楽療法のプロが担当しているといったいい。

 セッションには大きく分けて2つのパターンがある。1つは2~20数名向けのものだ。この場合は、複数のスタッフが分担して対応する。歌を歌ったり、様々な楽器を使ったりと音楽療法は楽しさも重要な要素だ。

 そして、1対1の個人セッションも行っていて、居室でもできるということだ。身体的、認知的な理由で集団への参加が難しい、特別な音楽の嗜好があるなどの場合に行っているという。実際、ピアノレッスンやジャズ、外国音楽といった限定されたジャンルの音楽を演奏したいというリクエストにも応じるなど手厚い個別対応をしている。また、発声や発語を促すプログラム、身体機能訓練に音楽を活用するなど、他にも様々なプログラムが用意されている。

「音楽療法士は外部から招くのではなく、社員として採用され仕事をしています。各ホームを飛び回っていますね」(小川さん)

 実際に音楽療法は入居者に人気があり、希望者も多いという。入居者が若い時の曲を聞くと、その頃の話が自然に出てくることもあるそうだ。クリスマス会などでは、入居者が日頃の練習の成果を見せる機会にもなっている。

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一般的なリハビリ器具も充実している

施設に入居するタイミングの見極め方とは?

 常日頃、見学の対応をしている小川さんに、施設を選ぶ際のポイントを聞いてみた。高齢者向け施設を探すのが初めての方はぜひ参考にしてみてほしい。

「やはり最終的には、入居されるご本人が納得することが大切ですね。入居するのに良いタイミング、時期というものもあると思います。早すぎるとご本人が嫌になってしまう。遅すぎると家族の負担になってしまうことがあります」(小川さん)

 介護は本人だけの問題ではなく、その家族にとっても重大事だ。介護の経験が豊富な人は少なく、初めてのことばかりで戸惑うことも多い。介護をされる本人は自宅にいたくとも、家族がその負担に耐えられないこともある。本人も家族も、自宅で大丈夫か、介護のプロの手に委ねた方がいいのか迷ったまま時間が過ぎ、いざ入居が必要になった時には希望の施設は満室ということもある。とにかくタイミングが難しいのだ。

 そういった時に、第三者の目でアドバイスをしてくれる小川さんをはじめとするスタッフは良き相談相手だ。見学、体験入居のタイミングで、このままだと転んで骨折をしてしまう危険性がある…など知識がないと分からない先のこともプロとして予測してくれる。本人や家族だけでは話しにくいことも第三者の意見を入れることで、見えてくることがある。

「ホームによって色があります。自立の人が多い、医療依存度が高い人が多い、それを見た時にどう思ったか…。それがタイミング、時期を見極める目安かもしれません。そのために1週間の体験入居をお勧めしています。そこで他の入居者、スタッフ、食事などトータルで判断してほしいと思っています」(小川さん)

 小川さんはいわゆる営業トーク抜きで、見学者に施設の入居の時期についてアドバイスをしているという。「経営的には怒られてしまうかもしれませんが…」と笑いながら話してくれた。本人、家族、そして共に過ごすスタッフにとっても納得できることがポイントだ。

 せらび有栖川は小規模なことを利点とし、きめ細やかな対応を入居者に提供している。大規模な共用施設の充実を望む方には向かないが、静かな落ち着いた生活を送りたい場合は周辺の環境含めて申し分ない。東京都心で落ち着いた老後の住まいをお探しの方は一度見学をし、ホーム長の小川さんをはじめとするスタッフに入居のタイミングを相談してみてはいかがだろうか。

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落ち着いたインテリアのパブリックスペース

【データ】
施設名:せらび有栖川
公式WEBサイト:https://www.j-carelink.co.jp/home/arisugawa/index.html
所在地:東京都港区南麻布5-12-12
最寄駅:日比谷線「広尾」駅1番出口 徒歩4分
類型:介護付有料老人ホーム
運営主体:株式会社日本ケアリンク
敷地面積:340.86平方メートル
延床面積:1097.60平方メートル
室数:19室
入居要件:65歳以上の方で、入居時自立、要支援、要介護
構造:鉄骨鉄筋コンクリート造、地下1階付5階建
開設年月日:2011年2月1日
料金:
・生涯契約(※65歳以上の方)
要支援・要介護の方/入居一時金3500万円、償却期間72か月(自立の方は、年契約もしくは月払い方式)
・年間契約プラン(※65歳以上の方)
自立の方で要支援要介護・年齢に関わらず/入居一時金720万円、償却期間12か月
・月払契約(※65歳以上の方)
居室の広さ・年齢に関わらず/家賃相当額60万円(月額)

※上記以外に毎月かかる費用は下記の【1】+【2】+【3】
【1】月額利用料267,430円(税込み、生涯契約・年間契約プラン・月払契約共通)
【2】介護保険自己負担分
【3】その他の費用(その他有料サービス)

撮影/津野貴生

【この記事の前編を読む】

→このシリーズの一覧を見る

 

 

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