2017.01.07 |暮らし   

個別の機能訓練に対応した介護付有料老人ホーム<前編>

ツクイ・サンシャイン成城

 世田谷区の静かな住宅街にある「ツクイ・サンシャイン成城」。周囲に高い建物はなく、屋上からは見晴らしのよい風景が広がる。東京タワーやスカイツリー、都庁も望むことができ、夏は近隣の花火大会も楽しことができるほどだ。静かな生活を好むのであれば抜群の住み心地といえよう。京王線の千歳烏山駅と小田急線の成城学園前駅から定期無料シャトルバスが運行しているので、移動も不自由ない。

施設_ツクイ1

ベージュのレンガ調で落ち着いた佇まいの「ツクイ・サンシャイン成城」

印象的な吹き抜けのオープンスペース

 建物に入ってまず目に飛び込んでくるのが、開放的な吹き抜けの空間だ。この吹き抜けのあるエントランスはオープンスペースになっており、機能訓練やアクティビティの場としても使われている。

 囲碁セットもあり、入居者同士で楽しめる。聞けば、入居者が囲碁を打っているのを見て興味を持ち、教えてもらうというコミュニケーションも生まれているという。これも囲碁室を作らずに、あえてオープンスペースで行っているからこそだ。

施設_ツクイ2

季節毎の飾り付けがされる機能的なオープンスペース

 訪れた日はアクティビティとして陶芸教室が開催されていた。講師の説明を聞きながら、入居者が手を動かして土の塊から形を作っていく。ロビーには以前作ったクリスマスの絵皿が飾られていた。白いお皿に転写紙を配置し、モミの木やサンタクロースの絵柄を焼き付けた華やかなものだ。

 この陶芸教室も囲碁のように専用の部屋を作って行うのではなく、みんなが行き交い、目にすることができる場で行われている。そのため他の入居者への刺激にもなり、新たな楽しみを発見する可能性も広がる。

 開催されるアクティビティの種類は多く、書道教室、お料理クラブ、音楽療法、囲碁クラブ、絵画クラブ、麻雀クラブなどのクラブ活動があるほか、初詣、お花見、納涼イベント、室内コンサートといったレクリエーションもこのオープンスペースを中心に行われている。

 クラブの中には「へちまの会」という入居者が自主的に立ち上げたものもあり、持ち回りの担当が時事ネタを話し、それを元に意見交換が行われているという。政治の話やサンドイッチの起源まで内容は自由で幅が広い。頭を使い、さらに他者とのコミュニケーションができるので認知症予防にもつながりそうだ。

施設_ツクイ3

3月のひな人形を土の塊から作っていく陶芸教室

ひとりひとりに合わせた機能訓練計画を作成

 ツクイ・サンシャイン成城は、機能訓練にも力を入れていて、理学療法士、言語聴覚士、マッサージ指圧師を含む9名で構成される機能訓練チームが編成されている。理学療法士が、ひとりひとりに合わせた個別機能訓練の計画を作成しているとのことで、この人数でチーム編成がなされている施設はあまり聞かない。

 また、屋上階では外を眺めながらマッサージを受けることができ、関節可動域の運動を行えるという。他にも上半身の運動になる「風船バレー」など、楽しみを重視した訓練もある。

 世田谷区という恵まれた場所にも関わらず広い敷地を確保しているため、施設内で機能回復、維持のための運動ができるのだ。部屋は125室あるが建物は3階建て。つまり各階が広く、日常生活での移動がいい運動になっている。さらに個別機能訓練に加えて、歩行訓練を兼ねたガーデニングや体操、散歩など、毎日の暮らしの中にも訓練を取り入れているという。

施設_ツクイ4

廊下は長く、吹き抜けになっているので歩くのにちょうどいいスペース

施設_ツクイ5

散歩道の奥にはあずまやがあり、まるで公園のようにくつろげる

 他にも「コグニバイク」を導入するなど、トレーニングに使うマシンも充実している。コグニバイクは国立長寿医療研究センターが開発した「コグニサイズ(C)」のバリエーションのひとつ。コグニサイズ(C)はコグニション(認知)とエクササイズ(運動)を組み合わせた造語で、運動をしながら脳を使い、認知症を予防するための取り組みだ。画面でクイズなどを行いながら、足でこぐ作業を同時にすることができる。

施設_ツクイ6

認知症予防に効果的な「コグニバイク」

 言語聴覚士は言葉や聞こえ、認知、嚥下などに問題がある入居者に評価・訓練・指導・助言などを行っており、状況を定期的に確認しながら、必要な訓練をするという。また、定期的な訪問歯科診療で、高齢者に多い口腔内のトラブルの発見・対応もしている。口腔ケアは、誤嚥性肺炎の予防だけではなく、食事をいつまでも楽しむためにも重要なことだ。自分の口から食事ができるかどうかで、栄養面、精神面に大きな差が出てくるという。

 * * *

 次回後編では、施設長の吉村大輝さんにツクイ・サンシャイン成城の取り組みについてさらに詳しく聞いていきたい。基本的なことを着実に実施し、入居者と家族に安心感を与えているその秘密を探る。

施設_ツクイ7

【データ】
施設名:ツクイ・サンシャイン成城
公式WEBサイト:http://www.tsukui-sunshine.net/home/seijo/
所在地:東京都世田谷区上祖師谷6-29-19
最寄駅:京王線「千歳烏山」駅西口より徒歩15分
類型:介護付有料老人ホーム
運営主体:株式会社ツクイ
敷地面積:4725.07平方メートル
延床面積:4622.02平方メートル
室数:125室
入居要件:要支援・要介護
構造:鉄筋コンクリート造3階建
開設年月日:2010年5月1日
料金:
【月払い方式】
月額利用料39万5千円(内訳は居室料18万円・管理費14万9千円・食費6万6千円<30日分>)
【一時金方式】
・一時金600万円プラン/月額利用料33万5千円(内訳は居室料12万円・管理費14万9千円・食費6万6千円<30日分>)
・一時金1000万円プラン/月額利用料29万5千円(内訳は居室料8万円・管理費14万9千円・食費6万6千円<30日分>)
・一時金1800万円プラン/月額利用料21万5千円(内訳は居室料0円・管理費14万9千円・食費6万6千円<30日分>)

撮影/津野貴生

→このシリーズの一覧を見る

 

コメントが付けられるようになりました▼

この記事が役に立ったらシェアしよう

  •  

▶コメント

※編集部で不適切と判断されたコメントは削除いたします。
※寄せられたコメントは、当サイト内の記事中で掲載する可能性がございます。予めご了承ください。