2017.02.21 |サービス   

介護相談ができて、介護用品も充実!新しい形のコンビニ『ケアローソン』

”介護の不安”は些細と思えることや、漠然としたことも多く、自治体などの相談窓口は、意外にハードルが高く感じられることがあるかもしれない。そんな中、コンビニチェーンのローソンが、コンビニの店舗内に介護相談窓口を併設した新しい形の店舗『ケアローソン』の展開を開始した。コンビニで介護相談ができる『ケアローソン』とはどんなものなのか? 『ローソンさいたまシティハイツ三橋店』を取材した。

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コンビニ大手のローソンと介護事業大手のツクイが連携した新しい形のコンビニ『ケアローソン』

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ゆっくりおしゃべりできるサロンスペース併設でシニアも立ち寄りやすい

 取材に訪れたのは平日の午後。通常のコンビニ店舗の一角にあるサロンスペースには十数人のシニアが集まり、「インボディ測定」と題したイベントが行われていた。この店の介護窓口を運営するツクイの理学療法士が、生活習慣病や認知症についてや運動の重要性、骨折のリスクなどをわかりやすく解説した後、筋肉量やバランス、基礎代謝量などがわかるインボディと呼ばれる機械で一人ずつ測定。

「ちょっと転びやすい状態なので気をつけて」「すごい! 若い人並みの基礎代謝量じゃないですか!」などと声をかけながら、一人一人に測定結果を渡し、参加者たちも具体的な数値を見て楽しそうだ。

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店内に併設されているサロンスペースでは、シニア向けのイベントが開催される

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「インボディ測定」の様子。計測結果がその場で伝えられる

 2時間ほどのイベントの間には、代わる代わる店舗内のトイレに行くシニアに、ツクイとローソンのスタッフが手を携えて付き添う姿も。イベント終了後、参加者たちは思い思いにコンビニで買い物をしたり、サロンに留まりツクイのスタッフと世間話に花を咲かせたりしていた。

 介護相談窓口はこのサロンスペースの中。ツクイでは、ケアマネージャーや介護福祉士、社会福祉士などの資格を持った相談員が対応(相談員の資格はケアローソンの店舗、提携する介護事業者により異なる)。地域包括支援センターなどとも連携し、相談内容により医療機関情報や他の介護事業者につないでもらうこともできる。が、相談の多くは、相談以前の漠然とした不安が多いという。ツクイ・ケアコミュニティ川口末広の主任管理者・壱岐睦郎さんに聞いた。

「最近多い相談者は60~80代。自身のことを相談される世代が多いです。親を介護する世代はインターネットなど情報収集の方法もたくさん持っていますが、ご本人はたくさんの情報の中で湧く漠然とした不安を、どこにどう相談してよいかもわからないことが多いよう。窓口に来て“相談というほどのことでもないけどね…”という感じが多いです。この段階では役所の相談窓口に出向くのはもちろん、介護施設が開催するイベントや認知症カフェなどに参加するのも抵抗があるようです。その点コンビニなら、来店の目的は買い物。家庭的な雰囲気のサロンスペースでコーヒーなどを飲みながら、“最近、何となく物忘れが…”とか、“一人暮らしで食事がおっくうで…”などという世間話が、そのまま相談につながったりもします」

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サロンスペースの中に設置された介護相談窓口は、買い物ついでに 気軽に立ち寄れる雰囲気

 高齢者も多く住む住宅街の中にあるローソンさいたまシティハイツ三橋店には、運動を兼ねた散歩がてらに立ち寄る常連客も多く、相談窓口の相談員とも談笑できるほどの顔見知りになるという。行政の相談窓口に比べれば、ハードルの低さは格段だ。

ケアローソンのもう一つの特長は、介護関連商品の品揃え

 店内の商品棚の一角に、特にほかの商品と区分けすることなく介護関連商品がズラリとならんだ棚がある。やわらかさ順に陳列されたレトルトや冷凍の介護食・やわらか食、おむつや消臭剤のほか、口に運びやすい箸やスプーン、ストロー付きコップなどのサポート食器、ステッキ本体だけでなく先端の交換用ゴムチップまで揃っている。客からの問い合わせを受けたり、店長が常連客にリサーチするなどして、地域のきめ細かいニーズに応えているのだという。

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介護食も各メーカーのものが種類豊富に並ぶ

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一般の店舗ではなかなか扱われない商品も豊富

 また通常こういった商品は、まだまだ専門店や百貨店の専門コーナー、通販などでしかお目にかかれないが、コンビニに並んでいることで、まだ介護とは無縁の若い人たちの目にもごく自然に触れることになる。そういう意味では多くの世代が介護を知るきっかけにもなりそうだ。

超高齢社会の身近なニーズを担うコンビニ

 近年、イートインコーナーの併設、調剤薬局やドラッグストアの併設など、地域や時代のニーズに応える店舗形態を競い合うコンビニ業界の中で、ローソンは2015年4月に業界初の介護相談窓口併設の第一号店を埼玉県川口市にオープン(さいたまシティハイツ三橋店は第二号店)。店舗ごとにそれぞれパートナーの介護事業者と連携し、2017年2月現在、全国に9店舗のケアローソンを展開。2017年度末までに30店舗を目指すという。

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”買い物ついでに介護相談できる”新しい形のコンビニはどこまで広まるのか注目されている

「この超高齢社会には、介護や支援の必要なシニア、自立したアクティブシニア、そしてその家族がいて、ひと口に“介護”といっても幅広いニーズがあるのです。切実に必要とされる介護用品の品揃えだけでなく、予防のための講演会やイベントを開催したり、自治体の介護・予防情報のチラシコーナーを設けたり。またサロンスペースはシニア以外の方にも気軽に利用していただいており、多世代交流の場に。シニアの方にもご家族にも気軽に介護の話をできる場があることで、介護予防の一助にしたいと思っています」(ローソン ヘルスケア本部ライフケア推進部部長 林泰生さん)

【取材店舗情報】
ローソンさいたまシティハイツ三橋店
住所:埼玉県さいたま市西区三橋6-1258-1 
営業時間:24時間営業(介護相談窓口は9:00~17:00)無休

撮影/浅野剛 取材・文/斉藤直子

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