2017.03.07 |暮らし    2

【世界の介護】自分らしい暮らしを続けられる「オランダの認知症村」

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カフェで代金を払い忘れても自動的に精算される仕組み

『ホフヴェイ』は、ヴィヴィウム・ケアグループが1992年に設立。住人は152人。入居条件は「24時間ケアを必要とする認知症であること」。スタッフは精神科医、ソーシャルワーカーを含めて270人、ボランティアスタッフは140人、全員が認知症対応のトレーニングを受けている。1か月の利用料は、食費・光熱費込みで5,000ユーロ(日本円で約61万円)。このお金を、国の長期医療保険料と自己負担金で賄う。オランダ国内の24時間見守り付き介護施設の中では安い方だという。棟内には、リビングルーム+ベッド付き個室の他に、共用のリビングルームとキッチン。日中は1棟につき1人のケアワーカーを配属し、足りない部分をボランティアスタッフがフォローする。夜間はセンターに看護師が待機し、センサーやナースコールに対応する。 

 オートロックや監視カメラで厳重に管理された敷地内は、小さな街のようだ。噴水広場から延びる通りには名前が付いており、通り沿いにあるレクリエーションルームはさながら専門店の構え。そこには、カフェや映画館、美容院、スーパーマーケットなどが看板を掲げて軒を連ねる。入居者は一般の店と同じように利用することができる。

しっかりとした管理、スタッフのさりげないサポートで失敗なく暮らせる

「街の造りが、認知症の人の“どう振る舞えばいいの?”という疑問にヒントを与えます。それまで暮らしてきたのと同じようにしていればいいのです。ただ、認知症の患者さんは普通と違う行動をするので、専門家が常にサポートします。例えばここのスーパーマーケットでは、住人がレジでお金を支払うことを忘れても、登録されたナンバーで記録し、まとめて精算できるシステムを採用しています。普通のスーパーなら事件になりますが、みんな顔見知りですし、誰からも責められることはありません。スタッフがさりげなくサポートするので、失敗経験にならないのです。失敗経験から生まれる『できない』、『わからない』という不安感情は、積み重なると暴言や暴力など問題行動の原因となりますから」

 設立当初に比べ、ホフヴェイの平均入居年数(寿命)は約2.5年から3.5年に伸びた。問題行動が減ったことで、薬の服用も15%減少したという。「認知症村」の成果は出ていると考えていいだろう。

日本で「ホフヴェイ方式」は可能か

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  1. まちこ より:

    私は看護師をしているものです。
    オランダのこの認知症村の存在を知ったのは数年前ですが、本当に衝撃を受けました。と同時に、日本にもここと同じように、認知症の人やその家族が少しでも今まで通り自分らしく暮らせる環境を提供することはできないかと思っていました。これまで他人任せでしたが、日本で実現させるために自分にできることはないか、またどうすれば実現させることができるのかと模索しております。もし、どなたかこのような村を実現させたいと賛同してくださる方がいればと思いコメントさせていただきました。認知症の方が少しでも住みやすい環境を提供したい、その一心でございます。コメントいただけたら幸いです。よろしくお願い致します。

  2. 咲哉 より:

    認知症村はテレビでもやっていましたね。日本でもこの村のように、認知症の人たちが余生を幸せに送れる施設は作れないものでしょうか?
    高齢者問題については、やはり欧米の方が進んでいる気がします。