2017.03.22 |ヘルス   

【動画あり】音楽を楽しみながら認知症予防を!「若返りリトミック」やってみよう

「音楽を楽しみながら、頭と体を刺激して認知症の予防につなげる」として、注目を集めている「若返りリトミック」。二人組の音楽療法士がプログラムを作り、生演奏で実施するという点で、一般的な合唱や運動とは違う効果が期待できるという。

 今回、「介護ポストセブン」のために特別に、WEB上で若返りリトミックをレクチャーしてもらった。

 講師を務めるのは、若返りリトミックの第一人者「濱ちゃん&松ちゃん」コンビこと、濱田幸子さんと松島裕子さんのお二人だ。さあ、動画を見ながら、若返りリトミックに挑戦!

音楽を使って「あたま」「からだ」「こころ」3つの若返りを

 若返りリトミックの目的は、音楽の持つ力を使って「あたま」「からだ」「こころ」の若返りを図ること。今回指導してもらうのは、この中でも「体の若返り」にポイントを置いたものだ。

 おなじみの唱歌「富士山」を歌いながら運動する。それでは早速、「富士山」を歌いながら、手の運動スタート! 動画を参考に、一緒にやってみよう。

 初めのうちは、手の動きに集中すると、歌がおろそかになってしまうかも。なんとか動きに慣れたころには曲が終了だったのでは? かなかうまくいかないところが面白いのだ。

「普段は“チョキ”の動作ってあまりしないので、音楽に合わせてテンポよく動くのは意外と難しいんです。でも、簡単にできることばかりでは面白くないでしょう? 『間違えてしまいそう!』とドキドキすることも、脳や心へのいい刺激になります」(濱田さん)

「単純な動きを無言でくり返していると、ただの訓練のようになりがちですが、音楽をつけると一気に楽しくなります。また、歌って声を出すと自然な呼吸が促され、運動効果がさらに高くなります。ですから歌と運動、どちらか一方に偏らないよう、歌詞幕を見なくても歌えて、リズムがはっきりしたなじみ深い楽曲を選んでいます」(松島さん)

「ひじまる」「ハイカラ」って? ユニークな運動のネーミング

 濱田さんは、運動にユニークな名前をつけるのが得意。参加者の関心を引き、少しでも強く印象づけるためだ。例えば、指先を左右それぞれの肩にのせ、ひじでゆっくりと大きな円を描く運動は「ひじまる」と名付けた。

「『ひじまる』は、肩の関節や背中の筋肉を大きく動かすための運動です。ここは普段からぜひ動かしてほしい部分のひとつ。ですから、動きのイメージがわく名称があれば覚えやすくなり、自宅や施設でも取り入れてもらえるのではと思って、名付けてみたんです」(濱田さん)

 息をしっかり吐くことの大切さを伝える「ハイカラ」呼吸。“肺の中の空気をからっぽにしましょう”という意味だ。高齢者向けの講座では、このように解説する。

「深呼吸には気持ちを整える働きもあるんですって。フィギュアスケートの浅田真央さんだって、試合の前には深呼吸しているでしょう? では、おなかに手を当てて、おなかをへこませるように口から息を吐きます。鼻から吸って口から吐きましょう。

 ポイントは、肺の空気を全部空っぽにすること。そうすると次にたっぷり息を吸い込めます。横隔膜(呼吸に関わる筋肉)を上下させると、自律神経の働きも安定するそうですよ。肺をからっぽにするから『ハイカラ』呼吸。覚えやすいでしょ!」

 単に体を動かすだけでなく、意味を説明することで、頭の若返りにもつながるのだ。

 ピアノ伴奏にも重要な役割がある。「ひじまる」のように体をゆっくり動かすときは、波が次第に盛り上がり、引いていくようななめらかに。足踏みしたり、ももやすねを叩いたりするときは、ポンポンと跳ねるようなリズミカルな演奏で。松島さんのピアノは、運動効果がより高まるように、参加者の動きをさりげなくリードしている。言葉による説明がなくても、ピアノを聞けば運動の仕方が直感的にわかる。そのため、運動に慣れていない高齢者でも、体を自然に動かせるようだ。

話題になっているエクササイズを独自にアレンジ

 若返りリトミックでは、1曲の中で動きを次々に切り替えることがある。例えば、『紅葉(もみじ)』を歌いながら、「かかとを8回トントン」「つまさきを8回トントン」「足踏み8回」「手拍子8回」「ももを8回叩く」「両手で肩を4回叩く」などを、区切りのいいところで変えていく。濱田さんがタイミングよく指示を出してくれるため、動きが変わってもまごつかずについていける。スムーズに動けた後の爽快感はひとしおだ。

 最近話題になった運動も、若返りリトミック流にアレンジして取り入れている。

 口を「あ・い・う・べ」の形に動かすことで唾液を出し、体の抵抗力を上げるといわれる「あいうべ体操」も、そのひとつだ。「あ・い・う」と、ゆっくり発声した後、「べー」と言いながら前に出し、その後舌を口の中で大きく1周回し、口の周りの筋肉のエクササイズをする。

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参加者とのコミュニケーションも「若返りリトミック」の大切な要素

 介護施設などでも取り入れられている「8・4・2・1運動」では、右肩8回、左肩8回、右肩4回、左肩4回、右肩2回、左肩2回、右肩1回、左肩1回、最後は手拍子をするというふうに、たたく回数を変えて、肩たたき運動を楽しんでもらっている。

 また、口腔体操でよく使われる「パタカラ体操」を応用した早口言葉「パンダ・子パンダ・孫パンダ」ではピアノ伴奏のテンポを徐々に速めて難易度を上げる。うまくできた人もできなかった人も、1曲終わった後は「難しかったけど面白かったね!」と、自然と笑顔になる。

 シンプルながらも難しい運動はほかにもある。

「スリスリ・トントン運動」:片手でももをスリスリと撫で、もう片方の手は拳を作りトントン叩く
「出す手と足をかえる」:右手と右足、左手と左足をそれぞれ交互にぐっと前に突き出す運動から、途中で右手と左足、左手と右足にかえる
童謡の『おもちゃのチャチャチャ』:「チャ」という歌詞のときだけ、声を出す代わりに手拍子を打つ。

 こうしたユニークな運動なら、普段は体を動かさない人や運動が苦手な人でも気持ちよく体が動き、同時に脳のエクササイズにもなる。単純そうに見えて、じつは奥深く、バリエーション豊富な若返りリトミック。体と脳、そして心を刺激するのに有効な、認知症予防メソッドのひとつといえそうだ。

撮影/政川慎治 取材・文/市原淳子

国立音楽院公式サイト

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