2017.03.05    1

猫が母になつきません 第34話 「しめる」

猫母34_しめる

家中のドア、引き戸、洋服ダンス、引き出し…開け閉めできるすべての場所がかなりの確率でちゃんと閉じていません。特にキッチンは収納が多いので母が使ったあとは最低でも3か所くらいは開いていて、それを私はいつも一気にパタパタパタと閉めてまわります。よく使う場所は決まっているので閉める動きもだいたい決まってきて、そのスムースさはほぼ舞踏。母の力が弱くなってきて閉めたつもりでもちゃんと閉まっていないのだわ…と思いたいのですが、昔よく父がぶつぶつ言いながらあちこち閉めていたことを思うと、その役割が父から私にまわってきただけ、というのが正しいようです。

【作者プロフィール】
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。

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【この連載のバックナンバー】

第1話  「しらない」
第2話  「かたづけ」
第3話  「みかく」
第4話  「うめぼし」
第5話  「パソコンその1」
第6話  「パソコンその2」
第7話  「ない!」
第8話  「猫と母」

第9話  「けいたいでんわ」
第10話  「こっせつ その1」
第11話  「こっせつ その2」
第12話  「こっせつ その3」
第13話  「カルシウム」
第14話  「バイリンガル」
第15話  「すれちがい」
第16話  「ひとりじめ」
第17話  「かたおもい」
第18話  「ながでんわ」
第19話  「なぜここに」
第20話  「メメントモリ」
第21話  「きかない」
第22話  「スイートコーン」
第23話  「モシモシ?」
第24話  「いる!」
第25話  「ねがいごと」
第26話  「でまかせ」
第27話  「あかない」
第28話  「けいたいしない」
第29話  「できる」
第30話  「かくしんもてない」
第31話  「かくしんもって」
第32話  「こぐんふんとう」
第33話  「おさつ」
第34話  「しめる」
第35話  「ねむれない夜」
第36話  「怪談」
第37話  「そうじ」
第38話  「タイマー」
第39話  「かぎ」
第40話  「ねこにこばん」
第41話  「なつかない」
第42話  「けさないで」
第43話  「ふとん」
第44話  「さび」
第45話  「じかせい」
第46話  「おなかすいた」
第47話  「茶トラ」
第48話  「かえして」
第49話  「むかで」
第50話  「むかで─猫の場合─」
第51話  「今年もうめぼし」
第52話  「わびのごはん」
第53話  「ほんやく」
第54話  「さびのブラッシング」
第55話  「がいしょく」
第56話  「しょうじ」
第57話  「こけ」
第58話  「だかれる」
第59話  「茶トラ-その後」
第60話  「もちかえる」
第61話  「ひとりあそび」
第62話  「ハマる」
第63話  「ひみつへいき」
第64話  「にそくほこう」
第65話  「おどかしたい」
第66話  「やめない」
第67話  「かいたい」
第68話  「ねむりたい」
第69話  「あまもり」
第70話  「さびのごはん」
第71話  「うちまちがい」
第72話  「おなじです」
第73話  「ひっつき虫」
第74話  「あそんであそんで」
第75話  「ぶっとばす」

第76話  「メリークリスマス」

第77話  「おとしだま」
第78話  「ぶっとばしてみた」
第79話  「やっちまった」
第80話  「にげられる」
第81話  「むしして」
第82話  「ストレスはっさん」
第83話  「毎日アクロバット」
第84話  「しはんせいき」
第85話  「せいする」
第86話  「やぶる」
第87話  「ひじょうじ」
第88話  「つかえる」
第89話  「あける」
第90話  「立つ」
第91話  「はる」
第92話  「ちらかす」
第93話  「グルーミング」
第94話  「とまる」
第95話  「るーてぃーん」
第96話  「つかまえる」
第97話  「季節のめぐみ」
第98話  「しゃしん」
第99話  「ゆめ」
第100話「続・今年もうめぼし」
第101話「まだまだうめぼし」
第102話「ゆずれない」
第103話「ストップ再利用」
第104話「きづかれる」
第105話「いま?」
第106話「あっというま」
第107話「のまない」
第108話「つけない」
第109話「つかない」
第110話「ドライブスルー」
第111話「るすでん」
第112話「リフォーム」
第113話「かいかえる」
第114話「ピンク!」
第115話「足元注意」
第116話「にらまれる」
第117話「さがしもの」
第118話「こっせつ_その後」
第119話「はかない」
第120話「猫の手」
第121話「やればできる」
第122話「あっとうされる」
第123話「おしまくる」
第124話「ゆだんする」
第125話「いただく」
第126話「たべない」
第127話「いるやつ」
第128話「さむい」
第129話「きこえてる?」
第130話「いぞんする」
第131話「はいらない」
第132話「おかないで」
第133話「つける」
第134話「はなせる?」
第135話「あじみする」
第136話「きになる」
第137話「すいてた」

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▶コメント

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  1. イチロウ より:

    あ~、あったんだ~。 「しめる」が。 未だバックナンバーを全て読んでいませんでしたので、気づきませんでした。

    さて、我が家の場合、亡父母は、割ときちんとしていましたので、私のような失敗は無かったように思います。 

    実は、私の場合には、何でもやり過ぎ、行き過ぎ、の失敗が多いのです。 

    例えば、朝、出勤時には、窓の鍵をかけたのだろうか、家を出てからは、玄関の鍵をかけたのだろうか、と気に掛けることが多いのです。 特に、長男猫が居る時には、戸外に出ると危険なので、窓・玄関の鍵を掛けたのか否か、そして、ガスや電気のコンセントに元栓を切ったのか否か、と気に病むのです。 

    もうそれは神経質を通り越して心配になるので、勤務先についてから気になって車を飛ばして帰宅し玄関を開けて全て安全なのを確認し再度出勤したことが何度もありました。

    その際には、長男猫が喜んで玄関に出て来ましたが、直ぐにまた家を出るので不審そうに私の顔を見るのでした。 大忙しで抱き上げて撫でてから家を出ましたが、これまた、御近所の方々には可笑しかったことでしょう。 認めるのは嫌ですが、慌て者なのです。

    これまで色々と工夫しましたが、この癖は治りません。 仕方が無いので、出勤時間をうんと早めて、始業よりも二、三時間早く勤務先に着くようにしました。 これで何か閉め忘れても帰宅出来る訳でした。 そして、始業まで何時間かを喫茶店で過ごしました。 長男猫と過ごす時間がその分短くなり不満でしたが仕方がありません。

    そこで、良いことに気付きました。 長男猫が電話に出るようにするのが良い、と。 帰宅せずとも「話」が出来る、と。

    実は、妹が、我が家に電話をした折に、長男猫が電話に出て来たので驚いた、と云うことを聞いていましたので、これは簡単に出来る、と思ったのでした。

    当時、我が家の電話機には、ハンズフリーで通話が出来る機能がついていました。 着信があると呼び出し音と共に、電話機の一角にあるボタンが点滅するのです。 妹に依れば、長男猫は、そのボタンを押して電話に出る、と云うのです。 最初に長男猫と「会話」(!)した妹は、驚くとともに楽しかったのか、何度も我が家に電話をして来て、私が出ますと、長男猫を通話口に出して欲しい、と言うのでした。 そして、驚いたことに妹と長男猫が何やら遣り取りをするのでした。 

    それならば、飼い主の私が外から電話すれば喜ぶだろう、と思い、或る日に勤務先から電話しました処、直ぐに電話口に出て来ました。 其処で、よし、よし、賢いね、と言い電話を切りました。

    さて、その日に帰宅しますと、長男猫が困ったような顔をして寄って来ました。 そして、何やら、ごにょ、ごにょ、と不平を言うような様子でした。 ああ、これは電話をしたけれども、用件は何も無い様子で、直ぐに切ったので不平を言っているのだ、と見当がつきましたが、あの時の長男猫の顔を思い出しては、悪かったのかな、用件も無いのに電話して、と反省するのです。 そして、以後、電話をするのは止めました。 長男猫の困惑ぶりが伝わってきましたので。

    今でも、あの時、通話口に出て来た時の可愛い声が耳に残っています。 少し鼻にかかったような声で短く、にゃ~、と啼く声が、何~?と訊いているようでした。 

    今は、もう外から電話しても出るものは誰も居ませんが、何度か、外から電話したことがあります。 着信音だけが聴こえるだけの家に。 

    もう一度、あの声を聴きたかったので。

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