2017.05.05 |暮らし    73

親の介護でYOUの発言が話題!「どこか施設に入って」に学ぶこと

 介護に詳しいケアタウン総合研究所の高室成幸さんは、この発言について、こう言う。

「自分で親を介護しなければという気持ちは立派です。しかし、ストレスを抱え込んで仕事との両立ができなくなり、離職をして介護専業を選ぶ人がいます。そうすると社会との接点がなくなり、今度は24時間介護に没頭するストレスに押しつぶされる悪循環に。介護によって経済的にも、精神的にも肉体的にも追い込まれてしまうことになります。だから、YOUさんのような発言はある意味当然のことともいえます」

子供は”介護の素人”。プロに任せることも必要

 前出・高室さんは「子供は“介護の素人”」と言う。

「いくら自分の家でも、建てるのは大工さんに任せますよね。それと同じように、介護もプロに学ぶ・任せることが大事です。素人流で介護をするとつい力任せになって腰や肩を痛めたり、食事の介助も無理やりになりがちです。介護事故につながると、親子ともども不幸になってしまいます。なので、介護が始まれば早めにプロから介護のアドバイスを受けたり、プロに介護を任せたりすることが必要です」

 実際、YOUの発言は「無責任」にされたものではない。介護のために仕事をセーブし、辞めざるをえなくなれば、親の面倒を見るどころか息子や自分の生活もおぼつかなくなり、二重苦に陥る。その事実を充分に踏まえたからこそ、早めに両親へと告げたのだろう。

 ただし、「プロに任せるため施設に入れる」という考えにも注意すべき点がある。

「まずは、『施設に入れる』というと丸投げのように聞こえてしまいますから、『施設に引っ越す』『施設のプロに介護を任せる』と考え方を変えてみてはどうでしょう。外観だけでなく、部屋の広さも本人らしい生活を再現できるように見劣りしないものが理想です。5か所以上の施設を事前に見学しておくとかなり目利きになれます。自分が住んでも心地よいか、が大切です」(高室さん)

 しかし、「施設に引っ越してもらう」には大きな経済的負担が生じる。数千万円を超えるような入居一時金と、20万円を超える月額利用料を支払える人は少ない。全員がYOUのように、施設に頼れるわけではないのが現実だ。

 一方、入居一時金がかからず、安価に介護サービスが受けられる特別養護老人ホームは全国に約9500か所あり、約57万人が暮らしているが、待機者は約36.6万人もおり、こちらも簡単には入れない。誰もが直面する問題だけに、制度や施設が充実し、経済的なハードルが下がることが期待される。

「ここ数年、サービス付き高齢者向け住宅や、介護付き有料老人ホームの料金は下がって入居しやすくなっています。同居や通いで介護をするなら訪問介護のヘルパーさんに食事や排泄、お風呂などの介助をしてもらいましょう。ポイントは『孤軍奮闘』はしないということ。これからはYOUさんのように、親の介護をプロに任せる、プロから学ぶといえる社会になるべきです」(高室さん)

※女性セブン2017年5月4日号

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  1. 佐久間 一夫 より:

    『数千万円を超えるような入居一時金と、20万円を超える月額利用料を支払える人は少ない。』 『少ない』ではなくほとんどの人でしょう。
    介護を営利(のみの)事業とみて施設を作る人が多すぎる。

    1+

  2. 三つ葉 より:

    今 70才の私ですが 夫や両親も送りましたが その上で ?敢えて言わせ貰うなら 矢張り 何をするにも 経済的余裕があればこそ ! これに尽きると思う。

    4+

  3. ME より:

    YOUはエライ!介護がどんなものかを知っておられるのでは?

    13+

  4. ME より:

    YOUはエライ!

    5+

  5. はな より:

    先日、母を送りました。介護は色々な物をこじらせます。人間関係とくに母方の親戚。金銭のこじれはお金が有る無しに関係なくこじれます。有れば有ったで相続問題、無ければ介護費用の問題。母方の親戚は手やお金は出さなくても口はこれでもかと言うほど出して来ます。施設に入れたいと言えば可哀想、オムツが濡れていれば可哀想、品数が少ない食事は可哀想、可哀想のオンパレードです。結局何をしても良く言われる事はありませんでした。姉妹が多いと尚更ですよ。お金を出してくれる必要は全くありませんが、働きながら先の見えない介護をしている人に難癖は付けて欲しくないし、手伝えないなら放っておいて欲しいのが本音でした。忙しい中、お茶菓子や手土産を用意する側の気持ちもわかって欲しかったし、難聴で認知症、寝たきりの母は一方的な会話を楽しめたのでしょうか?仕事と介護で気が休まらない時の無駄な下世話な雑談はストレス以外感じませんしイコール60代で動けなくなった母に怒りさえ感じさせてしまいます。訪問する側にもマナーは必要だと思います。介護する側はとにかく休みたいんですよ。心も身体も休みたい。私は出来るならピンピンコロリが理想です。子供に多くの事を背負わせたくないですね。

    30+

  6. 匿名 より:

    育児の多くは期間が予想できる。我が子の未来のためにというインセンティブも働くことが多いと思う。
    介護は期間が予測できない。人生100年時代となれば、親の介護だけでなく祖父母の介護も請け負わなければならない可能性すらある。
    人生の一定期間の子育ては親の義務だと思うが、100年も生きる親や祖父母の介護は子孫の義務だろうか?
    格差社会低賃金で自らの学資ローンを払いながら介護も期待される、子や孫世代の負担にも目を向けてほしい。

    20+

  7. イチロウ より:

    「数千万円を超えるような入居一時金と、20万円を超える月額利用料を支払える人」の発言に我々一般人がどのような感慨を持つのでしょうか。

    「ああ~! 羨ましい~!!」の一言です。

    実情を知らない一般の人達は、簡単に「施設に入れる」とか「施設に入る」とか言われますが、団塊の世代が未だ介護が要る状況では無い現在でも、数十万人の待機老人が居るのが実情です。 要するに「特別養護老人ホーム」には、容易に入れないのです。

    年金を月に三十万円以上貰い、資産が五千万から一億あれば別ですがね。 

    私の場合には、夏か冬のジャンボ宝くじでも中らない限り無理。 ピンピンコロリを目指し、介護が要るようになれば、動ける間に自殺しかありません。

    23+

  8. おばちゃん より:

    リフォームに迫られた事情もあり、父を騙すように老人ホームに連れて行き1年が経ちます。母が亡くなり要介護2となった父。頑固で扱いが難しい父に振り回される生活。主人や子どもに相談しても、どこか他人事。一人っ子の私の決断は冷たいものだったのか。最期は自宅。確かに気持ちは分かるけど、60歳を過ぎた娘夫婦の老後の楽しみをいつまで先延ばしとすべきか。親の最期まで付き合わない娘は人間として、間違いなのでしょうか。色々な親子関係はありますが、基本的に親は子に責任はあっても、子は親に責任はないのでは。

    38+

  9. 匿名 より:

    介護と育児を同列にはできないなぁー。
    単純な言葉で言うなら、こどもはズバリ小さくて可愛いし成長するし、体臭や便臭もキツくないし。(高齢者の「可愛さ」はまた別次元の話。)育児がラクとかはではないですよ。

    でもこの現在の社会では、やはり介護には育児とは別次元の大変さがあると思うし、施設やサービスは必須な選択肢だと思う。

    23+

  10. 匿名希望 より:

    なぜ「介護」ばかりを特別扱いするのですか?
    この記事の「介護」を全て「育児」に置き換えて読み直してみて下さい。
    世の中の親は、最初はみんな素人です。
    その「素人」が当たり前のように24・365で「育児」をしているんです。
    「育児」の為に家庭に入る人もいれば、育児ノイローゼになる人だっている。
    一体、何が違うんですか。
    「プロに任せれば良い・施設に入れれば良い」
    じゃあ、皆さんご自分のお子さんをそのようにしますか?
    「意思疎通が上手く出来ない」「言う事を聞いてくれない」
    それは、子供もお年を召した方も同じでは有りませんか?
    「子供」も「老人」も、等しく「人権」は有るんです。
    私は、育児も介護も両方経験致しました。
    「介護」とは、親に色々我儘を言い、迷惑を掛けながら育てて貰った分、今度は自分が親の我儘を聞き、最後の親子関係を作る場だと思います。
    「育児」も「介護」も、根本は同じ、育児は最初の、介護は最後の「親子関係の構築」です。
    やり方は、100世帯有れば100通りのやり方が有ると思います。
    だからこそ余計に、メディアが「介護」ばかりを、特別なもの、厄介なものとしてクローズアップしないで下さい。

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