2017.06.02 |サービス   

ケアマネ次第で介護は変わる!うまく付き合う5つのポイント

 東京―岩手と遠距離で、認知症の母の介護している工藤広伸さん。家族の目線で”気づいた””学んだ”数々の介護心得をブログや書籍などで公開。医者や専門家では、わからない介護家族のホンネに賛同の声は絶えない。当サイトのシリーズでも、工藤さんならではの視点で、さまざまな角度から介護について語ってもらう。今回のテーマは「ケアマネージャー」。介護が始まると、いわば司令塔役として、長くお世話になる存在だが、付き合い方に悩みを抱える家族も多いとか。工藤さんからのアドバイス、必見だ!

norwayblue150400012.jpg - portraits of geriatric care manager in different gesture with retirement house and application form document.

介護中頼りになる存在、ケアマネ。うまくコミュニケーションをとるには…(写真/アフロ)

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 介護家族にとってのケアマネージャー(以下、ケアマネ)は、最も身近で頼りになる介護のプロです。「何かあったら、まずケアマネに連絡する」と言うご家族も多く、コミュニケーションの頻度も高いです。

 一方で、ケアマネとの関係がうまくいかないと悩む介護者も多く、介護者の集いでも必ずと言っていいほど、ケアマネへの不満を言う人がいます。

 今日は、家族目線で考えるケアマネとの関係改善について、5つの視点でお話ししたいと思います。

1:家族が介護にどう関わるかを明確に伝える

 ケアマネは、「訪問看護」や「ショートステイ」、「福祉用具のレンタル」など、介護サービスを提供する事業者への橋渡しをしてくれます。橋渡しをするためには、介護されるご本人や家族の意思が必要で、それがないと橋渡しはできません。

 具体的には、【在宅で介護を行うのか】【施設に預けるのか】【誰が介護をメインでやっているのか】【お金の負担はどうするか】を決めておくということです。

 うちの場合は、主介護者が息子であるわたしで、認知症の母と遠く離れていても、在宅で介護したいという意思をケアマネに伝えました。その意思に基づいて、ケアマネはデイサービスへ通うことを提案してくれました。

 ケアマネからもヒアリングはありますが、「家族として、どう介護と関わるか」という意思をはっきりしておくことで、ケアマネも動きやすくなると思います。

2:ケアマネはサポーター。家族がメインと心得る

「ケアマネさんに、すべてお任せします」

 といって、家族の意思を示さない介護者もいますが、ケアマネは家族ではありません。忙しくとも、家族がメインで介護に参加するという意識を持ち、分からないことはケアマネにサポートしてもらうという姿勢でいることが、関係改善への一歩になると思います。

3:積極的or受け身、どちらもあり。家族の望む関わり方を伝える

 要介護者のために介護サービスを見直し、様子を何度も見に来てくれる積極的なケアマネもいれば、家族からのリクエストがないと動かない受け身のケアマネもいます。なんとなく前者の方がいいように思えるのですが、そうとも限りません。

 わたしは積極的なケアマネと相性がいいのですが、現状維持を望む家族にとっては、受け身のケアマネがいい場合もあります。

 先ほど、家族として意思を持つことが大切だと書きましたが、ケアマネにどう関わってほしいかという意思を伝えたほうが、より関係改善につながると思います。

 ちなみにわたしの場合は、自ら医療・介護職と会って情報を集めています。ケアマネ以上に積極的に動くため、ケアマネはあえて受け身を演じているのかもしれません。

4:1人のケアマネが担当する利用者の平均は25人。必要以上に連絡しない

 2016年の厚生労働省の調査によると、1人のケアマネが担当する利用者の平均人数は25人だそうです。各家庭に主介護者は1人いるわけですから、ケアマネは常に50人以上と連絡を取り合っていることになります。

 介護家族はどうしても、「わが家だけのケアマネ」と勘違いしてしまうのですが、たくさんのご家庭を同時見ています。ケアマネは「介護家族の共有の財産」とも言えるので、必要以上に連絡をしたりすると、他のご家庭にも迷惑がかかります。

 わたしは、母の様子や困っていることを、電話ではなく「文書」でケアマネに伝えるということをやっていた時期があります。これも、たくさんの担当を抱えていることを知ったからです。こういった小さな配慮も、関係改善へつながると思います。

5:勧められたサービスに疑問を感じたら理由をすぐ聞く

 担当ケアマネが、認知症の母のために紹介してくれたデイサービスに、わたしが見学に行った時のことです。とても静かなデイサービスで、80代後半の利用者がほとんどでした。介護職員が歌い始めても、利用者は静かに手を合わせるだけで、ほとんど反応がありませんでした。

 当時69歳で元気な母とこのデイは合わないだろうと思い、ケアマネに断りの電話を入れました。その時は、なぜこのデイサービスを紹介したのか理解できなかったのですが、後にケアマネが所属する事業所が運営するデイサービスだということが分かりました。

 ある一定の割合まで、自分が所属する事業所の系列を紹介してもいいことになっているのですが、それでも利用者に公正・中立であることをケアマネは求められます。要介護者に合わないサービスを勧められた時は、ケアマネにすぐ理由を聞いてみるといいです。わたしはすぐ確認しなかったため、1年くらい不信感を持ち後悔しました。
 

ケアマネとの関係が介護を大きく変える

「ケアマネ次第で、介護は大きく変わる」と、かかりつけ医はよく言います。介護仲間でも、ケアマネが変わってから介護が楽になったという人もいました。

 ケアマネとの関係をうまく構築することが、介護を楽にする一歩につながるとわたしは思います。まずはこういった視点で、ケアマネとの関係改善をしてみて、それでもだめならケアマネを変更する権利が家族にはあるので、変更してみてもいいかもしれません。

 今日もしれっと、しれっと。

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工藤広伸(くどうひろのぶ)

祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護1)のW遠距離介護。2013年3月に介護退職。同年11月、祖母死去。現在も東京と岩手を年間20往復、ブログを生業に介護を続ける息子介護作家・ブロガー。認知症サポーターで、成年後見人経験者、認知症介助士。 ブログ「40歳からの遠距離介護」運営(http://40kaigo.net/

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