2017.08.11 |暮らし

認知症介護 本当に役立つグッズの探し方とおすすめアイテム3

 盛岡に住む認知症の母を東京から遠距離で介護を続け、その記録をブログで公開している工藤広伸さん。最近では、音信不通だった父の介護も始まったという工藤さんが、息子の視点で”気づいた”“学んだ”数々の「介護心得」を紹介するシリーズの今回のテーマは、「介護役立ちアイテム」だ。意外なものも使い方次第で介護グッズになる!? 工藤さんの実体験にもとづくアイディアは必見だ!

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介護に役立つ意外な商品とは?(写真/アフロ)

 * * * 

 認知症介護を、楽にしてくれるグッズがあります。介護保険制度の中で、福祉用具のレンタルが可能ですが、今日ご紹介するグッズは介護保険制度とは関係なく、誰もが気軽に購入できるものです。

 まずその前に、役立つ介護グッズを探すコツをご紹介します。

検索では「介護 グッズ」と限定せず、広い視野で探してみる

 インターネットで介護の便利グッズを探すとき、「介護 グッズ」というキーワードで検索する方は多いと思います。そうすると、オムツや杖といった”一般的な”介護用品しか表示されません。

 わたしは「介護」とは入力せず「認知症介護で困っていること」を思い浮かべながら、Amazonのサイトを眺めたり、ホームセンターを歩いたりします。

 すると、「あっ、これ認知症介護に使えるかも!」と、ひらめくことが多いです。介護に限定しないで、広い視点で見ると便利なグッズは意外とあります。
 
 では、わたしが実際に使っているグッズ、これから役立ちそうなグッズを3つご紹介します。
 

最も使っているのは「ホワイトボード」

 わが家の認知症介護で一番利用しているグッズは、ホワイトボードです。台所にある冷蔵庫の扉に、マグネットでくっつけています。

 使い方はいろいろです。

●認知症の母の外出予定を書く(出発時間、行き先、外出理由)
●介護者であるわたしの予定を書く(帰宅時間、行き先)
●母が料理するための献立を書く
●今日、買い物をする予定の食材を書く

 などを、書くことが多いです。

 ノートを利用しているご家庭もあるようですが、ノートが閉じられた状態だと、母は開いて読もうとしません。なので、一目で見られるホワイトボードの方が、母に合っているようです。

 母が同じことを何度も言う場合も、冷蔵庫のホワイトボードを外して居間に持って行き、母が疑問や不安に思うことを、わたしが「分かりやすい文章で」書き示すこともあります。
 
 例えば、翌日歯医者の予定があったとします。母は「明日、何か予定がある」ということは理解できるようですが、時間や目的、行き先が覚えられません。それでわたしに何度も質問してくるので、
 
「10:30出発 虫歯治療のため、A歯科へ(1週間ぶり)」
 
 とホワイトボードに書き、質問されるたびにボードを母に見せています。何度も同じ回答を口頭ですると疲れてくるので、この方法を用いると楽になります。

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工藤家で実際に使用しているホワイトボード

注意喚起の張り紙は「ラミネート加工」する

 認知症の人にお薬を飲んでもらったり、電気を消して欲しかったり、電化製品の注意喚起をしたりするとき、「張り紙」をするご家庭は多いと思います。

 うちも、使用済みの尿パッドを捨て忘れ、洗濯機で洗ってしまったことが何度もありました。そこで「張り紙」を洗濯機近くの見えるところに貼ったのですが、母はすぐはがしてしまいました。

 また、炊飯器の釜にご飯を入れたまま、電子レンジで温めることが多くなりました。火花が出て火事の原因になることが分かったので、「炊飯器の釜を電子レンジで温めると火事になるよ」という「張り紙」をしたら、やはりすぐはがしてしまいました。母は自分で理解したつもりになり、それではがしてしまうのです。

 そこで「張り紙」をラミネート加工(紙などを保護するために、透明なプラスチックを貼り合わせる加工をすること)してみました。すると、母は、張り紙をはがすことがなくなり、釜をレンジで温めることを止めました。

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工藤家の台所に貼ってあるラミネート加工された張り紙

 加工をしたことで、ただの紙とは違う、診察券のような高級感が出て、簡単には捨てられないという気持ちが働いているようです。
 
 ホワイトボードと違って、ラミネートは書き直すことができません。なので、以下のようなことを注意して作成しています。
 
●カラーで印刷
●分かりやすくイラストも入れる
●きちんとした文章で

蚊取り対策の新兵器!? 薬剤を使わず蚊を取る『ウェル蚊ム』

 皆さんは、蚊の対策はどのようにされていますか?

 昔からある蚊取り線香は、なじみがあるので認知症の人には、いいと思うのですが、火を使うので心配です。

 電気式のリキッド蚊取り器もありますが、狭い部屋や閉めきった部屋だと換気が必要になり、うちのように一人暮らしの場合はなんとなく心配です。線香や薬剤がなくなった時の交換も、母は自分ではやりません。
 
 2017年7月発売の『ウェル蚊ム』(販売元:サンコー)は、本体内部にある誘蛾灯に蚊がおびき寄せられ、ファンで吸い込むという仕組みです。薬剤や殺虫剤、火を使わないという点で安心の商品です。周囲の明るさを検知して、自動でON・OFFをする機能もついているので、電源の消し忘れの心配もありません。
 
 認知症の人はかゆみがあっても、うまく言葉で伝えられないことがあります。周辺症状(例えば暴言や暴力)の原因が、かゆみによるものということもあるようです。 
 
 皆さんなら、かゆみ止めを塗ると思うのですが、認知症の人が対応できずにかきむしったり、怒ったりする可能性もあります。蚊自体を安全にやっつけて、かゆみの原因を元から断ってみてはいかがでしょうか?
 
 今日もしれっと、しれっと。
 

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工藤広伸(くどうひろのぶ)

祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護1)のW遠距離介護。2013年3月に介護退職。同年11月、祖母死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を続ける介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士、ものがたり診療所もりおか地域医療推進室非常勤。ブログ「40歳からの遠距離介護」運営(http://40kaigo.net/

 

 

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