2017.08.23 |ヘルス   

パーキンソン病にもつながりが…「腸活」が一大ブームに

「腸内細菌とパーキンソン病のつながりが明らかに」。2017年2月、アメリカの医学誌に発表された研究内容が話題を呼んでいる。脳の異常のため、体の動きに障害が現れるパーキンソン病は、いまだに原因が解明されておらず、“不治の病”と認識されていた。

 しかし今回、初期症状として便秘を訴える患者が多いことに着目し、パーキンソン病患者と健常者の腸内環境を比べて分析。すると腸内細菌の数や種類に違いが認められたうえ、薬や有害物質への代謝反応にも違いがあることがわかった。

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日和見菌を味方につけて善玉菌の強化を(写真/アフロ)

腸の働きに注目が…

 近年、こうした腸と病気の関係性を示す調査が次々と発表され、腸の知られざる働きが、今かつてないほど注目を集めている。おおたけ消化器内科クリニックの大竹真一郎院長が解説する。

「動物が生きていくためにはエネルギーが必要です。腸は私たちが食べたものを分解して消化し、エネルギーにして吸収する、なくてはならない臓器です。脳のない動物はいても腸のない動物はいません。最近は研究が進んで、単なる消化吸収を担うだけでなく、腸内細菌のバランスが崩れると病気にかかりやすいなどの関係性がわかってきました」

 人間の腸内には、200種類以上、100~1000兆個もの細菌がすんでいるといわれている。これら細菌のバランスをうまく保つことで、病気を遠ざけることができるといわれている。便秘外来の名医でもある順天堂大学医学部の小林弘幸教授が解説する。

「腸内細菌は大きく分けて、“善玉菌”“悪玉菌”。そして、2つの菌の強い方に加勢する“日和見菌”の3つに分けられます。その比率は大体2:1:7。便秘などで腸内環境が悪くなると、善玉菌の力が弱まって日和見菌は悪玉菌を助ける働きをします。すると体にさまざまな不調をもたらしてしまい、大きな病気につながる恐れがあります。一方、腸内環境がよければ、日和見菌は善玉菌を支える働きをし、全身の健康につながります」

腸内環境を整える「腸活」関連の本も続々

 この善玉菌を強化し、正常な腸内環境を保って健康な体を手に入れることは「腸活」と呼ばれ、関連本が多数出版されるなど、一大ブームとなっている。

「“腸活”といっても特別なことをする必要はありません。食事やライフスタイルを少し変えて内側から腸を鍛えるとともに、軽いエクササイズや運動で外側から鍛えることを実践すればいいのです。腸活で腸を健康にすれば、便秘が改善されるだけでなく、免疫力も高まり、病気のリスクも減らすことができます」(小林教授)

腸活の基本は食事と運動。冷えは大敵

 基本は食事と運動。腸が好む食べ物を積極的に食べて善玉菌を活性化させる。そして、運動によって、消化した食べ物を腸の中から便として体外へ排出させる「ぜん動運動」をスムーズにすることが、健康な腸への近道だ。

「朝起きたときの水分の摂り方や、食物繊維や発酵食品を積極的に摂るなど、食べ物の選び方を変えましょう。また、なるべく階段を使って移動して、腸に刺激を与えるのもいい。普段の生活を少し見直すだけで、腸内環境は大きく変わっていきます」(小林教授)

 一方で腸の敵となるのが冷えである。腸が冷えると、自律神経の交感神経が緊張してぜん動運動を抑制してしまう。腸機能が低下すれば、当然、便秘がちになるなど、体は不調になりやすい。

 適度な運動が腸に好影響を与えると先に述べたが、反対に座りっぱなしの生活は厳禁だ。特に年を重ねるとともに外出の機会が減り、自宅の居間でずっとテレビを見ている人も少なくないだろう。その生活を続けると腸の動きは停滞してしまう。

※女性セブン2017年8月24・31日号

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