2017.09.07 |ヘルス

歯周病、ほうれい線にも役立つ「ごま油うがい」~家庭にある調味料でアーユルヴェーダ<2>

 インドで5000年前から広く使われてきた伝承医療「アーユルヴェーダ」。西洋医学とも東洋医学とも違ったユニークな考え方にもとづき、さまざまな療法が伝えられ、インドでは現在も医療に用いられている。ミライプロジェクト(本社:東京都渋谷区)が、『TOKYO Beauty & Care アカデミーの短期講座』として開講したワンデイレッスン『高齢者介護とアーユルヴェーダ~台所調味料でできる家庭の介護ケア~』で紹介されたその療法のひとつに、『ごま油うがい』がある。

 * * *

老化は病のひとつ。だから予防できる

「アーユルヴェーダでは健康で幸せ、つまり健幸であれば、人間は120歳まで生きられると考えられています。また、老化は病のひとつであるため、病気の予防と同じように、老化の予防も可能という考え方です」

 こう話すのは、インドの医療法人でアーユルヴェーダを学び、高齢者ケアなどに活用しているアーユルヴェーダ ビューティカレッジ代表の新倉亜希さん。

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「高齢者介護とアーユルヴェーダ」セミナーで講師を務める新倉さん

 健康かどうかの指針となるのは、視覚・味覚・聴覚・嗅覚・触覚の“五感”。五感の衰えは老化につながるため、老化予防、つまりアンチエイジングには五感のケアが必須だという。

「老化は30歳で始まると言われます。インドでは30歳を節目に五感ケアを始めるんですよ」(新倉さん、以下「」内同)

 ごま油を使って味覚の衰えを予防

 日々の生活のなかで、もっとも身近な楽しみが食事。食事がおいしいと、それだけで幸せを感じる。しかし高齢になると味覚が衰え、何を食べても味気ないという人も。

「舌を鏡で見ると、表面に白い苔(こけ)のようなものがこびりついていませんか? これが舌苔(ぜったい)。アーユルヴェーダでは、高齢になると消化力が落ちてきて、食べたものが消化できずに毒素になって体内に滞ってしまうと考えられています。その毒素が、寝ている間に舌にこびりついて舌苔となるため、味を感じにくくなるのです。

 体の毒素は粘着力のある油でできているので、それを溶かして除去するのには油が有効です」

 ここで登場するのが、前回マッサージでも使用した「太白ごま油」。

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太白ごま油は小鍋などに入れて100℃まで加熱し、冷ましてから使用する

「ごま油は骨だけでなく、歯や歯ぐきを丈夫にするため、歯周病(歯槽膿漏)の予防に有効です。歯が抜けると認知症のリスクが高くなると言われていますので、『ごま油うがい』は認知症対策のひとつとも言えると思います」

 口まわりの筋トレにもなる「ごま油うがい」のやり方

【1】キュアリング(※1)したごま油を、小さめの紙コップに2cmほど注ぎ、口に含む。

【2】それを3分間、グチュ、グチュと音が出るほど勢いをつけ、左右の頬に移動させ続ける。

 最初は重い感触だったごま油が唾液と混ざり合い、1分半ほどたつと次第に軽い感触に変わってくる。それでも普段はこんなに頬を動かすことがないため、だんだん顔の筋肉が疲れてくる。

【3】3分たったところでごま油を紙コップに吐き出す。

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セミナー参加者もはじめてのごま油うがいの感触を真剣に味わう

 やってみると、口の中は意外にさっぱりとして、今まで油を入れていたとは思えないほどのすっきり感だ。 

「吐き出したものを観察してみてください。毒素がたまっていたときは、白っぽいカスのようなものが浮いていたり、灰色ににごったりすることがあります。汚れが取れると味覚がよみがえり、食事の味わいが増します。また、素材の味がわかるようになるので薄味でもおいしく食べられます。声が出やすくなったり、若返ったりする人もいます」

 若い人の場合、疲れて体力が落ちているときや食べ過ぎた翌日に毒素が多く出るとのこと。また、ほおやあごを大きく動かすことで、顔の筋肉が鍛えられてほうれい線が薄くなる効果もあるという。

「家庭にある調味料でアーユルヴェーダ」<3>は、「スパイスうがいで口臭対策」をご紹介します。

※1 キュアリング:太白ごま油は抗酸化作用を高めるため、小さな鍋などに入れ、100℃まで加熱した後、常温に戻してから使用する。

→このシリーズのバックナンバー

関節痛や床ずれ対策に!~家庭にある調味料でアーユルヴェーダ<1>

監修:新倉 亜希

アーユルヴェーダビューティカレッジ 代、日本アンチエイジング&ヘルスデザイン協会(JAH)代表理事、内閣府認定 アーユルヴェーダ協会 理事、一般社団法人 国家ビジョン研究会 農業・食料問題分科会 研究員。
インド・ジャイプールにある医療法人Chakrapani Ayurveda Clinic & Research Centerにてアーユルヴェーダ医師のもとで修行をし、現在では特に高齢者支援、アンチエイジング、妊活、育児、メンタルケア、教育にアーユルヴェーダを取り入れたメソッドなどに取り組んでいる。

【協力】
株式会社ミライプロジェクト http://www.mirapro.net/

撮影/津野貴生 取材・文/市原淳子

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