2017.11.10 |暮らし   

葬儀費用、当初の金額から50万円も増えちゃう理由

Q 葬儀費用の平均はいくらくらい?

【1】100万円
【2】200万円
【3】300万円

 人が亡くなったときにも、それなりのお金がかかります。一般的には、標準的な葬儀費用は約196万円(日本消費者協会「第11回『葬儀についてのアンケート調査』報告書より)。よって、正解は【2】の200万円でした。

 とはいえ、現役の働き盛りの人が亡くなった場合と、退職してしばらくたった高齢の方が亡くなった場合では、弔問客の数が違うので、金額も変わってきます。最近は、通夜を行わない1日葬や、身内だけで葬儀を行う家族葬など、シンプルにすませる風潮も強くなっています。

 葬儀を行わなかったり、家族葬にして一般の弔問客を受け付けないご遺族もいます。しかし、葬儀は何らかの形で行いたいと考える人は少なくないでしょう。対応が大変だからと自宅への弔問を減らしたいのならなおさら葬儀は必要ですし、また、葬儀は遺族の気持ちの節目にもなります。

 葬儀をするとなるとまず、どこに依頼すべきかという問題があります。亡くなったのが病院であろうが自宅であろうが、ご遺体の管理は葬儀関連の業者が行うことになります。あらかじめ葬儀社を決めておき、亡くなったらご遺体を運び、きちんと管理してもらえるように手配しておいたほうがいいでしょう。

 最近では、時間があるときに葬儀社を冷静に選んでおくべきだという考え方が広まってきました。事前に複数の葬儀社で見積もりを出してもらい、比較して選ぶのが理想です。金額だけでは判断できないことも葬儀ではたびたび起こるため、可能ならば実際に面会し、話してみて葬儀社の人柄を確認してみられればなお安心です。

 夫が亡くなった場合、妻だけが仕切るより息子など子どもたちも協力したほうがいいし、親が亡くなった場合は息子や娘だけが仕切るより婿や嫁が加わったほうが、冷静にいろいろなことを判断できる傾向があります。優れた葬儀社は、このような人間関係も丁寧に調整しながら対応してくれるでしょう。

葬儀費用の平均はいくらくらい?

 葬儀費用は、あとからオプションで請求されることに注意しなければなりません。最初の説明の段階で、基本セットのプランに含まれているものと、オプションになるものの範囲を把握しておいて、オプションの明細も提示してもらうとよいでしょう。

 カタログの写真に出ているものは、基本料金の中に含まれていますが、それとは別に棺桶代、霊柩車代、骨壺代、通夜や葬儀のあとの飲食代など細々したものは別に請求される場合も少なくありません。気持ちが落ち着かず慌ただしい中で決めるので、なかなか把握するのが難しいところです。「だいたいそれでいいです」などと、いい加減に決めるとあとでトラブルになることもあります。悪徳な業者ほどオプションでとるものが多く、当初決めたはずの金額から50万円くらい増えてしまうこともありますから、注意が必要です。

 住職にお布施以外にお車代を渡す、火葬場で担当者にお礼としてお金を包んで渡すなど、葬儀にはお金が関わる慣例も存在します。現金が必要な場合も多いので、ある程度は現金の準備をしておくと安心です。

 葬儀の際のお布施は、一般的には金額が決まっているものではありません。そもそもお布施とは、お経の代金などといったサービスの提供料金ではなく、遺族(檀家)側ができる精一杯をお渡しするという意味のものでした。戒名料についても、本来は費用が決まっているわけではありません。しかし実際は、位によって金額に違いがあり、高い方でいくら、こちらでいくらとお寺が提示してくることもありますし、金額を尋ねることで話し合いながら金額が決まっていくことも多いでしょう。

 先祖代々のお墓がある場合は、お墓の利用契約がどうなっているのかをお寺に確認しておくといいでしょう。これまでは、菩提寺と檀家という関係の中で、契約などということはなく、檀家が折々にお布施をしてお寺を支えてきたという歴史がありました。現在はその関係が大きく変わりつつあるため、改めて確認しておくことも必要です。

 従来と変わらずお布施で、というお寺もありますし、またきちんと契約内容を明示しているお寺もあります。それも、最初に払ったお金の中に管理料も含まれているとか、月々もしくは年間いくらと管理料がかかる、あるいは、この先何人お墓に入っても費用は発生しないなどと、さまざまな契約の仕方があります。

 お墓がない場合は、買わなければならないという人もいますし、不要だという人もいます。また、今の時代は菩提寺を持たない人も増えています。檀家としてお寺と関係を持つのではなく、霊園と契約をするわけです。身内が亡くなったあとにお墓をどうするか、ということも一度は考えておきたいものです。

 少子化も進行しているので、今後は必ず子どもがお墓を継いでくれるとは限りません。伯父伯母や叔父叔母のご遺骨やお墓の管理を任されることになる次世代も増えてくるでしょう。長い期間、お金がかかることもあり、血縁が途絶えた場合に先祖の墓をどうするのか、ということも問題です。お墓については、自分が死んだ後も、数十年先まで見越してどうするかを決める必要があります。

【まずやってみたいこと】 事前に依頼する葬儀社を決めておこう。できれば、料金だけではなく、葬儀社の人柄も確認したい。

アドバイス:志村直隆(ファイナンシャルプランナー/がん治療コンサルタント/2017 MDRT終身会員)

取材・構成:生島典子(フリーライター) イラスト:とげとげ。

初出:まなナビ

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