2017.09.08 |暮らし

徘徊対策グッズ購入する際のポイント3つとオススメ最新情報

 盛岡に住む認知症の母を東京から遠距離で介護を続け、その記録をブログで公開している工藤広伸さん。最近では、母とは別に暮らす父の介護も始まった。工藤さんが、息子の視点で”気づいた”“学んだ”数々の「介護心得」を紹介するシリーズの今回のテーマは、「徘徊対策グッズ」。

 認知症の症状の一つ、「徘徊」に頭を悩ます家族も多いはず。対策グッズを探す際に、気をつけたいポイントとは何だろう。工藤さんの経験に基づくアドバイス、必見だ!

gonshi4545150900030.jpg - an old man wandering

心配な徘徊対策に役立つグッズを探す時のチェックポイントとは(イラスト/アフロ)

 * * * 

 認知症等が理由で、行方不明になった人の数は15,482人(2017年警察庁発表)。年々増え続ける行方不明者を、警察や地域住民の力だけで見守るにも限界があります。

 認知症の人の徘徊対策として、介護する家族は、玄関に鍵をかけたり、疲れるまで一緒に歩くのに付き合ったりしているという話を聞きますが、万全でないのが現状です。

 そんな家族の負担を軽減してくれる徘徊対策グッズも増え、種類も豊富になってきました。今回は、徘徊対策グッズを購入する際に気をつけるべき3つのポイントとわたしが今注目している見守りサービスについてお話しします。

【1】認知症の人が「違和感なく」身に着けられるか

 まず、認知症の人が徘徊対策グッズを身に着けられるか、忘れずに持ち歩くことができるかをチェックする必要があります。

 一番手軽で真っ先に思いつくのが、携帯電話のGPS機能ではないでしょうか。わたしも認知症の母に、携帯電話を持たせれば、居場所を特定できると最初は思いました。しかし、母は、携帯電話を持つという習慣がそもそもなかったので、家に置きっぱなしで役に立ちませんでした。携帯電話ですら持ち歩かないのですから、新しくGPS端末を購入したとしても持ち歩くはずがありません。

 GPS端末を靴に入れるタイプもあります。その靴を履いて外出すれば、必ずGPSが装着されるでしょうが、サンダルやスリッパで外出する場合もあります。また、新しく購入したGPS専用の靴は、認知症の人にとって見慣れない靴になるので、履いてもらえない可能性もあるかもしれません。
 
 認知症の人の違和感をいかに取り除くかが、検討すべき1つ目のポイントになります。

【2】バッテリー切れの心配はないか

 2つ目に、バッテリーを使うタイプの徘徊対策グッズは、バッテリーの持ち時間ができるだけ長いほうがいいと思います。充電が切れてしまって居場所を特定できないようでは、いざという時に困りますよね。また、充電回数は少ないほうが、介護者の負担が減ります。

 母は携帯電話を持ち歩かないうえに、充電するのを忘れます。そのため携帯の電源が切れてしまい、結局、固定電話に連絡することがよくあります。充電をあまりしなくて済むGPS端末や、バッテリー切れになる前に通知をしてくれる機能がある端末が使い勝手がいいと思います。

 徘徊対策グッズを購入する際は、バッテリーの持ち時間のチェックをしてみてください。

【3】介護者が負担できる価格か

 家族の安全については、背に腹はかえられないので、徘徊対策グッズには、ついついお金をかけてしまいがちだと思いますが、やはり費用のチェックが必要です。何年にもわたって、そのグッズを利用する可能性もありますので、初期投資額のみならず、毎月かかる費用など、長期で介護者が負担できる金額か確認することが大切ですね。
 
 以上の3つのポイント、これらをクリアしている徘徊対策グッズをなかなか見つけられなかったのですが、つい最近始まったとあるサービスがこれらのポイントをクリアしていました。

注目のALSOKの「みまもりタグ」

 今、わたしは、2017年夏からALSOKが開始したサービス「みまもりタグ」に注目しています。

 この「みまもりタグ」は、縦2.9×横5.65×厚さ1.1cm、重さ約14gと超小型で超軽量です。認知症の人が愛用しているカバンにつけたり、いつも着ている服に取り付けたりできるので、装着の違和感がありません。また、消費電力が小さいので、1年以上電池を交換する必要がありませんし、電池切れの前に通知も来ます。

 お値段もタグ自体は2,200円(税別)、月額250円(税別)と手ごろな価格設定になっています。

 他にも、認知症の人が徘徊した際に家族にメールで通知するサービスや、そのタイミングでALSOKの駆けつけ要請ができるというサービスもあります。一部ですが、介護保険適用になるオプションなどもあります。

無料のアプリをダウンロード、誰でも見守りに参加できる

 このサービスの一番のポイントは、無料でダウンロードできる「みまもりタグアプリ」です。スマートフォンにこのアプリをダウンロードした人(ボランティア)が、「みまもりタグ」をつけて徘徊している認知症の人とすれ違うと、位置データがサーバーに送られます。困った家族がそのサーバーにアクセスすると、位置情報が得られるというシステムです。

 スマホを持ち歩くだけで、認知症の人の見守りに参加できるという優れものです。しかし、サービスが始まったばかりで、ボランティアの数が足りません。東京都内はボランティア数が比較的多いのですが、母が住む岩手県は、ほとんどボランティアがおらず、地域の格差もあります。

 現在、国土交通省のモデル事業として、東京、埼玉、茨城、神奈川、奈良、福岡など10か所の市町村でこの「みまもりタグ」が無料配布され、見守りネットワークを構築しています。

 このサービスが、もっと広がればいいと願っています。まずは「みまもりタグアプリ」をダウンロードして、社会貢献に参加してみませんか?

 今日もしれっと、しれっと。

【データ】
ALSOK「みまもりタグ」公式サイト https://www.alsok.co.jp/person/mimamoritag/

【お知らせ】
工藤広伸さんがラジオに出演されました!
2017年8月13日(日)放送分 ニッポン放送「ウィークエンド・ケアタイム『ひだまりハウス』~うつ病・認知症について語ろう」を無料で聴くことができます。
https://soundcloud.com/shovel_jolf/170813hidamari
 

このシリーズのバックナンバーを読む

【人気の記事】

●認知症の人が同じ物をいくつも買ってしまった場合の対処法

●認知症介護 本当に役立つグッズの探し方とおすすめアイテム3

●わたしが「病院ではなく在宅で父を看取る」と決めた理由

●認知症の人のプライド あるある4タイプとその対処法とは?

●安心して介護するために! オススメの最新「見守り」ツール

工藤広伸(くどうひろのぶ)

祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護1)のW遠距離介護。2013年3月に介護退職。同年11月、祖母死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を続ける介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士、ものがたり診療所もりおか地域医療推進室非常勤。ブログ「40歳からの遠距離介護」運営(http://40kaigo.net/

 

この記事が役に立ったらシェアしよう

  • facebook
  • twitter
  • google
  • b

▶コメント

※編集部で不適切と判断されたコメントに関しては、削除させていただきます。ご了承ください。