2017.12.06   

毎日食べたい10品目は?3点未満は認知症リスクUP

 健康と要介護の中間的な状態がフレイル。東京都健康長寿医療センターによる追跡調査で、フレイルの人は健康な人に比べて早期に要介護状態へと移行してしまうことが11月中旬に発表された。予防には速筋線維を鍛えることが重要だが、もう一つ忘れてはならないのが栄養だ。

 次の10品目で毎日必ず食べているものは?

 フレイルとは、健康と要介護の中間的な状態で、年とともに筋肉量が減り、体重も減ってきて、疲労感も増し、歩くのも遅くなって、全体に活動度が低下してくることをいう(「メタボより深刻なフレイル。5年で半数が要介護状態に」参照)。

 放置していると、数年のうちに要介護状態へと移行してしまう。これを食い止めるには、年をとると細くなる速筋線維を鍛えることが重要だが(「速筋鍛えて老化阻止。タダで効果的で超簡単な運動は」)、それとともに栄養にも気を配らなければならない

 日本女子大学准教授で運動生理学・健康科学を専門としている佐々木一茂先生は同大学公開講座の「フレイルを知る・予防する・改善する」で受講生に質問をした。

次の10品目の中で、毎日必ず食べるものには1点、毎日は食べないというものには0点を入れてください。何点になりますか?


魚介類

大豆・大豆製品
牛乳・乳製品
緑黄色野菜
海藻類

果物
油を使った料理

 合計6点以上の人は、3点未満の人に比べて筋肉量や筋力が高く、認知症にもなりにくいことを示唆する研究結果があります。食事は量より多様性が大事です。炭水化物が多めになると、どうしてもおかずが減って、合計得点が下がる傾向にあります。ご飯が好きな方は、お味噌汁の具を増やすなど、細かく食材の数を増やす工夫が大切になります」(佐々木先生。以下「」内同)

血清アルブミン値が低いと生存率が落ちる

 東京都健康長寿医療センターによる在宅高齢者1048人を対象とした8年にわたる追跡調査によれば、血清アルブミン値の低い人は、高い人に比べて、死亡率が約2になっていたという。

 血清アルブミンとは、血液中に多量にあるタンパク質で、栄養や代謝物質を運んだり、浸透圧を維持したりする働きがあり、栄養状態の指標とされるものだ。肉や魚などのタンパク質をきちんと食べていれば、この値が低くなることはまずない。

 では、タンパク質を取れば取るほど寿命が延びるのかというとそうではない。この追跡調査では、血清アルブミン値の低い人だけがぬきんでて生存率が低い一方で、やや低い人、やや高い人、高い人の間では、ほとんど生存率が変わらなかった。つまり栄養は不足させないことが大事で、必要以上にたくさん取ってもあまり意味がないのである。

 それと同じことが血中総コレステロール値と生存率の関係からもいえる。コレステロール値の低い人だけが8年後の生存率が低く、やや低い人、やや高い人、高い人の間では生存率がほとんど変わらないという。

「高齢期では、肥満より痩せの方が問題になりやすい」と佐々木先生が言うように、痩せていて、血清アルブミン値も血中コレステロール値も低い人は寿命が短い傾向にある

毎日続けたい3つの習慣

 栄養状態が悪いと、結果的に筋肉が落ち、体重が減り、さらには活動量も減ってフレイルが進行してしまう。そこで佐々木先生が推奨するのが、次の3つを日課として行うことだ。

毎日、体重を計る
毎日、活動量を計る(万歩計やスマホなどで)
毎日、1回は階段を上る

「毎日体重や活動量を計ってどうするのか、と思われるでしょうが、まずは計るだけでよいのです。昨日より体重が減っている、とか、昨日より動いてないな、とかそういうことに気づくだけで無意識のうちに人間は行動を調節しようとします。

 群馬県中之条町で行われている調査では、活動量計を常時携帯している人の医療費は、そうでない人よりも低く推移しているという結果が出ています。活動量計はつけただけで意識が変わり、1日に2000歩くらい歩く量が増える、といわれているほどです。

 また、速筋線維を鍛えるために毎日1フロアだけでもよいので階段を上りましょう。スクワットと同じ効果があります。

 これからの季節は、お風呂に入る直前に1分でもよいのでレジスタンス運動(筋トレ)をするといいですよ。体が温まるので、急激な温度変化で血圧や脈拍が変動するヒートショックが起きにくくなります。レジスタンス運動はほんの少しの時間でもできるので、入浴以外でも例えば食事のように、毎日必ず行うこととセットにすると続きやすくなります。

 運動と栄養、この二つを意識してフレイルを予防・改善しましょう」

 こうして読むだけでもタメになるが、できれば公開講座などに足を運んで実際に聴いてほしい。周りの人の質問なども参考になるし、疑問があれば直接聞けるからだ。何より外に出て活動するよい機会となる。そしてその時、必ず活動量を計って、階段があったら1フロアでよいから上ろう。そこから健康な生活が始まる。

教えてくれたのは

佐々木一茂/ささき・かずしげ 日本女子大学家政学部被服学科准教授
立教大学社会学部卒業。筑波大学大学院体育研究科、東京大学大学院総合文化研究科修了、博士(学術)。専門は運動生理学、健康科学。最近は特に女性の健康・体力づくりを中心に幅広く研究している。

◆取材講座:『フレイルを知る・予防する・改善する』(日本女子大学公開講座)

取材・文・写真/まなナビ編集室(土肥元子) 写真aijiro/fotolia

初出:まなナビ

コメントが付けられるようになりました▼

この記事が役に立ったらシェアしよう

  •  

▶コメント

※編集部で不適切と判断されたコメントは削除いたします。
※寄せられたコメントは、当サイト内の記事中で掲載する可能性がございます。予めご了承ください。