2017.12.17   

認知症リスク、片足立ち何秒以下だったら要注意?

Q 両目を開けたまま片足で立ってみてください。これを「開眼片足立ち」といい、立っていられる時間で認知症のリスクを予測できます。次のうち、何秒以下の人は要注意でしょう?

A 30秒以下
B 20秒以下
C 10秒以下 

 開眼片足立ちできる秒数は、平衡感覚を知る目安になります。健康な中高年(平均年齢67歳)1,357人を対象にした調査では、20秒以下の人は、自覚症状がなくても、脳血管疾患や認知機能低下のリスクが高いという結果が出ました。答えはBです。

 なぜ平衡感覚のよしあしが認知機能の低下を予測する指標になるのでしょうか?

 体のバランスをとるために、大きな役割を果たしているのが視覚です。目から入ってくる情報を元に位置や方向など立体的に空間をとらえる力、視空間認知の能力です。そのため、認知機能が落ちるとともに、バランスもとりにくくなります。その意味で、平衡感覚の低下は認知症の要注意サインとも言えるのです。開眼片足立ちテストはMCI(軽度認知障害)の発見にも役に立ちます。

 では、あなたの平衡感覚をチェックしてみましょう。図のように両目を開けたまま片足で立ちます。両手を広げてバランスをとってもかまいません。足が床についたり、手が壁などに触れたらアウトです。

認知症、ならないために

 評価は次の5段階です。

1)〜15秒
2)15.1〜30秒
3)30.1〜84秒
4)84.1秒から120秒
5)120秒〜

 なお、年代別の平均タイムは次の通り。

〔40代〕142.8秒
〔50代〕124.4秒
〔60代〕100.7秒

 もし自分のタイムが上の年代別平均より低かったら、平衡感覚トレーニングを取り入れましょう。また20秒以下だった人は、脳血管疾患の可能性もあるので、一度診察を受けることをおすすめします。

 なお、平衡感覚を鍛えることが、認知機能を高めることにつながるかどうかは、まだわかっていません。しかし、少なくとも平衡感覚を鍛えておくことで、転倒を予防することはできます。転倒がきっかけで寝たきりになり、それが認知機能の低下を招くおそれは少なくありません。平衡感覚を保つことは認知症予防の一助になるのです。

(平衡感覚を鍛えるトレーニング)

認知症、ならないために

(1)両手を腰に置き、まっすぐ立つ
(2)ゆっくり大きく片足を前に踏み出す
(3)腰を太ももが水平になるくらいまで落としたら、体を引き上げて、最初の体勢に戻る


※認知機能の低下が見られるものの病的ではない、グレーゾーンの状態であるMCI。認知症は防げないといわれてきましたが、MCIの段階で正しく対処すれば、認知症へ進行するのを防げる可能性があります。

■監修■朝田隆(東京医科歯科大学脳統合機能研究センター認知症研究部門特任教授/メモリークリニックお茶の水理事長)
あさだ・たかし 1955年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。同大学神経科精神科、山梨医科大精神神経科、国立精神神経センター武蔵野病院精神科、筑波大学精神医学教授などを経て現職。認知症の早期診断法や予防、リハビリに携わり、MCIの啓蒙活動を積極的に行っている。

文/佐藤恵菜 イラスト/みやしたゆみ

初出:まなナビ

コメントが付けられるようになりました▼

この記事が役に立ったらシェアしよう

  •  

▶コメント

※編集部で不適切と判断されたコメントは削除いたします。
※寄せられたコメントは、当サイト内の記事中で掲載する可能性がございます。予めご了承ください。