2018.01.14   

認知症予防にいいのは、牛肉?低糖質?地中海食?

Q 認知症予防に効果があると考えられる食事は、次のうちどれでしょう?

A 牛肉をたくさん食べる
B 低糖質メニューを中心にする
C 地中海食を意識する

 認知症にはふだんの食生活習慣が大きく影響します。バランスの取れた食生活は、だれにでもできる有効な認知症予防策です。予防効果が期待できる食生活のモデルは「地中海食」。

 答えはCです。

 地中海食に厳密な定義があるわけではありませんが、ギリシャや南イタリア、南フランス、スペインなど地中海に面した沿岸の国々で食されている料理のことです。

 食材の特徴は、炭水化物のメインは全粒粉のパンやイモ、たっぷりの野菜、豆やナッツ類、果物、ヨーグルト。ふだん使いの油はオリーブオイルです。これら食材の組み合わせに長所があり、個別にどの食材が認知症予防に効果的というわけではありません。

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 糖尿病患者の食事療法として、地中海食、低脂肪食、糖質制限の3グループに分け、ダイエット効果を調べた研究があります。それによると、もっとも体重を減らせたのは糖質制限グループで、次が地中海食でした。

 しかし糖質制限はリバウンド率が高く、最終的に地中海食グループの数値とほぼ同じになりました。リバウンドがなく食事療法としてもっとも継続しやすかったのが地中海食でした。

 ダイエットは単に体重を減らすだけでなく、血管系の疾患を予防する効果があります。血管を健康に保つことが高血圧や脳梗塞の予防につながり、これが認知症、さらにはMCI(軽度認知障害)の予防につながります。
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 地中海食はイタリア料理やフランス料理に限りません。ベースになる食材に和食のと共通点が多いので、普段の食生活に地中海食のエッセンスを取り入れるのは比較的簡単。

 たとえば朝食にヨーグルトを1つ追加します。タンパク質源となるメインメニューは肉より魚を意識。また豆腐、納豆、厚揚げなど大豆を多くします。お味噌汁や豆腐にオリーブオイルをちょっと加え、おやつや酒のつまみにはナッツ類で。

 これで毎日、地中海食メニューです。ポイントは肉より魚。野菜、海藻をたっぷり、という点です。

※認知機能の低下が見られるものの病的ではない、グレーゾーンの状態であるMCI。認知症は防げないといわれてきましたが、MCIの段階で正しく対処すれば、認知症へ進行するのを防げる可能性があります。

■監修■朝田隆(東京医科歯科大学脳統合機能研究センター認知症研究部門特任教授/メモリークリニックお茶の水理事長)
あさだ・たかし 1955年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。同大学神経科精神科、山梨医科大精神神経科、国立精神神経センター武蔵野病院精神科、筑波大学精神医学教授などを経て現職。認知症の早期診断法や予防、リハビリに携わり、MCIの啓蒙活動を積極的に行っている。

文/佐藤恵菜 イラスト/みやしたゆみ

初出:まなナビ

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