2017.10.18 |   

介護食の食器|介助がラクになる|見た目、機能が素晴らしい5選

「今どきの器やスプーンを使えば、介護される人も、する人も、食事の時間がラクになるんですよ」。こう話すのは、介護食の料理教室やセミナーを主催している『Kamulier(カムリエ)』店長の志水香代さん。認知症や誤嚥の予防など要介護の人にとって、食事は栄養面だけでなく、食器やカトラリー選びも重要だと話す。

 介護食用の食器といえば、病院食のような無機質なプラスチック製のものを思い浮かべる人も多いかもしれないが、最新のものは見た目も機能も進化している。そこで志水さんに注目の5種をピックアップしてもらった。

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【1】首を傾けずに飲めて誤嚥も防ぐ「湯呑み」

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ゆるやかなくびれですべりにくく握りやすい。涼し気な青い柄がオシャレな介護用湯呑み『ほのぼの有田焼き』(各1620円)

『ほのぼの有田焼き』は、握力や腕の力が弱ってコップを掴みにくい、飲み込む力が弱く、むせやすい…そんな悩みを解消する介護用の湯呑みだ。

 日本歯科大学・口腔リハビリテーション多摩クリニック院長の菊谷武さんが監修を手がけ、嚥下機能が低下した高齢者の“飲みやすさ”を考えて作られている。

 中空二重構造なので外側に熱が伝わりにくく、熱めのお茶を入れてもしっかり持てる。また、内側がV字状にすぼまっているので、軽く傾けるだけで中身の飲み物がスッと口に入ってくる。

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内側がV状になっているため、少しの傾きで飲み物がスッと口に入ってくる

「介護が必要な人にとって、飲むときに頭と首を後ろに傾けるのは大変なこと。この湯呑みなら、姿勢を大きく変えずに飲むことができるので、負担も減ります」(志水さん、以下「」同)

【2】唇に力を入れずにスッと食べられる「スプーン」

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S字状のカーブ形状で握りやすい

 噛む力や飲み込む力が弱くなっている人や、口を上手に開閉できない人に使ってほしいのが、介護食用のスプーンだ。このスプーンは、カムリエとシニア向けの雑貨を提案する『COOKAN++』がプロデュースし、大分県の湯布院にある木工カトラリーの専門店「甲斐のぶお工房」が天然木を使用して1本1本手作業で製作している。温かみのあるつややかな木製で、緩やかなカーブの持ち手が握りやすい。

「スプーンの先端が薄く作られているので、唇に引っかかりにくく、スッと口から引き抜くことができます。先端の幅が狭いので、口を大きく開けられない人でも使いやすく、誤嚥の防止にもつながります」

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置いたときに先端がテーブルに触れないのも好評。『カムリエオリジナルスプーン』各1780円

【3】最後のひと口まですくいやすいお皿

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フチの反り返りで食べ物がすくいやすい食器『COMMO 』シリーズ。写真はボウル(小)1190円

 曲線のフォルムが美しい白山陶器の食器『COMMO 』シリーズは、食べ物の“すくいやすさ”を考えられて製作されたシリーズ。お皿のフチの反りかえり部分に食材が寄せられるので、スプーンに簡単に食材がのる。

「おかゆなどの流動食も、小さな豆粒でも、最後のひと匙まですくいやすいです」

【4】食器がすべらな~い不思議なトレイ

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器やグラスが滑りにくい加工の『アイネストシリーズ カーブマット&トレイ』は1730円

 両側がゆるやかなカーブで持ち運びやすく、食器が滑りにくいノンスリップ加工が施されている『アイネストシリーズ カーブマット&トレイ』。グラスをのせて傾けても滑らないので、高齢者で食事を運ぶときに足元が不安な人に、介護食を食べさせるとき、赤ちゃんの離乳食などのシーンにもぴったりだ。

「トレイの両端が持ち上がったシンプルなフォルムで、持ったときフィット感があります。グラスや食器を置くと吸いつくようにピタッとのり、ある程度傾いても滑ることもありません。当店のカフェでも食事を運ぶのに使っています」

【5】握りやすいグリップで食事の介助がしやすい

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片手で持って介助ができる『とんとんフィーディングディッシュ』(1944円)

 グリップがついた介助用のお皿『とんとんフィーディングディッシュ』(青芳製作所)。3つのトレイに分かれているため、食材が混ざることなく、少量ずつおかずやおかゆをのせて食べさせることができる。何よりグリップがついているので、片手で持って介助できるのがメリット。いちいちお皿を持ち返る必要がなく、介護する側の負担を減らしてくれる。

 腕の力や握力が落ちてきたら、握りやすく飲みやすい湯呑みを、噛む力や口の動きが低下したら、食べやすく、すくいやすいスプーンやお皿を選ぶ──年齢を重ねた父や母に、プレゼントするのもいいかもしれない。

「食べることは生きることに直結します。便利な食器を使うことで食べる意欲が高まり、口から食べることで認知症などの予防にもつながると思うんです。自分で食べられる、自分でもできるんだという、自信を持っていただくためにも、こういったアイテムを取り入れてほしいですね」

※紹介した食器は、すべてカムリエで取扱い・販売を行なっています。(電話での注文も可能)

志水香代さん

東京・御茶ノ水・Kamulier(カムリエ)店長。管理栄養士や歯科衛生士が常駐し、食を通じた介護の情報を発信する拠点で、介護食用の食器の販売も手がける。

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撮影/櫻井健司

【店舗データ】
記事で紹介した食器は、すべてカムリエで取扱い・販売を行なっています。(電話での注文も可能)
Kamulier(カムリエ)
住所:東京都文京区本郷3-2-15 新興ビル1F
電話:03-3812-6036
営業時間:11:00~19:00(月~土)
定休日:日・祝
ウェブサイト http://www.kamulier-gc.jp

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