2018.01.18 |暮らし   

認知症で徘徊する人もコレなら喜んで持ってく凄アイデア

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 認知症の人を介護している家族が苦労するのが“徘徊”です。2016年に全国の警察に届けられた認知症による行方不明者は1万5000人! とくに冬は凍死の危険性もあり注意が必要です。どんなに注意していても防ぐのが難しい徘徊。持ち物に名前を書くのが一般的ですが、なんとこんなものを持たせるというテも。

認知症の義父が自転車で出かけたまま行方不明に

 介護コミュニティサイト「介護100番」を書籍化した『母がお金を隠します。』には、義父の徘徊に悩んでいる人からの相談が、ヒントに満ちたアドバイスとともに掲載されています。認知症で徘徊する人の55.8%が男性。そこには男性に効果的な目からウロコのアイデアもありました。

先日、近くに住んでいる認知症の義父が、自転車で出かけたまま行方不明となりました。数時間後に、数キロ離れた、まったく見知らぬ家に入り込んだところを警察に通報されて、ようやく見つかりました。
 
 こんなことは初めてだったのですが、今後またくり返したら……と思うと、心配で 仕事も手につきません。
 
 義父はまだ体は元気なので行動を束縛してしまうのは気の毒ですし、位置情報のわ かるGPS装置のような器具などあれば有効かもしれませんが、はたして義父がちゃんとそれを持って出かけるかもわかりません。何かよい対応策はないでしょうか」

徘徊は目的もなく歩きまわるわけではない

 次々と回答が寄せられました。まずは介護職についているという方から、徘徊についての基礎的な知識についてアドバイスです。

『徘徊』とは無意味な出歩き行動を指しますが、実際はまったく意味もなく出歩くわけではなく、最初は何か目的があって出歩き始めます。

 たとえば、デイサービスに忘れ物をしたから取りに行こうと家を出る。歩いていると風景が違って見えてくる。そのうち、どこに行こうとしていたのか忘れ、 何をしようとしていたのかも忘れてしまう──といった具合です。

 あとで理由を聞いても、その説明が二転三転するのは、その時その時で思いや感情がころころ変わってしまうからですが、これは認知症であればよくあることです。ただし、そういうことが1、2回あったからといって、「徘徊」が常態化す るかというと、必ずしもそうとは限らないのが難しいところです。

 徘徊は家の中でも起こります。たとえば食事中トイレに行きたいと席を立つ。行き先はトイレだったのだが廊下を歩いているうちにそのことを忘れてしまう。また 戻ってきて部屋中うろうろ歩き回る──といった状態です。

 これから先一人で家を出る回数が増えて帰宅できないことがたびたび起こったり、家の中を無意味に歩き回って何か探し物を始めたりすることが増えてくれば、徘徊が始まったと考えてよいでしょう。

 徘徊が始まるとご家族は大変になりますから、念のためにご近所にも声をかけておくほうがよろしいかと思います。『母の姿を見かけたらすみませんがご連絡 いただけますか?』と。行方不明になった時のために衣類などにも連絡先を縫いつけておきましょう」

昼間徘徊するならお財布を工夫して

うちでは子供用の防犯携帯を持たせました。チェーン付のお財布を買ってきて、『お金がたまるお祓いをしてきたから』とか理由をつけて防犯携帯をお財布にお守りみたいにつけておきました。

 マナー機能にするとバイブで気づかれてしまうので、マナーにはせず音量をゼロにし、スイッチ回りを押されないように竹ひごと細木で枠を組んだ上から針金をぐるぐる巻きにして表示が見えないようにマスキングテープを巻き、 充電ができるようにコネクター回りだけ切り取って針金にタコ糸を付けて……。

 で、いつも使っているショッピングバッグの持ち手に、このお守り付きお財布を取りつけておくようにして、毎日「お小遣いを補充するから」と言って引き取っては充電しています。以前から、毎日お小遣いを私が渡していたので、不審がらずに充電させてくれています。

 うちの場合、迷子になるのは昼間の買い物時で、お財布を忘れることはないので、一応役立ってます。ただし夜間の外出ではお財布を忘れることが多く、あまり役に立ちませんでした。

 以前は、玄関を開けると音で知らせるセンサーをつけていましたが、夜中を通じて頻繁に開け閉めをして眠らせてくれないので止めました。

 今のところは夜、外出しても、すぐそばの神社のあたりで座っていてしばらくすると自分で帰ってくるので、夜間外出は自由ということにしています」

靴に名前を書くと効果的

持ち物に名前と電話番号を書いておくのはももちろんですが、お勧めは、靴です。出かけようとする人は少なくとも靴は必ずはきますからね。

 友人のケースですが、靴に名前と電話番号を書いておいたので、お父上が徘徊中に転んで救急搬送されたときに、すぐ家族に連絡が入ったそうです。

 この先、デイサービスやショートステイを利用するときには、すべてに名前を書かなければならなくなりますから、今から靴にも名前を書くことをやってて損はないですよ。

 あと、携帯のGPS機能を使う方法ですが、義父の場合は携帯の電源を切ってしまうので、ダメでした。GPSを身体に内蔵できればいいのにと何度思ったことかわかりません。体の自由がきくうちは、どんなにお願いしても、つきっきりでいたとしても、一瞬のすきにいなくなってしまいますからね。

 あと、名刺をつくってあげました。義父は過去の仕事柄、名刺を持つことに違和感がなかったので、名刺はいつも嬉しそうに持って出かけます」

男性は名刺を喜んで持って出る

「うちの父も夜間、徘徊します。最初はセンサーをつけて父が玄関に出たら、わかるようにしていたのですが、 出ていってからすぐに追いかけても間に合わないことが多かったです。そこで、家の中での徘徊は好きなようにしてもらいましたが、家の外には出さない方針にし、鍵などをいろいろと工夫しました。それでも鍵やサッシを必死に開けようとした痕跡が時折ありました。

 徘徊には理由もあるので、それも聞いていろいろ話を合わせるような演技をしました。でもうまくいかないことも多かったですね。

 玄関のドアを壊してでも出ていくケースもあるそうで、知り合いのおばあさんは、普段からは考えられない力で引き戸を外して出ていったなんていう話も聞き ました。だから、どんなに手立てを尽くしても100%は防げないですね。

 衣類に名前や連絡先を縫いつけている方が多いのですが、うちの場合、すごくいやがったので、パソコンで作った名刺を持たせておきました。仕事人間だったので、これは気に入ってくれ、必ずズボンに名刺入れを入れていました。

 地域の協力も大切です。ご近所に『おじいさんがひとりで歩いていってしまう』と伝えておくこと。また、警察に届けておくとよいです。

 地域によって違うかもしれませんが、うちの地区の警察署には徘徊者のリストがあって、うちも何回か警察のお世話になったとき、そこに名前と連絡先を書きました。警察も気をつけてくれるとのことでした。

 あとは、できるだけ外出の機会を増やしました。デイサービスの回数を増やしたり、お使いに一緒に連れていったり、家族もたいへんだけど、外出を増やして 満足してもらうようにしました。

 ケアマネージャーさんや、デイサービスのスタッフの方に話を聞いてもらって、方法を考えるのもいいと思います。

 また、認知症によるせん妄や幻視、幻聴は、正しい投薬で軽減される場合もあります。副作用の少ない漢方での処方もあります。お医者様に相談されることも お勧めします」

*以上は、介護110番の「なんでも相談室」の相談スレッドを書籍化した『母がおカネを隠します。』に掲載された実際の相談事例です。

文/まなナビ編集室 写真/fotolia

初出:まなナビ

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