2017.03.22 |暮らし   

がんといかに哲学的につきあうか、笑いの絶えぬ講座

 日本人の半分ががんになる時代。「がん哲学」は、生きることの根源的な意味を考えようとする患者と、がんの発生と成長に哲学的な意味を見出そうとするある医師との対話から生まれた。その医師が、順天堂大学教授の樋野興夫先生である。講座「がんと生きる哲学」(早稲田大学オープンカレッジ)は、患者、家族、その周囲の人々すべてが対象だという。実際にのぞいてみると、車座になった人々が、がん、科学、哲学、いのちについて、静かに語り合っていた。

気がつけば教室中に笑い声が

 この講座の進み方はいっぷう変わっている。

 まず受講生が教科書(『がん哲学』樋野興夫著、EDITEX)を2ページずつ朗読。その後、朗読部分についての質問を樋野先生に投げかけていく。それに対して、樋野先生がわかりやすく、ユーモアを交えながら、そして時に楽しく脱線しつつ、回答や解説を行っていくというスタイルである。

 この、受講生と樋野先生の<対話>が、この講座の大きな魅力の一つ。樋野先生の穏やかで愛情あふれる語り口に引き込まれ、知らず知らずにうちに、がんに対する確かな知見や新しい視点を得ることができるという仕組みである。

 ふと気づけば、「がん」「哲学」と、眉間にしわを寄せたくなるイメージの組み合わせにもかかわらず、受講生からたくさんの笑い声が起こっていた。かくいう私も、なんだか楽しい時間を過ごしていた。

 深刻な話題なのに楽しい。重い病の話なのに笑ってしまう。そんな不思議な魅力の一端を味わっていただければと思う。 「がん」という名刺でなく形容詞で

「がん」という名詞でなく形容詞で

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