2019.11.06 |   

ゆずのすごい健康効果とレシピ|脂肪肝を抑制し、がんや生活習慣病を予防

 最近、医学に携わる研究者たちの間でホットな話題が「脂肪肝」。

 脂肪肝とは、肝臓の細胞の内部に中性脂肪が蓄積した状態。従来は軽い病気と考えられてきたが、最近は慢性肝炎(脂肪性肝炎)から肝硬変、さらに肝臓がんへ進行する可能性があり、さまざまな生活習慣病のリスクを高めることがわかってきた。

 酒の飲みすぎ、食べすぎ、運動不足、肥満、無理なダイエットなどが原因とされ、今や日本人の4人に1人が脂肪肝ともいわれている。

 10年前に乳がんを患い、手術、抗がん剤治療、ホルモン治療等を行った本誌記者(59才・その後、再発なし)が、各種治療とともに真剣に取り組んだのが「食生活の見直し」。食事、運動、睡眠など日々の生活が、がん予防にいかに大切か、自らの体験を踏まえつつレポートします。

ゆずの種子から採取した“ゆずオイル”にさまざまな効果が

ゆずの木にたくさんの実がなっている様子

ゆずはミカン属の常緑小高木。高知県、徳島県などが主要な産地。脂肪肝を抑制し、肥満予防や美肌効果などがある、女性にうれしい柑橘類だ。

 脂肪肝の研究で見直されているのが、古来の民間薬でもある柑橘類だ。医学博士の溝渕俊二さんは、なかでも特に「ゆず」に注目し研究を続けている。どんな効果があるのかを聞いてみた。

ゆずの種を圧搾してオイルを採取

─―ゆずを研究するきっかけは?

溝渕さん(以下、敬称略) 私は食道がんを専門とする臨床外科医でしたが、患者さんたちを栄養面でサポートできるものはないかと、高知県の食品で研究をしていました。その関係で同県の馬路村から「ゆずの種について調べてもらえないか」との話があったんです。馬路村農協の東谷組合長によると、ゆず種子は村内で民間薬として伝承されていたので、何らかの有効性分があると確信していたそうです。

 たしかに、ゆずは日本に現存する最古の医学書『医心方』(平安時代)にも記載があるように、古くは医薬品としても用いられてきました。焼酎にゆずを入れて化粧品を作ったり、「ゆず湯」で体を温めて風邪予防をしたりと多くの風習が残っています。

 そこで東谷さんは、昔は加工する際にほとんど捨てられていたゆずの種(重量の10%、1個につき30~40個ぐらいある)に着目。種を圧搾して、オイルを採ることに成功したんです。私のゆずの研究も、そのオイルから始まったんです。

──どんな研究を?

溝渕 最初はゆず種子オイルをいろいろな細胞に入れて安全性を確認していました。その細胞の中に肥満細胞もあったのですが、実験で肥満細胞の活性化が抑えられる兆候が見られたのです。この肥満細胞はアレルギーを悪化させる細胞なので、その働きを抑える効果があるのなら、「もしかしたら、ゆず種子オイルでアレルギーやアトピーの症状などが抑えられるのではないか」と研究を続行。

 最終的には、ヒトを対象とした臨床試験へと展開しました。肌への刺激物を除去した精製ゆず種子オイルの塗布で、アトピー性皮膚炎および、かゆみを伴う老人性乾皮症の症状の緩和に効果があることがわかったんです。

脂肪肝や生活習慣病、メタボリック症候群の予防効果が

ゆずオイルを飲んで「やせホルモン」値を上げる

──研究では、ほかにどんなことがわかりましたか?

溝渕 ゆず種子オイルを飲むことでも効果が見られました。

 特に顕著だったのが、「やせホルモン」と呼ばれるアディポネクチンの増加です。アディポネクチンは脂肪を燃焼させ、血管を修復し、動脈硬化の予防効果がある物質だと東京大学の門脇孝教授のグループが報告しています。長寿の人はアディポネクチン値が高いという報告があり、長寿ホルモンとも呼ばれています。

 実験の結果、ゆず種子オイルを投与することによって、アディポネクチンの濃度が上がりました。ほかにも活性酸素を除去する強力な抗酸化作用があることもわかりました。

 また、高脂肪食を食べさせた肥満モデルマウスに、ゆず種子オイルを投与すると、脂肪肝を抑える効果があることが明らかとなりました。

 私たちはゆず種子オイルを飲むことによって、病気の元凶となる脂肪肝やメタボリック症候群が抑えられ、糖尿病、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞などさまざまな病気の予防につながると考えています。現在、これらの研究が認められ、ヒトの臨床試験が始まりました。

 ゆずがいかに優れた機能性食品であるか、これからも科学の目で証明していきたいと思っています。

ゆずの断面と含まれる成分

ゆず2つと半分に切ったものが並んでいる

ゆずの断面と含まれる成分

・皮
香り成分のリモネン、シトラール。色素成分のβ-クリプトキサンチン。抗酸化成分のパントテン酸など。

・わた、袋、筋
苦味成分のヘスペリジン。潤い成分のペクチン。抗酸化成分のピネン、ナリンギン。

・種
抗酸化成分のリモニン。香り成分のリモネン。苦味成分のヘスペリジン。潤い成分のペクチン。

・果肉(果汁)
ビタミンC、クエン酸。

ゆずの調味料

 ゆずは「ゆずこしょう」「ゆずポン酢」「ゆずみそ」など、さまざまな調味料として古くから使われてきた。新鮮なオーガニックゆずが手に入ったら調味料を手作りするのも楽しい。熱湯消毒した瓶に詰めて冷蔵庫で保管しておくと便利。

●ゆずこしょう

ゆずこしょうが器に入っている

ゆずこしょう

<材料>
青ゆず…2個
青唐辛子…10g
塩…10g

<作り方>
(1)青ゆずの皮をすりおろす。
(2)青唐辛子を細かく切る。
(3)(1)(2)と塩を混ぜ合わせれば完成。

●ゆずポン酢

ゆずポン酢が器に入っている

ゆずポン酢

<材料>
ゆず果汁…100ml
しょうゆ(薄口)…150ml
かつおぶし…10g
昆布…5g

<作り方>
(1)大きめのボウルに、ゆず果汁、しょうゆを入れて混ぜる。
(2)(1)にかつおぶしと昆布を加えて24時間おき(暑い日は冷蔵庫に入れる)、ボウルの中身を濾せば出来上がり。

●ゆずみそ

ゆずみそが器に入っている

ゆずみそ

<材料>
ゆず…1個
<A>
白みそ…150g
酒…大さじ1
みりん…大さじ1
砂糖…大さじ2

<作り方>
(1)ゆずの皮をすりおろし、おろした後のゆずは搾って果汁にする。
(2)鍋にAを入れて中火で練って混ぜ合わせる。
(3)みそに照りが出てきたら、火を止めて①を加えて混ぜ合わせれば完成。

●ゆずジャム

器に入っているゆずジャムとパン、紅茶がテーブルに用意されている

ゆずジャム

<材料>
ゆず…5~6個
砂糖…300g
水…400ml

<作り方>
(1)ゆずを半分に切って種を取り、果肉をスプーンでかき出す。ゆずの外皮は細切りに。種は茶こし袋に入れておく。
(2)鍋にたっぷりの水を入れ、(1)のゆずの外皮を湯がき、3回ほど茹でこぼして苦味を取る。
(3)鍋に水、ゆずの果肉、種(茶こし袋ごと)、(1)の外皮、砂糖を入れて、弱火で約10分ほど煮込み、とろみがついてきたら種を取り出して完成。

●ゆず塩

ゆず塩が器に入っている

ゆず塩

<材料>
ゆず…5個
塩…ゆずの重量の5~10%

<作り方>
(1)ゆずをよく洗って水気を拭き取り、種とへたなどを取り除く。
(2)(1)の重量の5~10%の塩を用意する。
(3)(1)(2)をフードプロセッサーにかけて完成。

健康・ゆず料理

●鶏肉と水菜のゆず鍋

鶏肉と水菜のゆず鍋が器に盛りつけられている

鶏肉と水菜のゆず鍋

<材料>(3~4人分)
鶏胸肉…400g
水菜…1束
にんじん…1/3本
しめじ…1/2房
水…4カップ
ゆずこしょう…小さじ1
ゆずの搾り汁…適量

<作り方>
(1)鶏胸肉は一口大、にんじんは細切り、しめじは小房に分け、水菜は4cmの長さに切る。
(2)鍋に水、(1)を入れて煮込み、火が通ったら、ゆずの搾り汁、ゆずこしょうを溶き入れる。

●豆腐と鶏ひき肉のゆずポン酢焼き

豆腐と鶏ひき肉のゆずポン酢焼きが器に盛りつけられている

豆腐と鶏ひき肉のゆずポン酢焼き

<材料>(2人分)
木綿豆腐(水分をとる)…1/2丁
鶏ひき肉…200g
オリーブオイル…大さじ1
長ねぎ…1/2本
<A>
長ねぎ(みじん切り)…5cm
片栗粉…大さじ1
マヨネーズ…大さじ1
<B>
ゆずポン酢…大さじ2
コンソメスープの素…適量

<作り方>
(1)ボウルに鶏ひき肉と木綿豆腐、Aを入れてよく揉み、食べやすい大きさに丸く成形する。
(2)フライパンにオリーブオイルをひき、(1)を入れて両面を焼いて肉に火を通す。
(3)(2)にBを加えて煮絡める。器に盛り、刻んだ長ねぎをちらせば完成。

●なすのゆずこしょう炒め

なすのゆずこしょう炒めが器に盛りつけられている

なすのゆずこしょう炒め

<材料>(2~3人分)
なす…2本
オリーブオイル…大さじ1
ねぎ(みじん切り)…適量
<A>
ゆずこしょう…小さじ1
しょうゆ…小さじ2
酒…小さじ2
みりん…小さじ1

<作り方>
(1)なすは縦半分に切り、1cm厚にスライスする。
(2)フライパンにオリーブオイルをひき、中火で(1)を炒める。
(3)なすがしんなりしてきたら、Aを加えて混ぜながら軽く炒め、ねぎをちらせば完成。

●油揚げの挟み焼き

油揚げの挟み焼きが器に盛りつけられている

油揚げの挟み焼き

<材料>(3~4人分)
油揚げ…2枚
ベーコン…2枚
とろけるチーズ…適量
ゆずポン酢…適量

<作り方>
(1)油揚げを半分に切って袋状にし、ベーコンととろけるチーズを入れる。
(2)フライパンに(1)を並べて中火で両面焼き、油揚げに焦げ目がついたら出来上がり。ゆずポン酢をかけて食べる。

教えてくれたのは

医学博士・溝渕俊二さん/1958年、徳島県生まれ。1988年、高知医科大学で博士号取得。消化器外科医として臨床に携わり、国立がんセンター(現・国立がん研究センター)ではチーフレジデントも務める。2007年に高知大学医学部教授に。現在、高知大学医学部・高知馬路村ゆず健康講座の特任教授(兼任)として、ゆずの研究を進めている。

撮影/茶山浩

※女性セブン2019年11月7・14日号

●世界の長寿国のがんに克つ食事|アンチエイジングフードのレシピ10選

●がんに克つ食事|抗がん作用のある天然のサプリメントスプラウト健康術

●脂肪肝|女性も要注意!ダイエットも一因|なりやすい生活習慣と改善方法

コメントが付けられるようになりました▼

この記事が役に立ったらシェアしよう

  •  

▶コメント

※編集部で不適切と判断されたコメントは削除いたします。
※寄せられたコメントは、当サイト内の記事中で掲載する可能性がございます。予めご了承ください。