2019.11.09   

がん発症率を上げるor下げる 食べ物一覧|世界の研究データ総まとめ

 がんの罹患率が上昇している日本。予防のために、日々の生活の中で、どのような食材を口にしていいのか。科学的根拠に乏しい健康情報が巷に溢れる中、しかるべき研究機関で立証された医学的データを世界中からリサーチ。ここでは、発がんリスクを上げる食べ物とリスクを下げる食べ物を併せて紹介する。

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データで知る長生きのための生活習慣

※()は、調査者/調査対象/調査公開年

■牛乳を毎日たくさん飲む女性:卵巣がんリスク/13%アップ↑

牛乳の入ったグラスを片手に持つ女性の写真

毎日、牛乳をたくさん飲むとがんリスクは上がる?(写真/PIXTA)

 卵巣がんの症例を比較した研究と追跡調査の結果を統合して分析したところ、毎日、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品から乳糖10g(牛乳コップ1杯分)を摂取する人は、卵巣がんのリスクが13%上昇していることが判明。(スウェーデン・カロリンスカ研究所/18件の症例対象研究と3件の追跡調査をメタ分析/2006年)

■コーヒーを毎日5杯以上飲む人:肝がんリスク/76%ダウン↓

 コーヒーを毎週2日以下しか飲まない人に比べ、1日3杯以上飲む人は、子宮体がんのリスクが62%低下していた。また、ほとんど飲まない人に比べ、1日5杯以上飲む人では、肝がんの発生率は4分の1にまで低下した。(国立がん研究センター/子宮体がん:40~69才の女性約5万4000人、肝がん:40~69才の男女約9万人を追跡調査/2008年、2005年)

■ワインを毎日グラス6杯以上飲む人:がん全体のリスク/1.6倍↑

ワイングラスで乾杯する写真

1日にグラスワインを6杯以上飲む人は?(写真/PIXTA)

 アルコールは消化の過程で人体に有害な「アセトアルデヒド」に変わる。8~11年間にわたり追跡調査したところ、飲酒量が日本酒換算で1日平均3合以上のグループでは、ほとんど飲まない人に比べ、がん全体の発症率が1.6倍になった。(国立がん研究センター/日本在住の40~59才の約7万3000人を追跡調査/2005年)

■砂糖入り飲料を毎日飲む人:乳がんリスク/22%アップ↑

 発がんリスクと砂糖入り飲料の関連を9年間追跡調査したところ、1日の消費量が100ml増加するごとにがん全体のリスクが18%増加し、乳がんリスクは22%上昇した。(フランス・パリ第13大学/フランス在住の10万1257人(平均年齢42.2才、女性が78.7%)を追跡調査/2019年)

■熱いお茶を好んで飲む人:食道がんリスク/5%アップ↑

 普段飲んでるお茶の温度を「やけどするほど熱い」「熱い」「温かい」に分類し、食道がんのリスクを調べた結果、「やけどするほど熱い」「熱い」お茶を毎日飲む人は、週に1回以下しか飲まない人に比べて発症リスクが5%高かった。(中国・北京大学/中国の成人約50万人を追跡調査/2018年)

■卵を1日2個以上食べる女性:がんによる死亡リスク/3.2倍↑

 卵を食べる頻度を5グループに分けて調査したところ、卵を食べる頻度が週1個未満の女性に比べて、1日2個以上食べる女性は、がんによる死亡リスクが3.2倍だった。(NIPPON DATA90研究グループ/1990年に30才以上だった女性4686人を15年間追跡調査/2017年)

■牛・豚などの赤身肉を毎日食べる女性:結腸がんリスク/48%アップ↑

 8~11年間にわたり追跡調査したところ、赤肉の摂取量が多いグループ(1日約80g以上)では女性の結腸がんのリスクが48%アップした。世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究協会(AICR)は、赤肉・加工肉の摂取は大腸がんに対して「確実なリスク」と評価している。(国立がん研究センター/日本在住の45~74才の約8万人を追跡調査/2011年)

■焼き肉をよく食べる女性:乳がんによる死亡リスク/23%アップ↑

焼肉の写真

焼肉をよく食べる習慣はがんリスクを上げる(写真/PIXTA)

 肉を高熱で調理すると、多環芳香族炭化水素(PAH)などの発がん性物質が発生する。乳がん患者を対象に食生活に関する追跡調査をした結果、焼き肉やバーベキュー、燻製肉を多く食べていた女性は乳がんなどによる死亡リスクが23%高かった。(米国・ノースカロライナ大学/1508人の乳がん患者を対象にした追跡調査/2017年)

■ハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工肉を毎日50g以上食べる人:大腸がんのリスク/18%アップ↑

 国際がん研究機関の試算によると、ホットドッグ1本またはベーコン2枚を毎日食べ続けると、ほとんど食べない人に比べて大腸がんのリスクが18%アップした。日本の国立がん研究センターによる日本人対象の追跡調査では関連性が否定されているが、大量摂取する男性では結腸がんのリスクの上昇が疑われている。(WHO傘下の国際がん研究機関/加工肉の発がん性を調査し、摂取量と発がんが正比例すると仮定した場合の上昇率を算出/2015年)

■ぶり、さば、さんまなどの青魚をよく食べる人:結腸がんのリスク/58%ダウン↓

 10~13年間にわたり追跡調査したところ、n-3不飽和脂肪酸(EPA、DPA、DHA)を多く含む青魚を多く摂取しているグループは、もっとも摂取量が少ないグループに比べ、肝がんのリスクが36%低く、結腸がんのリスクも58%低かった。肝がんの8割はB型・C型肝炎ウイルスの感染者から発生しているが、n-3不飽和脂肪酸がもつ慢性肝炎への抗炎症作用が肝がん発症を抑えていると考えられる。(国立がん研究センター/肝がん:日本在住の45~74才の男女約9万人 結腸がん:日本在住の45~74才の男女約8万9000人を追跡調査/2012年、2011年)

■たらこ、イラクなど魚卵をよく食べる人:胃がんのリスク/66%アップ↑

 6~9年間にわたる追跡調査によると、たらこやイクラなどの魚卵食品は非常に高塩分であるため、胃がんのリスクが66%上がり、がん全体のリスクも15%アップした。(国立がん研究センター/日本在住の45~74才の約8万人を追跡調査/2011年)

■ししゃも、小松菜など、カルシウムが豊富な食品をよく食べる人:男性の大腸がんのリスク/37%ダウン↓

 日本在住の男女8万人を9~12年間にわたり追跡調査したところ、男性の場合、カルシウムの摂取量がもっとも少ないグループに比べ、摂取量がもっとも多いグループは、大腸がんのリスクが37%低下していた。女性ではカルシウム摂取量と大腸がんリスクに関連は見られなかった。(国立がん研究センター/日本在住の45~69才の男女約8万人を追跡調査/2008年)

■納豆や豆腐など大豆製品をよく食べる人:肝がんリスク/2~4倍↑

混ぜた納豆の写真

健康食材の代名詞、納豆は?

 B型またはC型肝炎ウイルスの感染者は、女性の美しさや若々しさを保つとされ肝炎ウイルスを抑制する女性ホルモン(エストロゲン)の働きをイソフラボンが阻害するため、肝がんリスクが激増する。(国立がん研究センター/日本在住の40~69才の男女約2万人を追跡調査/2009年)

■山菜や漬物を毎日たくさん食べる男性:膵臓がんによる死亡リスク/3倍↑

 山菜を使った食品や漬物は高塩分食品の代表。日本在住の11万人を2年間追跡調査したところ、山菜や漬物をほとんど毎日食べる男性は、ほとんど食べない男性に比べて膵臓がんの死亡リスクが3倍高かった。(JACC Study/日本在住の40~79才の男女約11万人を追跡調査/2006年)

■塩辛、干物、イクラなどの塩蔵食品を毎日食べる人:胃がんリスク/46%アップ↑

 高塩分の食品や塩蔵食品が脳卒中や心筋梗塞のリスクを上げることは知られているが、国立がん研究センターが8万人を対象に6~9年追跡調査した結果によると、塩蔵食品を毎日食べる人は、ほとんど食べない人に比べ、胃がんのリスクが46%、すべての発がんリスクも11%アップしていた。(国立がん研究センター/日本在住の45~74才の約8万人を追跡調査/2011年)

■わかめなどの海藻類を毎日食べる女性:乳頭がんのリスク/71%アップ↑

 14~17年間にわたる追跡調査によると、海藻類を週2日以下しか食べない女性に比べ、毎日食べる人は全甲状腺がんのリスクが41%アップし、甲状腺がんの中でも乳頭がんのリスクが71%アップした。特に閉経後の女性において顕著で、高齢女性は海藻類を控えた方がよいという結果に。(国立がん研究センター/日本在住の40~69才の女性約5万人を追跡調査/2012年)

■ひじき、白米など無機ヒ素を多く含む食品をよく食べる喫煙男性:肺がんリスク/38%アップ↑

 ひじきや白米には発がん性のある無機ヒ素が多く含まれているが、無機ヒ素の摂取量と発がんの関連を日本在住の9万人を10~13年間にわたり追跡調査して分析したところ、無機ヒ素の摂取量の多い喫煙男性において肺がんリスクが38%上がった。(国立がん研究センター/日本在住の45~74才の男女約9万人を追跡調査/2013年)

■スナック菓子、インスタント食品などの超加工食品をよく食べる人:がん全体のリスク/12%アップ↑

 フランスの10万人以上の成人男女を8年間追跡調査したところ、スナック菓子やインスタント食品などいわゆる「超加工食品」を多く食べていた人たちは、がんリスクが12%上昇した。(フランス・パリ第13大学の研究チーム/18才以上のフランス在住10万4980人を対象にした追跡調査/2017年)

■唐辛子入りの激辛食品を毎日たくさん食べる人:胃がんリスク/1.71倍↑

 メキシコの研究によると、唐辛子を大量に摂取する人は、あまり摂取しない人と比べ、胃がんのリスクが1.71倍だった。唐辛子が胃を傷めることが原因とみられる。(メキシコ・国立衛生研究所/234症例の対照研究/2003年)

■「欧米型」食生活の人:男性の場合、前立腺がんリスクが22%↑/女性の場合、乳がんリスクが32%↑

トーストにゆで卵がのったプレート

欧米型の食生活は?(写真/PIXTA)

 食生活のパターンを、野菜や果物、いも類、きのこ類、脂の多い魚などを主とする「健康型」、肉類・加工肉、パン、コーヒー、乳製品、魚介類などを主とする「欧米型」、ご飯、みそ汁、漬物、魚介類などを主とする「伝統型」の3パターンのグループに分け、男性は約14年、女性は約15年間追跡調査したところ、「欧米型」は、男性は前立腺がんのリスクが22%上昇、女性は乳がんのリスクが32%上昇した。(国立がん研究センター/日本在住の45~74才で、前立腺がん:男女4万3469人、乳がん:女性4万9552人を追跡調査/2018年、2016年)

※女性セブン2019年11月7日・14日号

●朝食を抜く、糖質制限、猫を飼う女性…データで見る死亡リスクを上げる生活習慣

●死亡率を上げる「人生の選択」|テレビを見る、笑わない、昼寝…それが大問題だ!

●死亡率上がるor下がる「食べ物・食べ方」一覧|古今東西の研究データまとめ

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