2018.01.12 |暮らし   

帰省して発覚!認知症かも…と思ったときの4つの対処法

 認知症の母を盛岡ー東京の遠距離で介護し、その経験をブログや書籍などで発信している工藤広伸さん。家族の視点で”気づいた”、”学んだ”エピソードの数々は、とても役に立つと評判だ。当サイトのシリーズ「息子の遠距離介護サバイバル術」でも、介護中の人へのアドバイスのみならず、介護を始める前の人にも知ってもらいたいことが満載。

 今回は、帰省などで久しぶりに会った家族の異変に気づいたときに、まず何をすればいいかのアドバイスだ。もしや…、まさか…と思った人、必見!

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年末年始に帰省し、久しぶりに会った親の異変に気づいたら…(写真/アフロ)

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 年末年始にふるさとへ帰省したあと、わたしの認知症介護ブログや書籍が急に読まれるようになる理由は、家族の認知症を疑って病院へ行く前に自分で調べ始めるからです。
 
 本やネットで認知症について調べてみると、こう書いてあることが多いです。

「認知症は早期発見が大切です、ものわすれ外来をすぐ受診するようにしましょう」

 いざ実践してみると、そう簡単ではありません。わたしも認知症の母を病院へ連れて行くのに、5か月を要しました。認知症の疑いのある家族を、病院へ連れて行きたいけどうまくいかないまま、時間だけが過ぎていくというケースも多いと聞きます。

 そんな時、家族はどう行動したらいいのかを4つのポイントでまとめてみました。

認知症かも…。でも、焦らないで落ち着くこと 

 1つ目は、家族が認知症かもしれないと思っても、焦らず落ち着くことです。
 
 認知症という言葉を聞いただけで、必要以上に不安を抱え、自分の人生を悲観して涙するご家族を多く見てきました。介護が始まる前は認知症の知識がないので、そういう気持ちになるのだと思います。
 
 不安で仕事が手につかない方もいれば、逆に仕事に集中し過ぎて家族をほったらかしにしてしまう方もいます。なので、年末年始の異変を忘れないうちに、2月の連休、3月の春分の日、ゴールデンウィークといった休日を利用して、再度帰省するスケジュールを組むといいと思います。
 
 そして、気になるご家族と何泊か生活を共にしてみてください。家族のおかしな言動をメモに残し、医師に伝えてください。
 
 認知症を受け入れられず、年相応の物忘れ、単なる老いと考えて、何年にもわたって放置するご家族も多いです。認知症かもしれないと思っただけでも、大きな前進だと思います。焦ったところで、認知症の症状が改善されるわけではありません。

まずは自分ひとりで病院へ行ってみる

 2つ目は、ものわすれ外来へ家族を連れて行くのではなく、ご自身だけで行ってみるといいと思います。

 家族に認知症の疑いがあると思っても、当の本人は認知症という意識が全くないことがよくあり、病院へ連れ出すことができないケースが本当に多いです。

 事前に病院に予約をして、本人がいなくても受診が可能かを確認してください。わたしも最初の5か月は、ひとりで「ものわすれ外来」を調べて訪問するということを繰り返しました。
 
 この5か月で、認知症の知識も深まりましたし、いろんな医師がいることが分かりました。わたしや母と相性の悪い医師も正直いましたので、何度か医師を変えて納得するまで探しました。

 認知症専門医とのつきあいは、風邪やケガとは違って数年から数十年のつきあいになるため、相性はとても大切だと思います。

医療だけでなく、介護についても相談する

 3つ目は、認知症介護をスタートするとき医療のことをまず考えると思うのですが、同時に介護についても考えておいたほうがいいと思います。

 最初に相談する公的機関として、地域包括支援センターがあります。中学校の学区に1つはあって、名称も地域によって異なります。わたしのオススメは、民間が運営する認知症カフェや介護のつどいを併用して、相談することです。

 なぜ併用が大切かというと、介護の初期は介護保険制度の言葉自体がよく分からないこともあるからです。介護経験者がいる認知症カフェや介護のつどいに行ったほうが、理解が深まることもよくあります。

 わたしも認知症カフェによく参加しますが、先輩介護者のアドバイスによって、問題解決される方を多く見ています。

介護費用のシミュレーションをしてみる

 最後は、お金です。
 
 介護されるご家族は、どれだけお金を持っているのでしょうか?そのお金で通院、介護費用はまかなえるでしょうか?ここは冷静に自分と家族の資産状況をチェックしてみるといいと思います。

 家族の資産状況は聞きづらいことですが、エンディングノートを利用してみるといいかもしれません。ノートをプレゼントするのではなく、家族と一緒に書いてみるといいと思います。

 一緒に書くことで、具体的な金額は分からなくとも、口座のありかや貯金・借金の状況をなんとなくつかめることもあります。うちもエンディングノートを、よく利用しています。

 認知症かもと思っても、すぐ病院へ連れて行くのは正直難しいと思います。だったら、自分がまずできることから始めるのが現実的です。

 4つの方法を使って行動するうちに、介護経験者や医療・介護職の方と会う機会が増えます。これだけで孤独や不安から解放されますし、思っている以上に心理的負担が軽減されます。必ず頼りになる人が、1人はいるものです。

 人を動かすのは難しいですが、自分自身を動かすのは簡単だと思います。この4つの方法を、少しずつでいいので実行してみてください。実行に移してみると、今の悩みがスッと消えるかもしれません。

 今日もしれっと、しれっと。

【大人気!新刊絶賛発売中】
 発売後、たちまち重版が決定した工藤広伸さんの新著『がんばりすぎずにしれっと認知症介護』(新日本出版社)、大好評です!

 東京、盛岡で開催された発売記念トークショーに参加した方々からも「面白かった!楽しかった!ためになった!救われた!癒された!気持ちが軽くなった!」などのコメントが続々と寄せられているとのこと。

「『認知症介護は過酷なもの』と思っている方は多いと思います。しかし『認知症って、そんなに悪くないよね』と思える瞬間もあります。わたしの介護体験を通じて、今介護している皆さまの気持ちを少しだけ軽くできたら…そんな思いで書いた作品です」(工藤さん)。当サイトでも人気の工藤さんの”しれっと介護”の極意がつまった、介護がラクになるヒント満載、エピソードの数々に心が温かくなる一冊です。

 お求めはお近くの書店で。以下リンクからも注文できます。

工藤広伸(くどうひろのぶ)

祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護1)のW遠距離介護。2013年3月に介護退職。同年11月、祖母死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を続ける介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士、なないろのとびら診療所(岩手県盛岡市)地域医療推進室非常勤。ブログ「40歳からの遠距離介護」運営(http://40kaigo.net/

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