2020.06.16   

高木ブーが公開!“6人”のドリフ写真と志村さん、荒井注さんの珍道中【連載 第19回】

「6人のザ・ドリフターズ」が、リオのカーニバルで踊った! 1974(昭和49)年、志村けんさんが荒井注さんに変わってメンバーになる直前のことである。本場の踊りとサンバの迫力に感動し、大いに刺激を受けたという高木ブーさんが、当時の思い出や、朝ドラ「エール」に出演する志村さんを見て思ったことを語ってくれた。(聞き手・石原壮一郎)

 * * *

メンバー“6人”で乗り込んだリオのカーニバル

 ドリフのメンバーとは、世界中いろんなところに行った。いちばん遠かったのは、ブラジルのリオデジャネイロかな。

「リオのカーニバル」に乗り込んだんだよね。テレビ番組の企画だったんだけど、もうすぐ荒井(注)さんが抜けて、代わりに志村(けん)が入ることになっていた時期だから、1974(昭和49)年の2月か3月だと思う。

ドリフターズのメンバーと荒井注さんが写ったモノクロ画像

ドリフのメンバー“6人”が写っている。左から3人目、志村さんと加藤さんの間に写っているのが荒井さんだ(高木ブー公式インスタグラム:Boo Takagi @bootakagi85 より)

ハッピを着て、リオで踊る荒井注とドリフターズのメンバー

志村さん(右)と荒井さんが隣り合って踊っている貴重なシーン(写真提供/高木ブーさん)

 言ってみればメンバーが6人いた貴重な時期だよね。『8時だョ!全員集合』以外で荒井さんと志村が同時に写っている写真って、珍しいんじゃないかな。今はどうか知らないけど、その頃のリオのカーニバルは、外国人は踊っちゃいけなったらしい。そこをどうにか話をつけて、自分の名前が入ったハッピを着て見よう見真似で踊った。

 とにかく迫力が半端なかったのは、今でも覚えてる。色とりどりの衣装に身を包んだ踊り子さんたちのチームが次々に登場して、大音響のサンバのリズムに合わせて、大通りを埋め尽くしている観客もいっしょになって踊りまくってた。すっかり圧倒されたけど、同時に「音楽の力ってすごいなあ」ってあらためて感動したなあ。

番組ができたくらいの面白い旅

 あの時は、まずカナダのバンクーバーに行って、ニューヨークに行く飛行機に乗り換えて、ニューヨークからサンパウロに行って、そこからリオデジャネイロに移動して、全部で30時間以上かかった。そうそう、あとから来ることになっていた荒井さんと志村が、予定の時間になっても来なかったんだよね。みんなで心配してたら、1日遅れぐらいで現れた。

 あとで聞いてみたら、ニューヨークに着くはずだった飛行機が、何かの都合で別の空港に着いたんだって。そうなると言葉がまったくわからないから、何をどうしていいのかわからない。ほら、荒井さんは、英語は「デスイズアペン」しか知らないからさ。志村もその時が初めての海外旅行だったから、ふたりで途方に暮れちゃった。

 そしたら日本人の別のツアーの人が荒井さんの顔を知ってて、何時にどこに行けばいいですよとか、細かく面倒見てくれたらしい。おかげで、どうにかリオまでたどり着けた。かなりの珍道中だったらしくて、志村は自分の本の中で「ずっとビデオを回していたら、番組が1本できたぐらい、面白い旅だった」なんてノンキに書いてる。こっちはどんなに心配したことか。でも、そういう図太いところが、あのふたりのいいとこだよね。

 リオではカーニバルだけじゃなくて、イパネマ海岸にあるホールでサンバの生演奏を聴いたり、ブラジルのトップレベルのサッカーの試合を鑑賞したりした。「本物に触れることで、必ず何か吸収できる」っていうのが、長さんの考えだったんだよね。何かを吸収できたかどうかはよくわからないけど、貴重な経験をたくさんさせてもらって楽しかったなあ。

 個人的に嬉しかったのは、ウクレレの原型になった「ブラギーニャ」っていう民族楽器を実際に見たこと。19世紀後半にポルトガル人の移民がこの楽器をハワイに持ち込んで、それが改良されてウクレレになったらしい。ブラジルはポルトガルと関係が深いから、場所は忘れちゃったけど展示してあったんだよね。憧れの楽器と出合えて、感激したなあ。

 僕はNHKの朝ドラはあんまり見ないんだけど、今やっている『エール』は、志村が出てるっていうから何度か見てみた。大御所の作曲家の役だったけど、コメディアンの志村けんとはぜんぜん違う雰囲気で、いい味出してたと思う。いっしょに見てた娘のかおると「やっぱり、長さんの生き方に憧れてたのかな」って話してたんだよね。

 長さんも60歳を過ぎたあたりから俳優業に力を入れてた。『踊る大捜査線』とかの渋い演技が人気だったし、評価も高かったよね。志村はずっとコメディアンでやってきたけど、70歳になった今年は、朝ドラだけじゃなくて映画も出るはずだった。聖火ランナーとして走る予定もあったし、節目を迎えて新しいことにチャレンジしようとしてたのかもしれない。あいつにしかできないおじいさん役があっただろうな。見たかったな。

 そうそう、6月21日(日)19時からフジテレビ系で志村の3時間の特番があります。要は志村のコントの傑作選だね。このあいだ収録があったんだけど、加藤(茶)と仲本(工事)と僕とで、ドリフ時代の志村のコントについて、いろいろ語ってます。湿っぽい感じじゃなくて、やっぱりあいつは面白いよねって内容なので、ぜひ大笑いしてください。

YouTube「【Aloha】高木ブー家を覗いてみよう」では、毎回高木さんがご自宅からウクレレを奏でながら素敵な時間を届けてくれる(画像はイザワオフィス公式チャンネルhttps://www.youtube.com/channel/UCcEUYzjrepHbAe0ytBqKFDAより)

「リオの旅もそうだけど、長さんには、貴重な経験をたくさんさせてもらいました」

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高木ブー(たかぎ・ぶー)

1933年東京生まれ。中央大学経済学部卒。いくつかのバンドを経て、1964年にザ・ドリフターズに加入。超人気テレビ番組『8時だョ!全員集合』などで、国民的な人気者となる。1990年代後半以降はウクレレ奏者として活躍し、日本にウクレレブーム、ハワイアンブームをもたらした。CD『美女とYABOO!~ハワイアンサウンドによる昭和歌謡名曲集~』『Life is Boo-tiful ~高木ブーベストコレクション』(http://www.110107.com/s/oto/discography/DQCL-566?ima=1025)など多数。著書に『第5の男 どこにでもいる僕』(朝日新聞社)など。6月21日(日)19時から3時間にわたって放送される『志村友達 大集合スペシャル』(フジテレビ系)に出演。YouTube「【Aloha】高木ブー家を覗いてみよう」(イザワオフィス公式チャンネル内)も、ますます絶好調!

石原壮一郎(いしはら・そういちろう)

いしはら・そういちろう 1963年三重県生まれ。コラムニスト。「大人養成講座」「大人力検定」など著書多数。最新刊は「恥をかかない コミュマスター養成ドリル」。この連載ではブーさんの言葉を通じて、高齢者が幸せに暮らすためのヒントを探求している。

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