2020.07.14 |サービス   

介護が始まるときに慌てない!要介護認定の申請、介護保険サービス利用の基礎知識

 親など家族が高齢になってきたとき、気になるのは介護のこと。介護はある日突然始まるかもしれません。そのときに慌てないよう、介護が始まる前に、まず確認すべきことや介護保険の申請の仕方など基本のきを解説します。 

杖をつく腰の曲がった高齢者とそれを支える女性

いつ始まるかわからない介護だが、制度などを知っておくことで、いざというときに慌てずにすむ(写真/gettyimages)

施設か在宅か…まず親の意向を確認しておく

 これからの介護をシミュレーションする際に考えておきたいのが、在宅介護か、施設での介護かという問題。男性は半数以上が介護を“在宅”で受けたいと望むのに対し、女性は半数以上が“施設”を希望している(時事通信社「高齢者介護に関する世論調査」より)。

 介護コンサルタント・中村寿美子さんは、まずは親や夫の意向を確認してみることとアドバイスする。

「『お父さん、老人ホームはどう?』などと、単刀直入に聞くと、本人は家を追い出されるようなみじめな気持ちになるものです。まずは、『もしも将来介護が必要になったとき、『どんな暮らし方をしたい?』と、切り出してみましょう。次に、入居の時期を確認しましょう」(中村さん)

 介護ジャーナリスト・太田差惠子さんも、こう話す。

「在宅でも施設でも、介護が必要になった場合には、介護保険が適用されます。介護保険は、寝たきりなどの状態以前でも、腰が曲がって買い物に行けないなど、日常の支援が必要というレベルでも使えます」(太田さん)

・以下の記事も参考に!
→介護が必要になるのはいつから?親の様子をチェック

介護に備える手順 確認事項をチェック

●ステップ1 本人の意思を確認する 

□施設への入居を希望する/しない

「住み慣れた家を離れたくない、施設には入りたくないという場合は、体調によって早めに介護保険を申請し、ホームヘルプサービスや、日帰りの通所サービス、介護用品の検討を」(中村さん)

●ステップ2 入居のタイミングを決める

□元気なうちに入居したい
□ひとりで生活が困難になった時
□認知症が始まってからでよい

「骨折や肺炎など急な入院の後に介護状態になる場合も。65才を過ぎたら、早めに希望を聞いて元気なうちに複数の施設を見学しておくのもよいでしょう」(中村さん)

●ステップ3 介護申請に必要なものを確認 

※介護保険の調査には立ち合いを

「訪問調査の際、元気に振る舞ってしまう人もいるので、一緒に立ち合うことをおすすめします。また、お風呂やトイレの介護用品が1割で買えるようになるため、申請を嫌がる親には、『介護保険を使うとお得なのよ』などと、説得する方法も」(太田さん)

要介護認定の申請のやりかたと流れ

【1】申請はどこへ?必要なものは?

●申請に必要なもの
・介護保険被保険者証
・健康保険被保険者証
・印鑑
・申請書(主治医の名前と連絡先も)

 市町村の役所にある「介護保険の窓口」「地域包括支援センター」で申請。本人や家族のほか、「居宅介護支援事業者」「介護保険施設」「社会保険労務士」に代行してもらうことも可能。

・以下の記事も参考に!
→【介護の基礎知識】地域包括支援センターの役割

【2】訪問調査

 申請してから1週間以内に調査員が自宅や病院を訪問。本人の心身の状況などについて調査を行う。

・以下の記事も参考に!
→要介護認定で失敗しないコツ

【3】審査・判定

【4】認定結果の通知

 申請から認定までは、原則として30日以内。自立、要支援1~2、要介護1~5の8段階に分けられ、認定結果が記載された介護保険被保険者証が自宅に届く。

【5】ケアプランの作成

 要支援なら地域包括支援センターが、要介護なら選択した介護支援専門員(ケアマネジャー)がプランを作成。サービス事業者と契約する。

・以下の記事も参考に!
→ケアマネジャーってどのような存在?

→ケアマネ次第で介護は変わる!うまく付き合う5つのポイント

【6】サービス開始

「お風呂やトイレなどの福祉用具から、介護サービスまで、自己負担1割~3割(※)で利用できる。トイレに手すりをつけるなどリフォーム代も対象に。また、介護のための帰省の際、飛行機代が最大37%割引になるなど、航空会社の介護割引も使えます」(太田さん)

→介護サービスって何?サービスの種類とは?|【介護の基礎知識】

※所得より負担の割合が変わります。詳しくは以下を参照
→https://www.mhlw.go.jp/content/000334525.pdf

→【介護の基礎知識】介護サービス利用の流れ

教えてくれた人

中村寿美子さん/介護コンサルタント。介護業界の企業アドバイザー、カルチャーセンターのセミナー講師などで高齢者住宅に関する啓蒙活動を続けている。著書に『こんな介護で幸せですか?』(小学館101新書)などがある。

太田差惠子さん/介護・暮らしジャーナリスト、ファイナンシャルプランナー(AFP)。1960年、京都市生まれ。20年にわたる取材活動より得た豊富な事例を基に、「遠距離介護」「ワークライフバランス」「介護とお金」等の新たな視点で新聞・雑誌・テレビなどで情報発信。行政、組合、企業での講演実績も多数。著書に、『70歳すぎた親をささえる72の方法』、『老親介護とお金』、『故郷の親が老いたとき』、『遠距離介護』などがある。NPO法人パオッコ(http://paokko.org/about/)代表。

※初出:女性セブン

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