2020.07.24   

介護のニオイ悩み…尿臭の緊急対策|認知症の母の下着や寝室のニオイが気になる

 岩手・盛岡で暮らす認知症の母を遠距離介護している作家でブロガーの工藤広伸さん。コロナ禍、3か月ぶりに実家に帰省してみると、下着には尿のニオイ、寝室はおしっこくさい――今回は、介護とニオイについての話だ。

下着を干す認知症の母のイメージ写真

認知症の母は尿で汚れた下着を洗濯せずそのまま干してしまうことも…(写真はイメージ)

新型コロナでわかった介護のニオイ問題

 キンモクセイの香りを嗅ぐと昔のトイレを思い出すように、ニオイによって記憶や感情が呼び起こされることを「プルースト効果」というそうです。

 新型コロナウイルスの影響で、岩手へ3か月ほど帰省できずにいたのですが、久しぶりに実家へ帰って、最初に気づいた変化が家のニオイでした。

 コロナウイルスの感染が拡大する前は、だいたい月2回のペースで岩手の実家に帰省していました。しかし、3か月もの長いブランクを経験した結果、実家から古い木造建築の独特のニオイがすることに、初めて気づいたのです。

鼻をつく尿臭に敏感に反応した

 頻繁に帰省できていた頃は、実家のニオイに慣れていたため、何も感じなかったのだと思います。人間はある特定のニオイを継続的に嗅いでいると、そのニオイの感じ方が弱くなる「順応」が起こると言われています。

 3か月のブランクによって、「順応」の効果が薄れ、わたしの嗅覚がリセットされてしまったために、改めて実家のニオイに気づいたのだと思います。

 実家のある部屋に入ったときも、同じように自分の嗅覚が反応しました。そこは、母の寝室でした。

 寝室は、一言でいうと「おしっこくさい」部屋でした。鼻の奥をツンと刺激するニオイが、部屋全体に充満していました。

おしっこくさい寝室や下着に残る尿臭の原因は…

 ニオイの元を探るべく、鼻をクンクンとさせながら、あたりをつけていきました。最初に見つけたニオイの元は、ふとんでした。おそらくふとんを1度も天日干しせず、シーツも洗っていなかったため、尿のニオイがしっかりと残っていました。

 さらにタンスの引き出しを開け、母の下着のニオイを嗅いでみると、同じように尿のニオイが残っていました。

 認知症が進行している母ですが、洗濯機は使えます。しかし、洗剤を入れ忘れたり、尿で汚れた下着を洗濯機に入れずに、そのまま干してしまったり、生乾きの状態で洗濯物を取り込んだりすることがあるので、下着に尿のニオイが残っていたのだと思います。

介護で困った尿臭にはある物で対策を

 早速、ニオイの元となっていたふとん、シーツ、マットレス、下着など、ある物を使って、すべての消臭作業に取り掛かりました。

 岩手県は梅雨の時期で、日照時間が短く、ふとんを干すチャンスがほとんど訪れませんでした。

 そこで、花王の『リセッシュ除菌EX消臭ストロング』を、ふとんやマットレスにシュッシュッとかけ、尿臭を消すことにしました。

 わが家では、尿や便のニオイをしっかり取ってくれる、花王の『消臭ストロングシリーズ』を長年愛用しています。液体洗剤、トイレ掃除用シート、消臭スプレーなど、あらゆる介護の場面で、これら商品を活用しています。

 その結果、ふとんやマットレスから尿のニオイは消え、母の下着やシーツを洗濯し直したおかげで、母の寝室から完全に尿臭が消えたのです。

介護で直面する尿のニオイは順応する

 母の寝室から尿臭が消えても、在宅介護をしていれば、母の尿や便のニオイと対峙する機会は必ずやってきます。

 寝室の消臭が終わった次の日、尿で汚れた母の下着を3か月ぶりに洗濯したのですが、久しぶりだったせいか、ツンとした刺激臭がしました。

 しかし、「順応」のおかげで、尿のニオイに次第に慣れていき、数日経つと初日のような刺激臭を感じなくなりました。尿臭は慣れたいニオイではありませんが、介護を続けていくうえで、ある程度慣れておいたほうがラクに介護できると思います。

 家族介護者や介護職の中には、毎日尿と格闘しながら介護生活を送っている方もいます。こうした方々もきっと、尿のニオイに「順応」されているはずなので、刺激臭であっても、ある程度の免疫はついているように思います。

→自分の便をいじってしまう「弄便(ろうべん)」その対処法

ニオイと記憶…わたしの「プルースト効果」

 実家の古い木造建築のニオイを嗅ぐと、小学生だった頃の自分を思い出す――、これがわたしの「プルースト効果」です。

 当時30代の母は、父が勤務する製袋工場の内職をしていて、自宅で紙の米袋などをのり付けして生計を支えながら、家事や子育てを一生懸命やっていました。

 まさかコロナによる介護のブランクが影響して、実家のニオイから認知症になる前の母を思い出すことになるとは、想像していませんでした。

 このコロナ禍においては、東京と岩手の往復は難しい状況が続くと思います。その都度、介護のブランクが生まれ、実家のニオイを嗅ぐたびに、認知症になる前の母を、繰り返し思い出すことになるでしょう。

 ニオイが呼び起こす記憶や感情と向き合ったおかげで、母が子どものために料理の勉強を熱心にしていたことや、息子にあれこれ言わずに好きなようにやらせてくれていたことなど、あの頃の思い出と向き合うことができました。

 読者の皆さんにとってのプルースト効果は何ですか?

 今日もしれっと、しれっと。

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工藤広伸(くどうひろのぶ)

祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母のW遠距離介護。2013年3月に介護退職。同年11月、祖母死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を続ける介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。ブログ「40歳からの遠距離介護」運営(https://40kaigo.net/

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