2018.04.13 |マネー   

鍼灸も… 自ら申請しないと貰えない「医療と介護のお金」

 この4月から医療費負担がいっそう重くなった。支出を抑えることも大事だが、それ以外にも家計を守る方法はある。行政が積極的にアナウンスしないために知らない人も多いが、国や自治体に申請するだけで50万円以上ものお金を受け取ることができるケースがあるのだ。

病気などで長期に休んだサラリーマンの所得を保障する制度

 サラリーマンが病気や怪我で会社を長期間休むと、当然給料が減額される。その期間の所得を保障する制度に「傷病手当金」がある。4日以上仕事を休んだ場合に、4日目以降は休んだ日数分の手当が支給されるというもの。定年後再雇用で就業している従業員も対象となる。

 いざという時に非常に心強い制度だが、その存在はあまり周知されていない。

 東京都ががんを罹患した経験があるサラリーマン831人に行なった調査では、39.5%が「制度を知らなかったので利用できなかった」と回答している(『がん患者の就労等に関する実態調査』、2014年)。「高額療養費制度」を知っていた人が88.4%(同調査)だったことと比べると、非常に低い水準といえる。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子氏が語る。

「傷病手当金のように、行政や保険組合から補助金や助成を受けられる制度はいくつもあります。しかし、それらのほとんどは自ら申告しなければお金を受け取ることができません。

 行政が個人に対して制度を提案してくれることはありませんし、医師がその存在を知らないケースも少なくない。万が一の時に生活を守るためには、どんな制度があるのか、自分で把握しておく必要があります

人間ドック、鍼灸、介護費用にも助成が

 東京都台東区をはじめとする自治体では「人間ドック助成金」を実施している。国民健康保険または後期高齢者医療制度に加入している人が対象医療機関で人間ドックを受診した場合、補助金を受け取ることができる制度だ。各自治体によって異なるが、35歳以上を対象としていることが多い。

「鍼灸助成」を行なっている自治体も多い。東京都千代田区では、40歳以上の国民健康保険加入者を対象に、1日1回1000円の補助を年24回まで受けられる利用券を交付している。

 ここ数年で各自治体で導入が進んでいるのが「がん先進医療費利子補給制度」だ。「先進医療(※注)」を受けるために組んだローンの金利を自治体が負担するというもので、例えば東京都世田谷区では年利1.25%(固定金利)を最大10年、助成する。300万円借り入れた場合、利息分の約20万円が支給されることになる。茨城県や鳥取県、長野県、佐賀県、東京都豊島区でも同様の制度がある。

(※注/厚労省が定める、高度な医療技術を用いた治療や検査。費用は全額自己負担となる)

「ただし、負担してくれる年利の上限や対象となる期間は自治体によって異なるので注意が必要です」(同前)

 介護費用についても、さまざまな助成や給付金の制度がある。家族の介護のために会社を休んだ日数に応じて給付金を受けられるのが「介護休暇給付金」だ。サラリーマンの場合、「介護休暇を取得した日数分」が雇用保険から支給される。

「高額介護サービス費制度」は、市区町村民税を課税されている世帯に対し、月4万4400円、年間44万6400円を超えた介護費用を補助する制度だ。

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 介護用品を購入した場合には、その費用の最大9割を補助してくれる「介護福祉用具購入助成」もある。

「こうした制度は、年度ごとに対象や条件が変更になったり、補助される金額が変わることがある。その都度自治体に問い合わせることが大切です」(同前)

 知らないうちに「受け取る権利のあるお金」をもらい損ねていないか、すぐにチェックしてほしい。

※週刊ポスト2018年4月20日号

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