コメント日|2021.01.26
手のひら、足裏の経絡的ツボは自分でマスターするしかない。解って人に出来るのも大変だと思う。
輪ゴム健康法|1回1分手にかけるだけ!腰痛、肩こり、物忘れに即効簡単セルフケア
評判の高い高齢者施設や老人ホームなど、カテゴリーを問わず高齢者向けの住宅全般を幅広くピックアップし、実際に訪問して詳細にレポートしている「注目施設ウォッチング」シリーズ。
東京都足立区の北綾瀬駅から渋谷区の代々木上原駅を結ぶ東京メトロの千代田線。代々木上原駅で小田急線、綾瀬駅で常磐線と相互直通運転を行っており、多くの人が通勤・通学に利用している。今回は、千代田線沿線の特別養護老人ホーム(特養)と介護付有料老人ホーム、介護老人保健施設(老健)を紹介する。
「おむつは買っていません」。そう語るのは、東京メトロ千代田線の代々木上原駅より徒歩約7分のところにある特別養護老人ホーム「杜の風・上原」施設長の齊藤貴也さん。なんと、ここでは入所したその日から全員、おむつを外すのだという。
代々木上原駅から徒歩7分と利便性も高い
杜の風・上原を運営する社会福祉法人「正吉福祉会」は都内を中心に8つの拠点を持ち、特別養護老人ホームやデイサービス、居宅介護支援センターなど104の事業を展開している。杜の風・上原は2013年の開設当初からおむつを買わず、おむつゼロを目指してきたという。その結果、わずか半年で「常時の便失禁あり」33%が1.1%に減少、「常時の便失禁なし」が67%から98.9%に増加という劇的な変化が。おむつの必要がなくなり、おむつゼロを続けているという。
併設されている認定こども園とも交流がある
では、なぜおむつをゼロにすることができたのだろうか。「おむつを望んでいる利用者はいない」「排泄の失敗が自信を喪失させ、自立に対する意欲をなくしている」との考えが施設全体に浸透しており、職員が一丸となっておむつゼロの目標に取り組んでいるという。そして、おむつをすることになる原因である便失禁を防ぐために、「下剤の廃止」「規則正しい生活」「規則正しい食生活と常食」「水分摂取」「起床時冷水」「食物繊維(ファイバー)」「運動(歩行能力の回復)」「決まった時間の排便」「座位(トイレ等)での排便」など数々の施策を実施。これらを実施することで、生理的で規則的なトイレでの排便が実現できるようになるそうだ。
温かさ、冷たさにも配慮して提供
「今までおむつが外れなかった人はいません。もちろん、最初は失敗しますが、できるだけ短い期間で成功まで持っていく理論や実践するための方法があります。例えば、水分を1500cc摂るために50種類の飲み物を用意し、液体で飲めない方はゼリーにするなどの工夫をしています。入所時は便失禁している方が多いですが、それは腸の機能が低下していて便が作れなくなっているから。うちでは下剤をなくして、ヨーグルトや食物繊維、オリゴ糖を摂ってもらい、腸の機能改善を図ります」(齊藤さん 以下「」は同)
政府の未来投資会議に介護の専門家として出席した齊藤さん
少子高齢化が諸外国よりも速く進んでいる日本。その対策の一つとして推進されているのが地域包括ケアシステムだ。杜の風・上原はその拠点施設として、在宅入所相互利用以外にも「認知症あんしん生活実践塾」「ひだまりカフェ」「高齢者トレーニング教室」「介護予防公開講座」を実施し、地域に福祉サービスを提供しているという。
入居時に寝たきりだった人が車椅子、車椅子の人が歩けるように
「現在は在宅入所相互利用にベッドを5床あてていて、退所者の63%が自宅に帰っています。地域に対しても自立支援介護を基本にしています。元気なうちから予防に取り組んでいるといい結果につながります。地域交流イベントのひだまりカフェを実施したり、介護予防講座をしています。トレーニングマシンも地域の方に無料で開放していて、100名くらいの方に登録してもらっています。私たちが有益な発信をして、地域の方々が要介護者にならないようにしています」
高齢者向けの6種類のトレーニングマシンを用意
高齢者トレーニング教室は、渋谷区在住の65歳以上の介護認定を受けていない高齢者が対象。マシンを使ったトレーニングやストレッチ体操などで健康を保つことができるという。介護保険で「非該当(自立)」、または認定されてなく、運動について医師の許可を得ていることが必要だ。
→おむつゼロ!自立支援介護に取り組む特別養護老人ホーム<前編>
→「在宅・入所相互利用」を導入!おむつを外して在宅復帰できる特別養護老人ホーム<後編>
閑静な高級住宅街として知られる渋谷区大山町。この地に2017年10月にオープンしたのが、セコムグループの一員である株式会社アライブメディケアが運営する「アライブ代々木大山町」だ。 落ち着いた住環境にありながら、小田急線・東京メトロ千代田線の代々木上原駅、京王新線の幡ヶ谷駅と笹塚駅の4路線が徒歩圏内。都心までのアクセスもよく、駅周辺には飲食店なども多いので生活もしやすい。
静かな環境で生活ができる
ここでは、自立支援に関わる基本ケアの1つである運動量の確保にも力を入れている。そのために体操などの運動メニューが豊富に準備され、アクティビティや趣味の活動も活発に行われている。運動機能の維持・向上を図るだけではなく、入居者が理想とする生活を実現すること、自立心を向上させることまで目標にしているという。
館内は上品な雰囲気
「最大45名という規模のホームなので、常勤の理学療法士がお一人おひとりの身体の状態を把握しやすくなっています。理学療法士が機能訓練のメニューを作り、介護スタッフと連携して実施しています」(アライブ代々木大山町・ホーム長の鈴木達哉さん 以下「」は同)
暮らしの動作に直結することを重視し、生活リハビリにも力を入れているそうだ。介護スタッフがその意義を理解し、積極的に取り組んでいる。
「トイレで立ったり、座ったりする。ズボンや下着を自分で下ろす。それもリハビリです。部屋からリビングに移動する際に、今までは車椅子だったのを歩行器に変えることも生活の中でのリハビリです」
居室のトイレも生活リハビリの場に
このような取り組みが成果をあげているのには理由がある。それは、介護福祉士の資格保有率の高さだ。アライブメディケア全体で、介護スタッフのうち、なんと71.1%(2019年4月時点)が介護福祉士の資格を持っているという。
「介護福祉士資格の受験には3年以上の実務経験が求められるので、介護技術、経験のある証明になります。入社してから資格をとる場合は受験費用を全額補助しています」
流れる水が涼しさを運んできてくれる
充実した設備も個別ケア推進を支えているという。居室に設置された行動検知センサーもその一つ。入居者の動きを検知し、転倒やベッドからの転落などの緊急時に映像を記録し、スタッフが持っているスマートフォンに映像が送られてくる。この設備によって、素早い対処と再発防止が可能になるという。
天井に取り付けられているセンサー
「居室の天井にカメラがついていて、映像を録画できるようになっていますが、全て保存して蓄積しているのではありません。ドライブレコーダーのように、転倒など何かあった時にだけ、その映像を保存しています。それを見ると、転倒の理由が分かるので、再発しないように安全対策を講じることができます」
スタッフのスマートフォンに即時に映像が送られてくるので、転倒したまま誰にも気づかれないということはないそうだ。安全だけではなくプライバシーにも配慮し、この機能を使うかどうかを選択できるようにしている。このような設備を整えることで、生活リハビリなど必要な部分に人手をかけることができているという。
→4つの基本ケアとリハビリで自立支援に取り組む介護付有料老人ホーム<前編>
→一人ひとりの希望を叶える個別ケアに取り組む介護付有料老人ホーム<後編>
長期の入院が難しくなっている現在の日本の医療制度。では、転倒による骨折や脳血管疾患、心疾患などで入院し、自宅に戻ることが難しい高齢者はどこに行けばいいのだろうか。その行き先の一つが介護老人保健施設、通称「老健」だ。介護老人保健施設とは、要介護の高齢者が自宅で生活するための支援を行う施設のこと。理学療法士や作業療法士など専門スタッフによるリハビリを受けて、自宅で生活することを目指す。医師や看護師がいることも特徴の一つで、医学的な管理の下で介護サービスを受けながら機能訓練に取り組める。
ガラスとカーブが印象的な外観
今回訪れた千壽介護老人保健施設は、千代田線の北千住駅から徒歩10分。この地はかつて千住宿と呼ばれ、日光街道と奥州街道の主要な宿場町と栄えていたという。北千住駅には千代田線の他にも日比谷線やJRなど多くの路線が乗り入れており、利便性が高いためファミリー層にも人気の街となっているそうだ。
こちらで受けられるサービスは入所と通所に大きく分けられ、それぞれの定員は148人と36人となっている。入所には1か月以上施設を利用する長期入所と、1泊2日以上・1か月以内のショートステイの2種類があるという。日帰りの通所では、リハビリテーションや入浴、アクティビティーのサービスを利用できる。
広々とした空間でリハビリに取り組める
「自宅に帰れるようにするのが老健の役割です。そのために何が必要かを具体的に考えてリハビリを実施しています。ただ身体機能を向上させても、その機能をうまく使えなければ意味がありません。例えば、自宅で夜、トイレに安全に行けるようにするためにどうするか。そのために、どちらの手で手すりのどの部分を掴むのか、体の向きを変えるためにどのような動作をするのかといったことを想定してリハビリに取り組むことが大切です」(副施設長の實川典子さん)
リハビリに使用する機器も揃っている
こちらの魅力は、リハビリ設備やヒノキ風呂、オープンキッチンの食堂など充実したハード面だけではない。運営している医療法人社団「龍岡会」は「医はサイエンスにしてアートである」をモットーに、1996年に最初の施設をオープンした時から、音楽や美術を専門に学んだ人材によるアート活動を積極的に取り入れてきたという。
「法人の方針として、ゲスト(利用者)の心を癒す『Healing Art』として、音楽や美術を取り入れてきました。アートをアカデミックに学ぶと同時に高度な技術を習得した専門職のスキルと感性を持ってゲストのケアへと繋げています。歌ったり、手を動かすことは脳の活性化に有効です。楽しさを重視しながら、自宅に復帰するために全てをリハビリにつなげています」(實川さん)
職員や参加同士で話が弾む
音楽や美術を担当する部署はアート部と呼ばれ、音楽療法士や美術専門職員が常勤し、入所者と通所者の両方にプログラムを提供しているという。集団で楽しむグループワークと一人ひとりの身体・精神機能に合わせたマンツーマンでの活動がある。アート部は活動目的として、「自己の表現」「精神的な充足感、自己肯定感を得る」「残存能力を引き出す」「認知症による混乱や不安・ストレス等を和らげる」「手指や脳への刺激」といった内容を掲げているそうだ。
この日に行われていたのは、常勤の音楽療法士である前島雄治さんによる音楽プログラム。音楽療法士の認定を出している日本音楽療法学会は、音楽療法について「音楽の持つ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上、行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること」と定義している。
前島さんのリードで歌を楽しむ
「介護老人保健施設はリハビリをして在宅復帰を目指す場所ですが、まずは生活を楽しまないとリハビリに集中できません。音楽や美術を楽しむことで、リハビリへの取り組み方が前向きになる方がいらっしゃいます。プログラムに参加すると表情が生きいきとしてきますね」(前島さん)
個別音楽療法の効果が出た例として、幼稚園教諭だった70代の女性が自発性を取り戻したり、楽譜の曲を練習することによって言葉の練習にも取り組めたということがあったそうだ。デイサービスも提供しているので、自宅から通い、アート活動に参加することもできるという。
→【足立区】快適な環境下で在宅復帰を目指せる介護老人保健施設<前編>
→【足立区】音楽と美術の力でリハビリをサポートする介護老人保健施設<後編>
ビジネス街の大手町駅や官公庁の集まる霞ヶ関駅などを通る千代田線。20~40代の比較的多い路線ではあるが、北千住駅や西日暮里駅、根津駅など住宅地では高齢化が進んでいるようだ。気になる施設をピックアップして、路線沿いに老後の住まいを探してみてはいかがだろうか。
撮影/津野貴生 取材・文/ヤムラコウジ
※施設のご選択の際には、できるだけ事前に施設を見学し、担当者から直接お話を聞くなどなさったうえ、あくまでご自身の判断でお選びください。
※過去の記事を元に再構成しています。サービス内容等が変わっていることもありますので、詳細については各施設にお問合せください。
●特養に早く入所する裏ワザ|判定会議で優先順位を上げる方法や狙い目
コメントが付けられるようになりました▼
この記事が役に立ったらシェアしよう
発酵をテーマにした複合観光スポットが話題!! 自然豊かな飯能
延命治療や胃瘻、受けないと決めてしまう前に知っておきたいこ
▶コメント