2020.11.17   

高木ブーが明かす『8時だョ!全員集合』の三大事件とは?【連載 第30回】

 ザ・ドリフターズの代名詞であり、テレビ史に燦然と輝く怪物番組『8時だョ!全員集合』(TBS系)。1969(昭和44)年10月にスタートし、16年にわたって計803回放送された。生放送だっただけにアクシデントは付きものだったが、今も「三大事件」と言い伝えられている出来事がある。高木ブーさんが当時を振り返って語った。(聞き手・石原壮一郎)

久しぶりにコンサートを開催します

 嬉しいニュースがふたつあります。ひとつは12月12日に、久しぶりにコンサートがあること。「高木ブー&ハロナ コンサート ハワイアンクリスマスだョ!全員集合」と題して、ハワイアンソングをたっぷり楽しんでもらいます。

 今、事務所の後輩の土井悠ちゃんと彼女の親友の後藤郁ちゃんが、その日に向けてフラダンスを特訓してるんだよね。僕の「月の夜は」に合わせて踊ってくれる予定です。このあいだ練習中の動画を見たけど、ふたりともかなり上達してきたんじゃないかな。

12月12日のLIVEでは高木さんの事務所の後輩でもある土井悠さんと土井さんの親友の後藤郁さんがフラダンスを披露する予定(画像はイザワオフィス公式チャンネルより)

フラの練習に励む土井さん(左)と後藤さん(画像はイザワオフィス公式チャンネルより)

12月31日に14時間ぶっ続けで『8時だョ!全員集合』が再放送

 もうひとつの嬉しいニュースは、TBSのCS放送「TBSチャンネル2」で、12月31日の午後8時から、14時間ぶっ続けで『8時だョ!全員集合』が再放送されること。

 803回の中から15本を選んで、コントはもちろんゲスト歌手の歌も当時の映像のまま放送される。DVDや動画配信はあったけど、テレビで再放送されるのは初めてらしいよ。

『8時だョ!全員集合』の最高視聴率は50.5%(ビデオリサーチ、関東地区にての数字)!一世を風靡した超人気番組(写真/時事通信社)

 今年は、志村が突然いなくなるという悲しい出来事がありました。でも、番組の中では元気に大暴れしてます。「志村、後ろ後ろ!」やヒゲダンスのシーンもあるから、ケーブルテレビとかからCS放送が見られる人は、いっぱい笑ってあいつのことをいっぱい思い出してあげてください。

『8時だョ!全員集合』の思い出は、話し始めたらいつまでも終わらないぐらいたくさんある。あの番組は生放送だったから、毎回、何がしかのトラブルがあった。押し入れのふすまを勢いよく開けたら、開かなくてもいい別のとこまで開いちゃったりとかね。メンバーや関係者の間で、今でも「三大事件」と呼ばれている出来事があります。もしかしたら、「あー、見てた見てた!」っていう人もいるかもしれない。

→「ドリフの歴史、話しておこうか」高木ブーが今改めて振りかえる

今も語られる「三大事件」とは

 ひとつ目は1977(昭和52)年に起きた本番中の「火事」。その日は探検隊のコントだったんだけど、ピストルの火花が引火して小道具の蛇が燃え出しちゃった。まだ塗料が乾いてなかったらしい。僕たちはセットに背を向けてて気づかなかったんだけど、客席が不自然にザワザワし始めて、お客さんがヘンな方向を見てる。ジャングルのセットから、火の手が上がってたんだよね。

 即座にコントを中断。長さんが盆回し式のセットを回して、いしだあゆみさんの歌に突入した。僕は何をしていいかわからなくて事態を見守っていただけだけど、とっさの判断でコントを中断してセットを回して歌にした長さんは、やっぱりすごいよね。内心はあわててたのかもしれないけど、テキパキと指示を出してた。「リーダーシップっていうのはこういうこか」と思ったな。

 ふたつ目は「3人のドリフターズ」。これは生放送だったからというのとは関係ないんだけど、1981(昭和56)年2月に、事情があって仲本と志村が番組を休むことになった。放送はしなきゃいけないから、1か月ぐらい3人のドリフでやってたんだよね。

 コントの中で、長さんがいつもどおり点呼を取る場面があった。「番号!」って言うと、加藤が「1!」って元気よく答えて、僕が2と3を飛ばして「4!」って答える。それがオチになった。変則的な状況を逆手にとって、笑いに結びつけてしまう。そこは長年のチームワークなんだと思う。ふたりがいないときは僕の出番も増えて、なぜか視聴率も毎回40%を超えてた。視聴者に「珍しいもの見たさ」みたいな気持ちがあったのかな。

 3つ目は、1984(昭和59)年6月にあった「停電」。本番が始まる直前、その日の会場の電気がいきなり消えちゃった。会場は真っ暗だけど、中継のテレビカメラとかは会場の外の電源車から電気を取ってたから、真っ暗な画面が全国に放送されたんだよね。スポットライトでステージを照らして、長さんが「8時9分半だョ!」と呼びかけてた。

 放送の前半で電気は点いたんだけど、暗闇の中で加藤が「今日は終わりだ!」と叫んで、会場を盛り上げながら電気が点くまでの間をつないでた。僕は例によって、とくに何もせず「そのうち何とかなるだろう」と思ってただけだけどね。

 今となっては、どれも楽しい思い出です。あらためて振り返ると、毎週毎週。あの緊張感とギリギリのスケジュールの中で、よくやって来られたと思う。みんな「若かった」ってことだろうな。そんな時期を過ごせて、僕はつくづく幸せ者です。

『8時だョ!全員集合』は毎週生放送。あの緊張感の中でよくやっていたと思う。いろいろあったけどチームワークで乗り越えて来たんだよね。

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→このシリーズを読む

高木ブー(たかぎ・ぶー)

1933年東京生まれ。中央大学経済学部卒。いくつかのバンドを経て、1964年にザ・ドリフターズに加入。超人気テレビ番組『8時だョ!全員集合』などで、国民的な人気者となる。1990年代後半以降はウクレレ奏者として活躍し、日本にウクレレブーム、ハワイアンブームをもたらした。CD『美女とYABOO!~ハワイアンサウンドによる昭和歌謡名曲集~』『Life is Boo-tiful ~高木ブーベストコレクション』)など多数。著書に『第5の男 どこにでもいる僕』(朝日新聞社)など。YouTube「【Aloha】高木ブー家を覗いてみよう」(イザワオフィス公式チャンネル内)も大好評! コンサート「「高木ブー&ハロナ コンサート ハワイアンクリスマスだョ!全員集合」は12月12日15時から東京・千代田区の内幸町ホールで。詳しくはこちら⇒https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/event/20201212-2.html

Hawaiian Christmas Best

取材・文/石原壮一郎(いしはら・そういちろう)

1963年三重県生まれ。コラムニスト。「大人養成講座」「大人力検定」など著書多数。最新刊は「恥をかかない コミュマスター養成ドリル」。この連載ではブーさんの言葉を通じて、高齢者が幸せに暮らすためのヒントを探求している。

●高木ブーインタビュー|加藤茶は「天才」。仲本工事の最高傑作は「ばか兄弟」

●高木ブーが公開!“6人”のドリフ写真と志村さん、荒井注さんの珍道中

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