2018.04.25 |暮らし   

人間もペットも高齢化が進む日本 共倒れなど諸問題が続々発生

 ペットを飼うと、気持ちや生活にハリが生まれ、認知症対策にもよいといわれているが…。飼い主とペットの高齢化によりさまざまな問題も起こっています。

犬の飼育頭数は2014年から減少しているが、70代の飼育率はほぼ横ばい(一般社団法人ペットフード協会調べ)。ペットと暮らす高齢者は依然多い状態だ

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介護施設入所後にペットを託す人がいない

 日本の総人口に占める65才以上の割合は、過去最高の27.7%(平成29年、総務省調べ)。この数値は、アメリカやイタリアなど、主要国の中で最も高く、日本は世界一の“高齢社会”といえる。

 一方、平成29年の犬猫の平均寿命は犬が14.19才、猫が15.33才(一般社団法人ペットフード協会調べ)で、特に7才以上の高齢期にあたるペットの割合は、年々増加傾向にある。つまり、ペットの高齢化も進んでいるのだ。

「人間とペットの高齢化に伴い、高齢者が抱えるペット問題は複雑化しています」

 とは、地域密着型のペットコンシェルジュサービスを展開する「犬とくらす」代表取締役の朝山和雄さんだ。朝山さんの元には、「介護施設への入所が決まったが、ペットを託す家族や親近者がいない」「愛犬が高齢で介護が必要になったが、自分も高齢のため充分な介護ができない」などの相談があるという。

ネットで発信される最新情報から取り残される高齢者

 高齢者が抱えるペット問題の中でも、最も深刻なのが情報格差だという。

「最新のペット事情はネットに発信されるケースがほとんど。スマホが普及したとはいえ、多くの高齢者はインターネットに疎く、新しい情報を得るチャンスがありません。知りたくても知る方法がわからず、取り残されているケースが多いんです」(朝山さん)

 その結果、早期治療をすれば簡単に治る病気が手遅れになったり、犬猫にも認知症があることを知らず、正しい対応ができないことも。また、ペット介護用品など便利なグッズや民間のペット支援サービスの存在を知らず、自力でなんとかしようと無理をして共倒れしてしまうなどの問題が起きている。

「特に愛護精神の強い人ほど、自分でなんとかしなきゃと、ひとりで抱え込んでしまい、精神的に参ってしまうようです」(朝山さん)

 問題は他にもある。昔のペット飼育知識しかないため、健康に配慮したペットフードではなく、ペットの体に悪影響を及ぼす人間の食べ物を与えている人や、予防接種を受けていないマナー違反者も多いという。

 朝山さんの会社では、ペットフードの個別宅配時に情報共有を行うと共に、高齢者が社会から取り残されないよう、行政や愛護団体、ペット支援サービスを紹介している。高齢者が犬猫を飼うには、さまざまな問題を抱えている。

※女性セブン2018年5月3日号

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