2018.05.30 |暮らし    1

全身がんの樹木希林を支える!娘が選んだ「別居介護」の明暗

 カンヌ国際映画祭で最高賞の“パルムドール”を獲得した是枝裕和監督(55才)の『万引き家族』。この作品で、万引きで生計を立てる一家のまとめ役を演じたのが樹木希林(75才)だ。

初めて体にがんが見つかってから14年。娘の也哉子は夫や子供と離れ「別居介護」を選んだ(ABACA/ニューズコム/共同通信イメージズ)

 3泊5日のスケジュールでカンヌを訪れた樹木の横には、長女の内田也哉子(42才)の姿があった。2004年に乳がんを患っていることが発覚し、その後、腸や副腎などにも転移していることがわかり、自ら「全身がん」を宣言した樹木につきっきりで、面倒をみているのが也哉子なのだ。

 也哉子は1995年に本木雅弘(52才)と結婚。2012年には長女のイギリス留学をきっかけに、一家で生活の拠点をイギリスに移したが、也哉子は「別居介護」を選択したという。つまり、本木や子供たちがイギリスで生活する一方で、也哉子は日本にとどまり、「最期は自宅で迎えたい」と希望する母・樹木希林の介護をするというわけだ。

「別居介護」のメリット、デメリットとは

 超高齢社会の日本で、介護は誰でも直面する可能性のある問題だ。介護を「する側」「される側」の双方にとって、大きな負担となってしまうこともある。也哉子と本木が選んだ「別居介護」もその1つだ。介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんが解説する。

「日本人は“介護は家族が行うもの”との意識を強く持っています。昔に比べ、田舎に親を残して、都会に住んでいる家庭が増えました。その場合、親の介護が必要になると週末や休みを使っての『遠距離介護』が増える。ただ、移動の負担や交通費も重くのしかかります。そうなると、仕事のある配偶者を残して、夫婦の『別居介護』を選択する人も多くいます」

 樹木のように「最期まで自宅で過ごしたい」という親にとって、別居介護で得られるメリットは大きい。

「誰しも、“住み慣れたわが家にいたい”という思いはあるでしょう。子供たちの住む都会に呼び寄せられるというケースも見受けられますが、環境の変化が負担になってしまう可能性もあります。見知らぬ土地で、知り合いもほとんどいない環境になるわけですからね」(前出・太田さん)

 だが、大前提として充分な話し合いと「配偶者の理解」が必要になる。

樹木希林の長女・也哉子は、夫・本木雅弘と別居して母の介護をすることを選らんだ(撮影/矢口和也)

離れた家族との関係に影響が出ることも

「後になって別居する夫や妻から“どちらを大事に思っているんだ”と、不満が出て夫婦の不仲の原因になったケースもあります。また、特に思春期の子供のいる家庭だと“相談したいのに家にいない”“親子関係にしこりが残った”というケースもありました。

 別居が一時的だったり、期間が決まっている場合はそれほど深刻化はしませんが、介護は先が見えず、長期的なものです。とくに高齢者の介護は症状が改善することは少なく、別居介護に踏み切るとなかなか自宅に戻れなくなります。家庭への影響を考慮して、家族でしっかり話し合ってから取り組むべきです」(前出・太田さん)

 樹木の希望に向き合った上で、別居介護を選んだ也哉子と本木。きっと、樹木は独特の言い回しで、息子夫婦への感謝を伝えているのだろう。

※女性セブン2018年6月7日号

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  1. 光る花 より:

    樹木希林さんって、全身癌だったんですね。
    ご本人のお気持ちを考えると、辛いです。
    画面で観る希林さんからは、その様な状態はみじんも感じられませんでした。
    その痛みや辛さが、神々しいパワーとなり、画面を通して、世界中の人達に温かいオーラが伝わって来るのですね。
    何だか、自分の甘さを反省させられました。
    それから、お母様の介護をされてる娘さんの気持ちは凄くわかります。
    私も介護職に就いてましたから、ご苦労されてるんだなと思います。
    でも、娘さんのお陰で、私達の様な国民に樹木希林さんの姿が観れるんだなと思うと、お二人には感謝です。