2018.06.30 |暮らし   

認知症介護に特化した介護付有料老人ホーム<前編>

フローレンスケア聖蹟桜ヶ丘

 東証二部に上場している「工藤建設株式会社」は「フローレンスケア」ブランドで東京都と神奈川県に11の介護付有料老人ホームを展開している。全ての施設のホーム長は介護現場で豊富な経験を積んできており、現場の状況をよく把握して全体を管理している。

 

静かな環境で生活ができる「フローレンスケア聖蹟桜ヶ丘」

 当サイトでは昨年11月に同社が手がけるリハビリ強化型の「フローレンスケアたまプラーザ」を紹介したが、今回訪ねた「フローレンスケア聖蹟桜ヶ丘」は認知症強化型だ。

認知症介護に悩む家族の最後の砦

 高齢化が進んでいるとはいえ、自分の親、義理の親、配偶者が認知症になってはじめてその現実を知る人も多い。介護ポストセブンでは読者の方が自由に意見を書きこめるコメント欄を用意しているが、自宅介護の切実な悩みも目にする。認知症が進んでいく家族をどうケアすればいいのか分からず、精神的に疲弊している方も多い。

訪れた家族がくつろげるスペースも多い

 フローレンスケア聖蹟桜ヶ丘は今まで、認知症の重さを理由に入居を断ったことはないという。他所で入居を断られたようなケアが難しい認知症の高齢者も、介護で困っている家族の最後の砦として気概を持って受け入れてきた。これは現場のスタッフが家族の苦労に寄り添い、受け入れるための方法を前向きに考えてきた結果だ。

左がホーム長の岡園貴子さん、右はケアマネジャーの小堀佐代子さん

 自宅介護で行き詰まり入居相談に来た家族は、状況を話しているうちに泣き出してしまうことも多いそうだ。スタッフに話を聞いてもらい、今までの苦労を分かってもらうこと自体が何よりの安心、救いになるという。

「入居していただくことによって、介護で悩んでいたご家族が少し距離を置くことができます。精神的な負担も少なくなってお互いがやさしくなれます。そこに私たちの存在意義があります」(フローレンスケア聖蹟桜ヶ丘ホーム長の岡園貴子さん、以下「」は同)

日の光を浴び、外の空気に触れることができるテラスも

訪れた人を明るく迎えてくれるロビー

スタッフが認知症ケアの資格を積極的に取得

 認知症ケアに力を入れていることが具体的に分かるのが資格の取得状況だ。公的な資格には東京都が行っている「認知症介護実践者研修」「認知症介護実践リーダー研修」など、民間資格には認知症ケア学会の「認知症ケア専門士」などがある。フローレンスケア聖蹟桜ヶ丘には認知症介護実践者研修終了者が5名、認知症介護実践リーダー研修終了者が1名、認知症ケア専門士の取得者が3名いる。スタッフが積極的に学びの場に参加し、現場で活かせる資格を取得しているのだ。

「私が取得したリーダー研修では、認知症の症状をお持ちの方のケアをするうえでのヒントを学びます。そして学んだことを施設に持ち帰り、スタッフにも教えます。そうすることで認知症ケアにあたる際に使える引き出しの数が増えるんです。

 認知症の方は一人ひとり違います。たとえば1つのツールとして『24時間生活シート』というものがあり、1時間おきに観察をして記録します。シートを活用すると、いつどんな時に認知症の症状が現れるか、何が原因でその行動を取るのかが分かります。興奮状態や暴力、暴言は何かが引き金になって起こる行動なので、その原因を探って対応していくのです」

スタッフが入居者に寄り添う姿勢が印象的だった

「みんながハッピーになれる」介護とは?

 岡園さんが理想とする介護は「みんなが幸せ」になることだという。認知症ケアにはマンパワーが必要で、介護者には粘り強さも求められる。そういった介護人材を育てていくことがホーム長の使命だと語る岡園さん。フローレンスケア聖蹟桜ヶ丘が認知症ケアに力を入れるようになったのは、岡園さんのある思いがきっかけになっているとのこと。

「以前の私の経験や知識では対応しきれなかった認知症の方がいらっしゃいました。その時の思いがあり、ここでは認知症に特化して徹底的にやろうと決めたんです。私がまず勉強をして、それを若いスタッフに伝えていく理由もそこにあります。本人や家族、そして私たち介護者、みんながハッピーになれるのが介護の仕事だと思っています。若いスタッフにもそういった感動を味わって、これからの介護を担っていってもらいたいです」

スタッフとの距離が近いのもフローレンスケア聖蹟桜ヶ丘の特徴

 人知れず悩んでいる人が多い自宅での認知症介護。フローレンスケア聖蹟桜ヶ丘で印象的だったのがスタッフの使命感だ。岡園さんは「きつい、汚い、危険」の3Kと言われてきた介護を「希望と感動と感謝」の3Kに変えていきたいと語っていた。会社も岡園さんが理想とする認知症介護を全面的にバックアップして支えている。

 認知症の家族の介護で悩んでいる人に、フローレンスケア聖蹟桜ヶ丘をぜひ知ってもらいたい。

撮影/津野貴生

【データ】
施設名:フローレンスケア聖蹟桜ヶ丘
公式WEBサイト:http://www.good-care.jp/facilities/seisekisakuragaoka/
所在地:東京都府中市日新町5-53-1
最寄駅:
【1】京王線「中河原駅」よりちゅうバス(四谷六丁目ルート)乗車、「日新町5丁目」バス停下車、徒歩0分。または京王バス(中02都営泉2丁目行き)乗車、「三屋通り南」バス停下車、徒歩4分
【2】京王線「聖蹟桜ヶ丘駅」・JR中央線「国立駅」・JR南武線「谷保駅」より、京王バス(国立18系統)「公会堂前」バス停下車、徒歩9分
類型:介護付有料老人ホーム
運営主体:工藤建設株式会社
敷地面積:2239.46平方メートル
延床面積:4584.64平方メートル
室数:96室(106名)
入居要件:概ね65歳以上で要支援以上の方
構造:本館は鉄筋コンクリート造4階建て、別館は鉄筋コンクリート造2階
開設年月日:2007年7月1日
料金:入居一時金+月額利用料(入居一時金なしのプランもあり)
●Aタイプ(18.75~20.13平方メートル)
【1】月払いプラン/入居一時金0円、月額利用料29万8600円(内訳は管理費9万1800円、食費6万4800円、家賃相当額14万2000円)
【2】前払金プラン1/入居一時金432万円、月額利用料24万6600円(内訳は管理費9万1800円、食費6万4800円、家賃相当額9万円)
【3】前払金プラン2/入居一時金672万円、月額利用料19万6600円(内訳は管理費9万1800円、食費6万4800円、家賃相当額4万円)
【4】前払金プラン3/入居一時金864万円、月額利用料15万6600円(内訳は管理費9万1800円、食費6万4800円、家賃相当額0円)
※他にBタイプ(25.5平方メートル)、Cタイプ(27.7~27.9平方メートル)があり、Aタイプ同様に4つのプランがある。Cプランには夫婦で住む場合のプランもあり。

※施設のご選択の際には、できるだけ事前に施設を見学し、担当者から直接お話を聞くなどなさったうえ、あくまでご自身の判断でお選びください。

【このシリーズのバックナンバー】

●贅沢で多様な共用空間を備えた介護付有料老人ホーム<前編>

●贅沢で多様な共用空間を備えた介護付有料老人ホーム<後編>

●リハビリと看取りに力を入れる介護付有料老人ホーム<前編>

●リハビリと看取りに力を入れる介護付有料老人ホーム<後編>

●小田急沿線で「住まい」にこだわるサービス付き高齢者向け住宅<前編>

●小田急沿線で「住まい」にこだわるサービス付き高齢者向け住宅<後編>

●充実した介護体制を備えるサービス付き高齢者向け住宅<前編>

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