2017.04.06 |

【介護食】これが介護食!? 便利食材で手軽に時短調理の「行楽弁当」

 噛む力が弱ってきたし、よくむせるから硬い食材は無理…。でも、すりつぶしたり、ミキサーにかけたり、何かと手間がかかる介護食作り。介護している人にとって、食事の悩みは尽きないもの。今回、注目のやわらか食料理教室に参加してきました。便利な食材を賢く利用した介護食作りのヒントをご紹介します!

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目にもキレイで食欲をそそる「介護食 行楽弁当」。鶏の唐揚げ、煮物、卵焼き、三色団子などバリエーション豊富なおかずがたくさん

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家族と一緒に食べる楽しみを味わう「行楽弁当」

 今回参加したのは、春の行楽弁当をテーマにした介護食の料理教室。一般の主婦から介護の現場で働く人まで、総勢10名が参加し、和やかな雰囲気で料理教室がスタート。

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介護の情報拠点カムリエが主催した企業協賛の料理教室。お弁当の材料は、凝固剤、介護食を販売する企業の『宮源』と『ふくなお』が提供した

「介護食とはいえ、すべてミキサーにかけて流動食にしたら、咀嚼する力がどんどん弱っていってしまいます。もぐもぐ噛んでごっくんと飲み込むことがとても大事。食材の形を目で見て、口の中で噛んで味わうことは、食べる楽しみや生きる力になります」

 こう話すのは、料理教室で講師を務める介護食の商品開発、販売などを手がける企業『宮源』のテクニカルインストラクター・高橋浩幸さんだ。

「毎日、毎食、イチから作るのは大変ですよね。野菜や肉・魚は、すりつぶして形よく仕上げてあるものを使うと手軽。また、食材を飲み込みやすくする専用のとろみ剤や、お湯で溶くだけの粉末おかゆなど、便利なアイテムもたくさんあります。そういうものを使って、ラクに手軽に作ればいいんです」と、高橋さん。
 
 ポイントは、介護される人が食べやすいやわらかさとはどのくらいか、何回噛めば飲み込めるのか、しっかり把握すること。

凝固剤や粉末お粥を利用して、ラクに手軽に

 早速、参加者と一緒に作って、試して、食べてみた。

 まずは、お弁当の定番の卵焼きから。市販の厚焼き卵と、お湯で溶いた凝固剤「ミキサーゲル 」を入れて、ミキサー(「マジックブレット」使用)で撹拌。シリコン型に流し入れて固めるだけで、口の中でふわりと溶けるふんわり卵焼きが、あっという間に仕上がった。

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厚焼き卵と、お湯で溶いた凝固剤「ミキサーゲル」を入れて攪拌する

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型に流し、自然に固まるのを待つだけ

 続いて、彩りを添える3色団子。粉末お粥「粥ゼリーの素」をお湯で溶き、抹茶や食紅で色付け。丸型の製氷皿に注いで冷やせば、つるんとした食感で飲み込みやすいお団子が完成。シリコン製の型は、最近100円ショップでも色んな形のものが登場している。見た目をかわいくすれば、食欲もわいてくる。

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粥ゼリーの素をお湯に溶くだけで、手軽にお粥ゼリーが。今回は、抹茶などを混ぜ色をつけて、シリコンの製氷皿で丸く固めてお団子に

見た目も味もそのままに、やわらかくした素材を使って「から揚げ」「煮物」

 メインおかずのから揚げや炊き合わせ、さばのみそ煮などには、「やわらか食」素材の製造、販売する『ふくなお』の商品を使用。

「かまぼこなどの練り物の技術を使い、素材を一度すりつぶし、歯茎でつぶせるやわらかさにして再形成しています。食材の旨みや風味はそのままに、色や形も元の素材に近い状態にしてあるので、見た目も美しく仕上がります」と、ふくなおの澤村竜二さん。

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野菜、魚、肉などを素材の風味そのままにやわかく加工した、ふくなおの「やわらか食」。加熱しても溶けないので、煮たり、揚げたりなど、通常の調理法で料理することができる

「家族のために煮物を作ったら、煮汁を少し取り分けておく。その煮汁でやわらか素材を煮れば、あっという間に介護食ができます。一度蒸してあるから味も含みやすいですよ」(高橋さん)。

「やわらか食のしいたけ、すごく旨みがあって、普通のしいたけよりもおいしいかも!」と、参加者たちが絶賛したいたのは、見た目にもまるでしいたけの「やわらかしいたけやん」。こちらを使った煮物は、だしがしっかり染みていた。

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しいたけよりもおいしいと評判だった「やわらかしいたけやん」。ネーミングも絶妙


「素材そのものが凝縮されていて栄養面も安心だし、見た目や形が実際の素材に近いので料理に使いやすいですね」と、介護の現場に勤める参加者さん。
 
 色も見た目もまるでにんじんの「花型キャロリン」、むきえびのような見た目の「やわらか小エビちゃん」、通常のこんにゃくとまったく同じ原料を使用し、やわらかく加工した「やわらかこんにゃく」など、バリエーション豊富。素材の味がそのままいきているので、通常の調理法で簡単においしいやわらか食が仕上がる。

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見た目も味もまるでにんじん「花型キャロリン」

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通常のこんにゃくと同じ原料で、やわかく加工された「やわらかこんにゃく」

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やわらか食は、料理の素材として使えるので、普段の家庭の味つけで好みの料理に仕上げることができる

 鶏肉をムース状に仕上げた「やわらかチキン」は、ひと口大に切って下味をつけ、片栗粉をつけて揚げる。鶏肉のジューシーさやしっとり感があり、数回噛むだけで飲みこめるやわらかさ。揚げる前にお肉を軽く握ることで、見た目がから揚げらしくなる。

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見た目の普通のから揚げ、でも口に入れると歯茎でつぶせるやわらかさ

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ムース状で調理に合わせて好みの大きさにカットできる「やわらかチキン」

「介護食とはいえ、揚げ物がダメというわけじゃない。いつも食べていた揚げ物も、炒め物も、食べたいんですよ。大事なのは、本人の嚥下状態を把握しておくこと。歯茎でつぶせる、舌やあごでおしつぶせるようなら、噛む回数が少なくてすむようにペースト状のお肉を使うとか、小さく刻んであげればいいんです」(高橋さん)

次のページでは、介護食作り時短のアイディアを紹介!

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